6時、起床。
卒業生のFさん(論系ゼミ4期生)とC君(同)が研究室にやってきた。最初に断っておくが、写真からはそう思われるかもしれないが、2人はカップルではない(半分は撮影時の私の注文、半分は私のゼミの学生たちはこの程度にはみんな仲がいいのである)。
Fさんが休日出勤の代替で今日休みをとって研究室にくるということになったときに、「スペシャルゲストを連れて行きます」とメールに書いてきたので、「彼氏でも連れて来るのかい?」と尋ねたら、「いいえ、彼氏ではありません。ヒントは“素朴”です」との答えが返ってきた。“素朴”? なんのことだろう。思い当たることがない。もしかして人間ではないのか?「塩にぎり」とか? その後のメールで、「先生に思い出してもらえなくて“素朴な人”が悲しんでいますよ」と伝えてきたので、ああ、やっぱり人間なんだと思った。一体、誰だろう。
今日、Fさんが先に研究室に着いて、遅れてC君が現れた。彼は東京メトロで働いていて、今日は昼上がりの日なのである。そうか、“素朴の人”とはC君のことだったのか。でも、なんで“素朴”なの? 二人の説明による、ゼミ生の頃、C君がゼミ論のテーマについて教室で発表したとき、私が「それは素朴な考え方だな」とコメントしたそうなのである(私はほとんど記憶に残っていない)。それがゼミ生たちはインパクトがあったらしく、以来、C君といえば“素朴”ということになったのだそうである。教員の一言というのは、本人は覚えていなくても、影響力をもつものであることを再認識する。うっかりしたことはいえないな。
今年の3月25日の卒業式の日、ゼミのみんなで記念写真を撮った場所で、おなじ構図で、二人の写真を撮る。あれからもう9か月になろうとしている。
Fさんの希望で「SKIPA」へ行く。私とFさんは定食(ただし、私は昨日も来たので、昨日とは別のバージョンにしてくれた)。C君はチキンカレー。
食後のお茶は、私とC君がアイスチャイ、Fさんがホットチャイ。
室内は写真を撮るには少し暗かったので、表に出てから写真を撮る。
Fさんの視線がやさしい。*もう一度いいますが、二人はカップルではありません。
C君、こっちではなく、Fさんを見なさい。
私とFさんのツーショット。
私とC君のツーショット。
二人がお土産で買ってきてくれたスイーツがあるので、それを食べに研究室に戻る。
どこで記念写真を撮りたい? と聞いたら、「文カフェの入り口で」とFさんが言った。
彼らが卒業したときはまだこの中庭は工事中で歩けなかった。
33号館(高層棟)1階ロビーで。
C君のお土産はドーナツ。
Fさんのお土産はラスク。
真剣に見つめ合う二人。
はい、お疲れ様でした。撮影を終わります。
二人は私が会議のために部屋を出る4時半までいた。これでゼミ4期生18名のうち7名に再会したわけだが、まだ半分まで行かない。この代は地方に就職した人が多いのである。
今日の現代人間論系の教室会議は、今年最後ということもあり、いつもより時間がかかった。
夕食は蒲田についてから、東口の「ティティ(THI THI)」というベトナム料理の店で食べる。初めて入る店だが、『孤独のグルメ』シーズン4で蒲田のベトナム料理の店として登場して(第11回)、一躍、地元でも有名になった店である。私は『孤独のグルメ』に登場した店をめぐる趣味はないが、なにしろ地元であるから、一度は行っておこうと思ったしだいである。どうぜ混んでいるだろうと、ダメ元で行ってみたのだが、運よく、空きテーブルがあった。でも、そのテーブルは入口のドアのすぐ近くで、人が出入りするたびに風が吹き込んで寒かった。
『孤独のグルメ』で井之頭五郎は「ティティ」で以下の料理をこの順序で注文し、残さずに全部(!)平らげた。
海老の生春巻き
揚げ春巻き
とりおこわ
肉入りおもち
タマリンドジュース
ブンボーフエ(レモングラスのビーフン)
ベトナムコーヒー
私は最初と最後は五郎と同じものを注文し、間は二品にとどめた。
海老の生春巻き
とても美味しい。これが本場の味なのか、日本人の口に合うようにアレンジしたものなのかはわからないが、私には何の違和感もなく美味しく感じられた。
ベトナム風お好み焼き
これもとても美味しい。パリパリの皮の中はやきそばと海老。これを皮も一緒に付け合せの野菜でくるんで、特製のタレをつけて食べる。このタレが実によくお好み焼きとマッチしている
五目粥。
これも美味しい(少し塩味が強い気もするが)。
ベトナムコーヒー。濃厚なクリームの入ったグラスにドリップされたコーヒーが落ちてくるのをテーブルの上でみながら待つ。最初、かきまぜずに飲んだら、炭のような味がした。クリームをかきまぜて飲んだら、大人のコーヒー牛乳のようでとても美味しかった。
注文した料理はどれも美味しかったが、これはたまたまのことではなく、きっと何を注文しても美味しいのではないかと思わせるところがある。また来たいと思った。私が支払いをすませて店を出るとき、モデルのような美しい女性が一人で入ってきて、テーブルについてメニューを広げた。なんだかとてもさまになっていた。「孤独の美女のグルメ」だ。
ちなみに番組では客はみんなベトナムの人となっていたが、そんなことは全然なくて(番組の影響だろう)、日本人でいっぱだった。