8時45分、起床。
胡桃パン、オムレツ、ソーセージ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
食事をしながら『絶メシロード・シーズン2』(録画)を観る。今回は栃木県足利市の「かきた食堂」。自動車に乗っていると見逃しそうな路地の奥にある大衆食堂。ホルモン焼き定食だけだと弱いかなと思っていたら、豚足という隠し玉が出て来た。あれは食べてみたい。森高千里の「渡良瀬橋」が流れていた。主人公が渡良瀬橋だと思って佇んでいた橋が隣の橋だったというオチがついていた。
昨日のブログを書いてアップする。
オンライン句会の開始(午後1時)まであと30分。何かお腹に入れておこうとカレーうどん(マルちゃん)を作る。
たまに食べると美味い。肉も野菜も玉子も入れない。これでよい
句会が始まった。ライブ参加は8名。画面左上から月白さん、私(たかじ)、明子さん、紀本直美さん、さやかさん、恵美子あん、まゆこさん、(少し遅れて)犬茶房さん。投句と事前選句での参加が蚕豆さん、港さん。事前選句のみが花さん。
作品は30句(一人三句)。兼題は「夜長」(前回特選の月白さんの出題)。紀本さんが読み上げる。
選句は一人5句。天(5点)が1句、地(3点)が2句、人(1点)が2句。
私が選んだのは次の5句。
天 屋上に怪獣がいる夏時間
私はこの「怪獣」を積乱雲と見た。雲はいろいろなものに見えるが、これは「ゴジラ雲」かな。子どもが作った句のようでいて、もちろん子供は「夏時間」なんて言葉は使わない。大人が夏のわくわくした気持ちを童心に帰って詠んだ句である。
「ゴジラ雲」(私のブログから)
地 花野ゆく花の香りのかぎしっぽ
「花野」は春ではなく秋の季語。「花野ゆく」という言葉が美しい情景を想起させる。「花の香りの」とさらに畳みかけて来て、歩いているのは大人の女性だろうか、少女だろうかと期待させておいて、「かぎしっぽ」(尻尾の曲がった野良猫)を登場させるところが上手い。私は猫が出て来る作品に弱いのである。
地 三輪車唐黍畑を進軍す
本物の戦争であれば唐黍畑を潰して進むのは戦車である。ここでは進軍するのは戦車ではなく三輪車だ。子どもたちの戦争ごっこ。かわいくはあるが、いまの時代、かわいいという眼差しだけではみることができない。ウクライナの向日葵畑も戦車で潰されているのだろう。
人 スカートも日傘も濡れて遠囃子
祭に出かける途中だろうか、帰り道だろうか、通り雨でずぶぬれになってしまった。祭囃子の音が遠雷のように聞こえている。映像も音も言葉の調べも綺麗な佳作である。
人 若白髪ずる賢くて秋隣
「若白髪」とあるから若い人なのであろうが、でも、そんなに若くはない。「人生の秋」(中年期)の少し手前くらいの年齢である。白髪に気づいて、それを隠そう、染めよう、いっそのこと抜いてしまおうかと思うのだが、なかなかうまくいかない。手ごわい(ずる賢い)若白髪である。
全員の選句の結果及び作者は以下の通り。
17点 屋上に怪獣がいる夏時間 明子
今回の特選。私と花さんが天を付けた。私の解釈はすでに述べたが、デパートの屋上の怪獣の着ぐるみという解釈した人がいた。あるかもしれない。でも、着ぐるみの中の人、絶対熱中症になるな。作者に「怪獣」の意味を尋ねたら、具体的なものではないようである。「真夏」の化身のようなものなのかもしれない。ちなみに明子さんは初めての特選とのこと。ほんとですか?!
16点 鰯雲絡め空中逆上がり まゆこ
さやかさんと港さんが天を付けた。三半規管の弱い私には読んでいて頭がくらくらしてきた。社会学者のカイヨワは遊びを4つに分類した。アゴン(競争)、ミミクリ(ごっこ遊び)、アレア(賭け)、イリンクス(めまい)である。逆上がりはイリンクスだろう。どういう遊びが好きかには個性が出る。私は将棋(アゴン)が好きだった。
15点 三輪車唐黍畑を進軍す 蚕豆
恵美子さんが天を付けた。改めてなぜ「進軍」という言葉が使われたのかを考えてみる。子どもたちが戦争ごっこをしていたのだろうか。いまの子どもたちは戦争ごっこをするのだろうか。そうではなくて、子どもたちが遊んでいる様子に戦争のイメージ(唐黍畑を潰して進む戦車)を大人(作者)が見ているということだろうか。たぶん後者だろう。戦争の言葉で世界を見るようになっているのだ。
15点 花野ゆく花の香りのかぎしっぽ 月白
蚕豆さんが天を付けた。感想はすべに述べたが、「あかねさす むらさきのゆき しめのゆき のもりはみずや きみがそでふる」という万葉集の歌(額田王)を連想させるという点も付け加えておこう。そのように優雅に始まり、「かぎしっぽ」というオチがかわいいのである。
14点 積読の埃はらえる夜長かな 犬茶房
紀本さんが天を付けた。今回の兼題句の中では一番得点を集めた句である。実は私は今回、兼題句の中から選ばなかった。1つは選びたかったのだが、「夜長」と「読書」というありきたりな取り合わせの句が多く、そうでない句はわかりにくかった。出題者の月白さんも言っていたが、まじめな方が多いのだろう。この句は埃を払っただけで読書までには至っていない(感じする)ところにとぼけたおかしみがある。
9点 夜長くミス・マーブルの大団円 月白
兼題の出題者である月白さんの句。「ミス・マープル」はアガサ・クリスティの作品の主人公。やっぱり読書である(笑)。「まじめな方が多い」というのは自戒を込めての感想なのだろう。私が「夜長」と「読書」の取り合わせに魅力を感じないのは、それが観念的かつ規範的(読書の秋)だかである。夜の時間が長くなるからといって、読書の時間が増えるとは思えないのである。読書は秋に限らない。読書の秋というものはなく、あるのは秋の読書である。
6点 皮膚突き刺す夏のなごりのハラペーニョ さやか
犬茶房さんが天を付けた。ハラペーニョはメキシコ産のトウガラシの一種。すごく辛いらしいが、食べる以前に、手にもっただけで皮膚がヒリヒリと痛いそうで、軍手が必要(作者談)。ピクルスにして食べると美味しいらしい。「唐辛子」は秋の季語だが、「ハラペーニョ」は歳時記に載っていないので、「夏のなごりのハラペーニョ」はOKか。
6点 定時過ぎ夜長の気配と影を追う 港
兼題句だが、読書ではなく労働との取り合わせである。夜長というのは夜の長さそのものよりも、早く日が暮れるようになるというのが生活実感としては大きいだろう。定時というのは午後5時か6時か、そのあたりであろう。夏はまだ明るいが、秋は暗くなってくる。仕事を終えて外に出て、まだ空が明るいとういのは気分がよいものであるが、それがだんだん暗くなっていく。まして残業ということになれば、モチベーションは下がるであろう。
6点 秋茄子やただ艶やかにそこにあり たかじ
私の句。月白さんから天をいただいた。いわゆる「一点もの」の句、季語と何かの取り合わせではなく、季語そのものを詠む句である。秋茄子の艶やかな紺の色、その存在感だけを詠んだ。恵美子さんからは「静物画のよう」という感想をいただいたが、おっしゃる通り。以前、「頼もしや五つ並んだ牡蠣フライ」という句を詠んだことがあるが、同じ系列に属する句である。
6点 秋時雨ラインは永久に未読なり 月白
LINEの「既読」は一種の生存確認の機能を持つが、亡くなった友人へのメッセージにはもう「既読」が付くことはない。作者の最近の実体験を詠んだ句。「ライン」は「LINE」の方がよかったか。
5点 ゴミ出しに箱根のような秋の風 さやか
夏の終りを朝夕の風の涼しさに感じるというのはよくあることだが、それを「ゴミ出し」というきわめて生活感あふれる行為と「箱根のような」というリゾート地の記憶と結びつけて表現したところが妙味。
5点 新刊のカバー艶めく夜長かな まゆこ
明子さんが天を付けた。秋茄子の句で「艶やか」という言葉を使った私は「艶めく」という言葉に反応した。この新刊は文庫本だろうか。単行本だとしたらみすず書房の本かしら。あれは艶めいているよね。
4点 青鉛筆を削ってみる夜長かな 明子
「夜長」と「文具」の取り合わせである。「青鉛筆」がいい。また、「削っている」でなく「削ってみる」というのも、普段はしない行為を意識してやってみるという感じが伝わってくる。
4点 出しそびれし残暑見舞の金魚かな たかじ
私の句。これも季語(残暑見舞)そのものを詠んだ「一点もの」の句。「金魚」も季語だが、本物の金魚ではなく、ハガキの図柄としての金魚なので季重なりを免れている。
時間の関係で以下は作品を紹介するだけにとどめる。
3点 何もかもすぐに忘れてキリギリス 紀本直美
3点 かたむきかけたビルの隙間の夜長かな 紀本直美
3点 スカートも日傘も濡らし遠囃子 港
1点 隣人の世間話や虫の声 犬茶房
1点 秋深き全身鏡をふと見つめ 犬茶房
1点 髪先を揃え結いて山紅葉 港
1点 若白髪ずる賢くて秋隣 恵美子
1点 夜長しどこまでも趣味の自由研究 さやか
1点 長き夜の日記は長くなりがちで たかじ
みなさんお疲れ様でした。次回の句会は11月13日(日) 兼題は「風」(出題者は明子さん)
10月から月一回、「よみうりカルチャー八王子」で、紀本さんと明子さんが「小津安二郎と俳句を楽しむ」という講座(対面&オンライン)を開設されるそうである。オンラインなら私も参加できるかも。詳しくは→こちら
『山下達郎のサンデー・ソングブック』をタイムフリーで聴きながら(納涼夫婦放談のパート2)。句会の感想を忘れないうちにブログ(下書き)に書いておく。
5時を回った頃、散歩に出る。
「スリック」に顔を出す。
いちごのかき氷。
私が本日最後の客となった。マダムもフロアーの方に出て来ておしゃべり。今日も混む時間帯があったが、上杉さんがスタッフで入ってくれてずいぶんと楽になったそうだ。大変さはむしろ、夕食後に明日の仕込み(シフォンケーキ作り)をするときである。これは「体に鞭打って」という感じらしい。でも、明日は月曜日。その必要はない。「やれやれ、一週間が終わりました」の笑顔。
本日発表の東京の新規感染者数は9635人。日曜日で1万人を切るのは8週間ぶり(7月10日以来)。
玄関でチャイが散歩に連れて行ってくれるのを待っている。藤吉郎みたいにサンダルを温めてくれていたのではないよね(それは余計なお世話だから)。
夕食はシシャモ、チーズはんぺんフライ、里芋と鶏肉の煮物、ちりめんじゃこの佃煮、味噌汁、ごはん。
食事をしながら『初恋の悪魔』(録画)と『鎌倉殿の13人』(追っかけ再生)を続けてみる。どちらも目を離せない展開。後者は善児がいなくなったと思ったら、義時(小栗駿)の新しい妻となるのえ(菊地凛子)が登場。これが表と裏の顔をもつしたたかな女であることがラストシーンで明らかになる。ある意味、善児より怖いかも。女の人柄を見極める役を三浦(山本耕史)ではなく八田(市原隼人)に任せたのが間違いだったのでないか。
今日のブログを書く。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。