Barbourは、イギリスの衣料メーカー。創業120年を過ぎて、今またこの日本でも何度目かのブームがやってきた模様。
まあね、ブームだなんだといっても、コットン製のジャンパー(和製英語)の表面に防水目的でオイルを染み込ませた、オイルドコットンを使っているのだけが特徴の、あとはどこといって目立つところもない「ジャンパー(完全和製英語)」ですが、服飾を究めてゆくうちに、なんどかは必ず現れる関門といってよい。
つまり、手に入れようかどうしようか迷わされる存在。
現実には予算は一着分のところへ、おもに英国対米国の戦い、ということになるのですが、私の場合はその都度、このBarbourにするのか、マクレガーのドリズラー(ジェームズディーンが着ていたやつ)か、というのが20代。その10年後にはバラクータG9(高倉健が着ていたやつ)にミゴトに走ってしまい、ここまでご縁がなかった。
自然のなかで、浮かないように、という配慮からでしょう、非常に地味な色づかいや、コットンのジャケットにしては比較的高額なこともあり、スルーしてしまうこと数たび、で、今回ようやく入手に成功いたしました!じつに30年越し(爆)。
50代の買い物としては、まあよいか、と(なにが)。
それというのも定番といわれるモデルは限りなくシンプルで、私が着るとただの「ドカジャン」になっちゃうからなんですよ。あっ、ご存じない方のために補足いたしますとドカジャンは「土方のジャンバー」という邦訳がつきます(英語ぢゃねーし)。
基本はBedaleやBeaufortと呼ばれるヘリテージレンジですが、各種ファッションガイドや、雑誌の特集などにはゼッタイに欠かせない存在。
それこそあのアランフラッサーや、落合正勝先生も一度は着てみよ、といって勧めておられました。
今回は先日出かけたおりに、koshinyaさんから、TOKITOを名乗る日本人デザイナーさんとのコラボものを見せつけられてしまい、いいなあ、これ、となってしまい、イッキに買いに走った、というわけです。
ちなみにBarbour X TOKITOは絶版から2年ですでに伝説的な存在。
へんてこりんなモデルはともかく、王道の定番にTOKITOのデザインが入ったやつは、好事家の間では超人気であるといいます。
今回の私が買ったこれは打ち合わせに工夫がしてあって、場合によってはテーラードジャケットとしても着られるBarbourなのですが、たしかによくできている。
カントリージャケット(一部意味不明)として扱うとしっくりくるか、という雰囲気。
ツイードのパンツや、チノーズとの相性がよさそう。
調べてみれば、あのジェームズボンドが最新作で着ていたもののレプリカである、というではありませんか!
道理で高額なわけだわ、といっていったん引いていたのですが、ある晩にサイトを訪れましたら、英国からの送料無料キャンペーン開催中!
勝手にご縁を感じて(爆)、ポチリと買ってしまいました。
ほんの5日程で、英国の販売店から空輸で手元にやってきたのですが、ウワサ通りべとべとのアブラまみれでございますよ。
しばらく放置して、アブラを飛ばすか、となったのですが、なに遠慮することはない。折からの入梅の大雨のなか、お散歩に出かけてみましたら、これがよい!
防水性能は言わずもがなですが、びしょびしょになるまで雨に濡らすことでフィットも一段よくなって、成長の予感。いい感じでございます。
ロイヤルワラント(英国王室御用達)マークを最高位の3つとも取得しているのはダテぢゃないらしい。「貴族の野良着である」と看破したのはデザイナー、吉田十紀人=TOKITOですが、言い得て妙。着てみればどこか上品。
これを着て、渋谷に繰り出すと15mに一人はBarbour オーナーさんとすれ違っちゃう、というくらいに繁殖しているらしいですが、あまりかぶりすぎるのも困りますわなあ(爆)。
そこいくと、田舎暮らしの私は気がラク。
ブランドタグをとったら、ただのジャンパーなんですから、都会で着てもどこか浮いちゃう。それこそ浅草にいけば、本家ドカジャンがうようよいて、こちらのほうがしっくりくるぜ。と思うのは私だけ?やっぱ、野良着でしょう、これは。
ただし、オサレな野良着、というわけで、これは今後の私のスタイルにじわじわ効いてくるとみました。
ちなみに私は毎日のお散歩と、植木屋さんのお手入れのフォローに着ております。たしかに枝や岩に引っ掛けてもびくともしませんぜ(あたりまえか)。が、すでにどろどろ。ううむ、たしか洗えないんだよな、これ(爆)。
あまりにも良いので、現在、他のモデルも物色中(真鴨)。