フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月29日(土) 曇りのち雨、のち晴れ

2014-12-03 03:35:46 | Weblog

7時半、起床。

メンチカツ、サラダ(トマトとベビーリーフ)、トースト、紅茶の朝食。

今日から2泊3日の箱根旅行に妻と出かける。箱根も久しぶりだが、妻との旅行も久しぶりである。11月28日が妻の誕生日で、12月3日が結婚記念日で、2つの記念日にはさまれたこの時期がタイミングとしてはちょうどいいのではないかと考えた。今年は還暦ということもあって、卒業たちとの社交が近年にない活況を呈した一年であったが、思うに、社交というものは家族の外だけではなく、家族の内でも必要なものである。家族との社交というと奇妙に聞こえるかもしれないが、子どもが小さいときは別として、子どもが社会人となった後の家族というものは、それぞれが独自の生活時間と生活空間をもって生活しているので、放っておけば遠心力が働いて、相互作用はしだいに希薄になっていくものである。だから、一定の距離、適度な距離を維持するためには、社交の精神が必要なのである。

蒲田→(京浜東北線)→川崎→(東海道本線=特急踊り子号)→小田原→(箱根登山鉄道)→箱根湯本→(箱根登山バス)→元箱根港というルートで行く。

箱根湯本駅の改札口。

箱根登山バス(箱根町行き)は箱根駅伝の第5区のあの坂道を走る。こんなところを一気に駆け上るなんてすごいよなと思いつつ、バスに揺られる。

元箱根港は芦ノ湖の湖畔、遊覧船(海賊船)の発着所のある場所である。ここからホテル(小田急山のホテル)の送迎バスに乗る。送迎バスの窓ガラスの雨滴と紅葉。家を出るときは曇り空だったが、小田原あたりから降り出した雨は、しだいに強くなって、元箱根港に到着したときは風も吹いていた。湖面は霧が出て、遊覧船は運航を中止している。

ホテルに着いて(11時半頃)、チェックインの手続きをして、荷物をフロントに預けて、昼食を食べに出る。

ホテル別館のデザートカフェ、「サロン・ド・テロサージュ」。

パンシチューセットを注文。シチューは私は海老とホタテのクリームシチュー、妻はビーフシチューをチョイス。

デザートのケーキは、私はモンブラン、妻はフルーツロールをチョイス。

雨が小降りになって、湖の霧も晴れて来たので、ホテルの送迎バスで元箱根港に出てみる。

晴れていれば、ここから富士山が見えるはずだが、今日は無理のようである。明日は晴れるようなので、明日に期待しよう。晴れの日には晴れの日の楽しみ方があり、雨の日は雨の日の楽しみ方があるが、2泊3日の旅行中に一度も富士山が見られないのでは箱根に来た甲斐がない。

元箱根港の船着き場の前の箱根神社第一鳥居。紅葉のピークは先週あたりだったようだが、まだまだそこかしこに紅葉は残っている。

第一鳥居のすぐ横にある成川美術館。箱根にはたくさんの美術館が点在しているので、雨の日は美術館めぐりを楽しもうと計画していた。ここはその最初の一歩。現代日本画家の作品を多数(約4000点)を収蔵する美術館で、4つの企画展が同時開催されていたが、とくに96歳にしてなお現役の日本画家、堀文子の作品をまとめて観ることができたのがよかった。

展望ラウンジからは、晴れていれば、芦ノ湖と富士山を眺めることができるのだが、今日は墨絵のような世界が広がっている。

成川美術館を出て、湖畔の箱根旧街道杉並木を歩く。雨はもう上がっている。

湖に小さな島のような格好で突き出る恩賜箱根公園。一番高所にある展望館に行ってみる。

湖面の霧は晴れて、遊覧船も運行を始めたが、まだ山々には低い雲がかかっていて、富士山の姿を見ることはできない。 

でも、少し待って入れば見えるようになりそうな気がして、展望館の茶屋「緑賜庵」でみつまめを食べながら、待ってみることにした。茶屋の女将さんが「せっかく来ていただいたのに・・・・」と済まなそうに話しかけてくれる。

 

やがて富士山らしき稜線がうっすらと見え始めた。もう一息だ。

 

そして歓喜の瞬間が訪れた。

「お待ちになった甲斐がありましたね。雲一つない日の富士山も美しいけれど、雲や霧の中から姿を表す富士山もいいものです」と女将さんも喜んでいた。われわれのために喜んでいてくれているのだ。その女将さんのためにわれわれも喜んだ。

 日没前のひと時の景色を心行くまで眺めた。

恩賜公園からの帰り道、箱根支所前のボート乗り場辺りから観た富士山。広重が好みそうな構図ではないだろうか。

 

ホテルには5時半頃に戻る。夕食前に風呂を浴びる。部屋にもバスはあるが、もちろん露天風呂付きの大浴場に行く。

7時から夕食。館内にはフランス料理のレストラン「ヴェル・ボア」と、日本料理のレストラン「つづじの茶屋」があるが、一日目はフランス料理。

「お飲み物はいかがいたしますか?」と聞かれ、柚子ソーダを注文。妻はアルコール飲料を注文。

一口オードルブはワカサギのフリット。芦ノ湖に来たら食べたいと思っていたワカサギを最初に食べられて嬉しい。

海の幸のマリネ 蕪と梨のミルフィーユ添え

ほろほろ鳥とイベリコ豚の生ハム サラダ仕立て

森の茸のポタージュ

メイン料理は魚料理(スズキのポワレ)をチョイス。

デザートは、フロマージュブランと巨峰のムース アイスクリーム添え

食後の紅茶を飲んで、夕食は終了。ごちそうさまでした。

明日は9時頃から活動を開始ということで、11時に就寝。