6時、起床。
安楽亭の朝。雨の音は聞こえない。止んだのか?ロフトの窓を開けて外の様子を見る。まだ薄暗い。雨は降っていないようである。他の人たちを起こさないように、身支度を整えて、散歩に出る。旅先での朝の散歩は朝風呂と同じくらい好きだ。
静かな朝だ。寒くはない。
朝靄が出ている。
里山の裾野の家々を包み込んでいる。
田んぼの中の墓石たちも朝靄に包まれている。
私のいる場所も靄に包まれ始めた。
山々の峰が少し明るくなってきた。
靄は去ったようである。
もうすぐ東の空に太陽が昇るだろう。
日の出だ。数日ぶりの太陽だ。
安楽亭の隣の長円寺は紅葉が有名である。
紅葉に朝日が当たって美しい。
参道の横に小さな池があり、その池の向こうには石仏たちが並んでいる。
山門をくぐって境内へ。
足元の落葉も美しい。
そろそろ安楽亭に戻ろう。
安楽亭の朝食。ゆっくり味わう。
食後のひととき。Kが石仏のように見える。
11時にKの運転する車に乗って、みんなで小淵沢の蕎麦屋「眞」へ向かう。
だいぶ靄が出ている。幻想的な風景。運転は気を付けて。
「眞」は小淵沢駅の近くの小高い場所にある。
11時半、開店。われわれが一番乗りの客である。こんにちは、また来ました。
ほうれん草の胡麻和えと蕎麦茶。
もり。蕎麦好きのK夫婦が茅野近辺ではこの店の蕎麦が一番美味しいという。
天ぷら。塩で。
焼き味噌。酒の肴だが、蕎麦にも合う。
原村・八ヶ岳自然文化園へ行く。車があると移動が便利である。
ここは白樺と紅葉が一度に楽しめる場所である。
K夫人の妹さんのカメラの方を向いているところを撮る。二人は高校で出会って、そのまま結婚したから、もう45年の付き合いということになる。
フィールドアスレチックスの施設もある。
高校生の頃から山登りが好きだったKは、この手のものを見つけると、すぐに上りたがる癖がある。
人生の秋、白秋の白樺林の中を歩くわれわれである。
約束通り、昨日に続いて、「グリーン・エッグ」に行く。
カレーラーメンを注文。グリーンカレー+ラーメンである。これは美味い!
各自、デザートを注文。私はシュークリームと紅茶。
安楽亭に戻り、夕方までのんびり過ごす。
もう一度、長円寺の紅葉の見に行く。今回は参道ではなく、畑の方から回る。一般の観光客は通れないルートである。石仏たちの背後から紅葉の写真を撮る。
早朝とは違って、見物の人たちもけっこういる。
これからこの場所は厳しい冬を迎える。
次に私が安楽亭を訪問するのは春になってからである。
Kに茅野駅まで車で送ってもらい、5時28分発のあずさ28号に乗って東京に帰る。
新宿着は7時36分。
蒲田に戻ってくる。
夕食は、テイクアウトの寿司を買って、自宅で食べることにした。
帰宅したが、旅の楽しみはまだ終わらない。これから旅行中に撮った写真(約800枚)を整理し、ブログを更新し、旅先で知り合った方々にお礼の葉書を書いたりする。 これには数日を要するだろう。そうやって旅の経験を反芻することも、旅の楽しみの一部である。