7時、起床。
厚切りハムのステーキ、トースト、紅茶の朝食。
午後、遅めの昼食を食べに散歩に出る。今日は月曜日だが、「phono kafe」は臨時休業。行きつけの店がお休みのときというのは、新規開拓のチャンスである。行きつけの店がやっているときに、その前を素通りして新しい店に行くというのは、浮気をしているようで気がひけるのである。
行ってみたい店があった。大森の「葡萄屋」という店だ。以前から気になっていた店だが、最近、『アド街』が大森を取り上げたときに紹介されていた(11月15日放送)。私はその名前と店構えから食事の出来るカフェをイメージしていたのだが、鶏料理をメインにしたしっかりとした食事を出すレストランであることを知った(『アド街』では第8位にランキングされていた)。
大森駅の山王口を降りる。駅前の池上通りを左へ。
山王二丁目交差点のJRガード。
ウィロード山王商店街。
右側を歩く。
葡萄屋。
向かいの通りから撮る。
鶏料理にも引かれたが、黒胡椒カレー(1000円)というのも美味しそうで、初回はこれを注文する。実際、美味しかった。黒いカレーというと、蒲田の「インディアンカレー」を思い出すが、あれば薬膳料理のような複雑な味で、こちらの方がカレーらしい。
食後、商店街を散歩する。
雰囲気のある「旭光堂眼鏡店」。
ランキング第4位の「ダイシン百貨店」。
ここら辺で横断歩道を渡り、反対側のアーケードを駅の方へ戻ることにする。
松村書店(古書店)。女主人と少し話をする。ここに店を開いて30年くらいとのこと。私的には、古本屋があるかどうかが商店街の元気度の尺度の一つである。
初めての古本屋に入ったら挨拶代わりに何か買うことにしている。藤沢モト『勝負師の妻ー囲碁棋士・藤沢秀行との五十年』(角川書店、2003年)を200円で購入。勝負師には女性関係がつきものだが、藤沢秀行のそれはすさまじかった。その妻の回想録である。
路地を入ってみる。別の風景が広がっている。
山王二丁目の交差点(JRガード側から撮る)。
蒲田に戻り、くまわざ書店(駅ビル東館)で本を購入。
デイヴィット・ビリング『日本 喪失と再生の物語』上下(早川書房) 年末年始の読書の中心はこれに決める。
白河桃子『格付けしあう女たち』、『専業主婦になりたい女たち』(共にポプラ新書) ゼミ論の参考書として。
内田樹『もういちど村上春樹にご用心』(文春文庫) 文庫化にあたって、『色彩のない多崎つくると、彼の巡礼の年』と『女のいない男たち』についての評論が加わっている。
デイビット・ベインブリッジ『中年の新たなる物語ー動物学、医学、進化学からのアプローチ』(筑摩書房) 過ぎ去った人生の時期の話だが反省しながら読もう。
夕食はかます。
食後、TUYAYAでレンタルした『アナと雪の女王』を、遅まきながら観る。直接の理由は妻のリクエストであるが、世間であれほど話題になっているものを社会学者として無視するわけにはいかないということもあった。なんであれほどヒットしたのか。ある段階を越えると、たくさんの人が見ているということが、ただそれだけが、さらにたくさんの人が見る理由になる。
あの歌は映画のかなり前の方で出てくる。「ありのままの自分を見せるのよ」は結論ではないわけだ。雪の女王がありのままの自分で生きようとした結果、多大な影響(迷惑)を及ぼしてしまう。ありのままの自分で生きようとすることは、それだけでは、ダメ、ダメなのだ。ありのままの自分をコントロールする力がないといけない(社会的適応)。その力が「愛」(他者を大切に思うこと)ということになる。それが結論である。定番的な結論である。自分に正直に生きる、でも、決して自分勝手ではなく。新味はないが、大切なことはそういうものだろう。