フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月15日(木) 曇り、一時雨

2019-08-16 13:51:51 | Weblog

9時半、起床。

トースト、豆腐抜きのゴーヤチャンプルー、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

今日の『なつぞら』。「風車」の亜矢美がみんなの前から突然いなくなった。ゴールデン街で新しく店を始めるという話はこれでなくなった。列車に乗って、缶ビールを飲みながら、鼻歌を歌っている亜矢美。これから長い休暇(ロングバケーション)に出かけるみたいなオシャレな格好をして。粋な演出である。たぶん彼女の再登場(後日談)はあるまい。

午後2時を回った頃、食事がてら散歩に出る。

「吉野家」の入口に貼紙が出ていた。特撰すきやき重は売り切れとのこと。「毎日11時から販売開始」とあるが、そんなに早い時間に昼食はとれない。これは状況が落ち着くまでは無理だなと思う。

まだそれほど腹が減っているわけではないので、先に床屋に行く。お盆休み中は営業していて、来週、休むそうである。

散髪を終えて、同じ商店街にある「てんや」に入る。 

夏期限定の穴子とめごちの天丼(880円)を注文。穴子とめごちの他に海老、紅生姜のかき揚げ、海苔、おくらが載っている。 紅生姜のかき揚げはアクセントになる。

支払いの時、リッチモンドホテルの会員は一割引きと知って、会員証を提示する。得をした気分。

食後のお茶は「スリック」で。今日は六郷の花火大会があるので、4時閉店と予告されていたが、台風の影響で花火大会が中止になったので6時までの通常営業。 

グレープフルーツのセパレートティー。 

 飲み物だけのつもりだったが、しだいにお腹が落ち着いて来たので、紅茶のシフォンケーキを注文。 

それに合わせてドリンクを追加注文。自家製アイスレモネードの炭酸割り(レモンスカッシュのことか)。独特の風味があるのは、ニュージーランド産のマイヤーレモンをてん菜糖で漬けたことの効果だろう。爽やかな美味しさ。 

「スリック」には1時間ほど滞在。けっこう客の出入りが多かった。家に帰る途中、雨が降り始めて、帰宅してから本降りになった。 

 夕食は鶏の唐揚げ葱ソースがけ。息子の好物だ。

私もこれは好きで、普段なら息子と争って食べるところであるが、昼食が遅めでかつ重めであったので、唐揚げは5つほどにしておく。おかずは他に玉子豆腐、しらすおろし、サラダ、味噌汁。 

デザートは葡萄。 

原稿の締め切りまで一月ほどになったので、執筆に取り掛かる。丸々空いている日が16日あれば書きあがるという計算で、いまのところ20日空いているので(これから何日か予定が入ったとしても)、なんとかいけるだろうと踏んでいるが、絶対とはいえない。これが原稿を書いて生計を立てているわけではない者の弱いところである。

沢木耕太郎は『作家との遭遇』の「あとがき」の中でこんなことを書いていた。

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 村上春樹に「植字工悲話」というエッセイがある。

 自分ムラカミは原稿の締め切りを守る方だが、それは印刷所に勤める活字の植字工の家庭でこんな会話をされたくないからだ、というようなことを面白おかしく書いている。

 (「父ちゃんまだ帰ってこないね」なんて子どもが言うと、お母さんは「父ちゃんはね、ムラカミ・ハルキっていう人の原稿が遅れたんで、お仕事が遅くなって、それでお家に帰れないんだよ」と説明する。「ふうん、ムラカミ・ハルキって悪いやつなんだね」)

 これを読んだとき、笑いながら、しかし同時に、私の胸はまさしく「ドキン」と音を立てたような気がした。

 私はかなり遅筆で、締め切を過ぎてもまだ呻吟しているというようなタイプの書き手だった。そのときの私には編集者のことは視野に入っていたが、どこかに「よりよい原稿にするためなら許してもらえるはずだ」という甘えのようなものがあったに違いない。(中略)以来、私は原稿の締め切りを守るようになり、遅れるということはほどんどなくなった。

 村上春樹のエッセイは、少なくともひとりの物書きに対して、締め切りの期限を守るという点において「真っ当」な人間にする力があったということになる。

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ちなみに私がいま取り掛かっている原稿は、締め切りに間に合わなければ掲載が没になる(締め切りの延長はなし)というタイプのもので、編集者にも植字工(という人がまだいるのかしら)の家庭にも迷惑は及ばない。「ああ、書けなかった」と自分が少々落ち込むだけである。

 2時半、就寝。