8時、起床。
トースト(はちみつ&オリーブオイル)、目玉焼き、スモークローフ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
藤井聡太(七冠)が永瀬王座への挑戦権を獲得したニュースが社会面に載っていた。王座戦を主催する日本経済新聞ならおそらく一面に載っているのではないか。「藤井竜王」となっているのは(「藤井名人・竜王」でもなく「藤井七冠」でもなく)、読売新聞が竜王戦の主催であるからである。将棋のタイトル戦の主催が新聞社がほとんどなのは、「観戦記」が新聞のコンテンツ(毎日載っている)として必要不可欠と考えられていた時代の名残である。連載漫画や連載小説も同様である。
食事をしながら『ドキュメント72時間』(再放送)を見ていたら、京成立石の呑んべ横丁が取り上げられていた。間もなく再開発でなくなってしまうらしい。ここは去年の秋、卒業生のサワチさん(論系ゼミ7期生)と立石カフェめぐりの途中で訪れた場所である。
(写真は2022年10月29日の「フィールドノート」から)
昨日のブログを書いてアップする。
昼食はカップ麺で済ます(減量中)。
午後から大学へ行く。
今日と明日、オープンキャンパスを開催中である。
オープンキャンパスでの模擬授業は何回か経験しているが、4年前、コロナの前のオープンキャンパスでやったのが最後だった。スロープを上がっていくと、係りの方が「ご来場ありがとうございます」と言って私に資料を渡そうとしてので、「私はここの教員ですから」と言って受け取らなかった。高校の先生か、高校生の父兄(祖父か)と思われたのであろう。最近、あまり事務所に顔を出していないからなぁ。
今日大学へ来たのは、オープンキャンパスの仕事のためではなく、研究室にある本を取りに来たのである。ジンメル(居安正訳)『社会学』上下(白水社)。清水幾太郎が『「社交学」ノート』の中でこの本のある個所に言及しているのだが、それを原稿に引用するときに孫引きですませるわけにはいかないので、取りに来たというわけである。必要なのは上巻だが、上下巻が研究室と書斎に別々にあるというのも変なので、二冊とも持って帰ることにしたが、けっこうな重量である。
研究室に来たついでに研究費関係の書類を作成して、事務所に提出しようとしたら、教員ロビーも事務所も閉まっていた。来週、このためだけに来ることはないから、提出は相当先になるだろう。
「カフェ・ゴトー」に寄って、マスターに開業32周年(8月8日)のお祝いを言おうと思ったら、マスターの姿が見えない。スタッフの方にマスターはお休みですかと聞いたら、「先日、大腿骨を折ってしまってしばらく出て来れらないんです」とのことだったのでびっくりした。お店の外階段でですか?「いえ、自宅でです」全治までに40日間くらいかかりそうとのこと。ちょうど猛暑の夏ですから、どうぞゆっくりお休みください。
「カフェゴトー」は混んでいたので、「タビビトの木」に寄って行く。こちらも混んでいたが、テーブルが一つ空いていた。
レモンスカッシュを注文する。瀬戸内レモンで作った自家製シロップを使っている。
ウールリッチ「三時」を読む。こんな書き出しで始まる小説だ。
彼女が自分で自分の死刑執行令状にサインしたのだ。俺のせいじゃない。あいつの自業自得なんだ、と彼は何度も自分に言い聞かせた。相手の男を見たことはない。でも男がいることは知っている。知ってからもう六週間経つ。
主人公は時計職人。その技術を生かして時限爆弾を作り、妻と浮気相手を殺害することを計画する。妻が外出している時間を見はからって、職場から自宅に戻り、地下室に時限爆弾を設置し(午後3時に爆発するようにセットして)、妻が(おそらくは浮気相手と)戻って来る前に自宅に出ようとしたところで、空き巣と鉢合わせして、殴り倒されて、ロープで縛られ、口にタオルを突っ込まれて猿轡をされて、地下室に閉じ込められる。時限爆弾の爆発まであと1時間25分。
そういう話だ。スリリングな展開と予想外の結末。いかにもヒッチコック好みの作品だが、彼が監督としてこの作品をドラマ化したとき、タイトルを「四時」としたのはなぜなんだろう。
「タビビトの木」を出て地下鉄の駅に向かう途中で「文禄堂」(あゆみブックス)に立ち寄る。
柴田元幸責任編集『MONKEY』30号を購入。特集は「渾身の訳業」。9編の短編小説がすべて柴田の訳で載っている。いま読んでいる柴田元幸翻訳叢書『アメリカン・マスターピース準古典篇』を読み終えたら、次はこれだ。
帰りの電車の中で、フィッツジェラルド「失われた十年」を読む。こんな書き出しで始まる小説だ。
ニュース週刊誌のオフィスにはあらゆる類いの人たちがやって来て、オリソン・ブラウンは彼らとあらゆる類いのつながりを持った。勤務時間外ではいっぱしの編集者だが、勤務中は単に、一年前ダートマス大の『ジャック=オ=ランタン』誌の編集長を務めていた縮れ毛の男というだけでしかない。そしていまは、判読不能の原稿の整理から、連絡係の肩書のなしの連絡係まで、誰もやりたがらないオフィス周りの雑用を任されるだけで有難いと思っていた。
この小説が発表されたのは1939年である。つまり大恐慌(1930年)でバブルが弾けた10年後である。主人公も他の登場人物も1920年代というバブルの時代の記憶を引きずって生きている。週刊誌のオフィスで雑用係をしている彼も、「勤務時間外ではいっぱしの編集者」(酒場では「編集者」を語っているのだろう)なのである。
夕食は鯖の味噌煮、春雨サラダ、漬物(キュウリのQちゃんもどき?)、ワカメの味噌汁、ごはん。
食事をしながら『この素晴らしき世界』第3話(録画)を観る。
デザートはスイカ。
ユーチューブで、昨日の王座戦挑戦者決定トーナメント決勝、藤井七冠対豊島九段の一戦を振り返る。本当に手に汗を握る終盤だったのだ。
風呂から出て、『桑田佳祐のやさしい夜遊び』をタイムフリーで聴きながら、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。