日曜日の午後、午前中までのゲキムを終えて、マターリと過ごしていたのですが、せっかくの週末にこのまま夕暮れってんぢゃもったいない、とハタと思い立ちまして、またしても県境を越えて、いつものルートをボクスターに乗って100kmほど楽しんで参りますた。戻りには大抵、アウトバーンに乗り入れるのですが、今日は久々に県境にまたがるトーゲのバイパスルートを取ります。
3速で旋回する中速コーナーがおよそ50。ただし海抜200m前後からイッキに1000m超まで駆け上がる、それなりの高低差があって、結構スリリングなうえに路面が荒れている関係で、踏むのにはナカナカ勇気のいるワインディングでございます。
旧道の方はさらに険しく、3と2で曲がる複合コーナーが180、数えようによっては200を超える難所ですが、ボクスターで乗り入れる、となった場合にはやはり3と4で思い切り踏める(ブレーキの方ですよ~)バイパスの方が楽しい。午後の5時前でしたから、そろそろライトを点灯するかという時間で、交通量は登り側はまったくまばら。下りは首都圏へと向かう車が列をなして、イライラしておられます。
九十九折れの区間ではほぼ全てに登坂車線がついている関係で、ラインもかなり自由。が、そこに至るまでの3kmほどの間は一列になって、今日のメンツ(爆)が確認できる仕組みになっております(ここ肝心)。Kやミニバンにまみれている中に、ペタペタの車高のシビックやらインテグラさまなどがおられるのですが、こんなのはまあ論外。
この区間では火山灰土の上に舗装が敷かれている関係で、路肩が弱く、コーナーのアウト側の路面が非常に悪いのです。足回りをいじくり倒した結果、足が動かなくなっているクルマは、1mがところは簡単に飛ばされてシマウマ。まあコーナ3つ目あたりで戦意喪失、となるのがフツー。
手強そうなのは、まあいないな、とタカをくくっていたのですが、ふと見れば、列の後ろの方にひとつ前のR34が追いついてきています。いかにも走りそうな爆音シルビアもその後ろにくっついてきているけど、まあこれもねえ~。というわけで、なかなか賑やかですぜ(爆)。さすが週末。こんなメンツはハナからやり過ごしておかないといぢめられるぞ~、と覚悟していたのですが、気温10度近辺の冷気のもと、フルオープンのなか、対戦相手を冷静に分析してみますと、なに強化ブレーキと、持て余さないパワー、さらに動くサスペンションをもっているうちの僕ちゃんだって、そんなには遜色ないはず。
まあね、ひと世代前とはいえ、オニのように速いはずのGT−Rに置いて行かれるのは致し方ないとしても、シルビアに負ける、ってのは考えにくいっしょ、というわけでイザ~(一生やってろ)。
となったのですが、みなさまそれなりのペースながら、追いすがってはきません。
なんだよ、つまらない、と思い、少し待ってやるかな~(爆)とも思ったのですが、カマされるのがオチというものですから、先行逃げ切りを図りましたっ!
案の定、GT−Rが追いついてきましたので、すかさず私も外側の走行車線にどくのですが、先行させた、と見せておいてそのまま加速を続けます(爆)。旋回中はほぼ互角。そのあとの直線の立ち上がりでわずかに置いて行かれるだけで、ブレーキング開始。となってしまいます。Rにもよるんだけど、こりゃいける。
進入と旋回はむしろミッドシップのこちらがいい感じなほかに、どうやら旋回中の安定感が違う模様。直線で置いて行かれるがコーナでは挽回できる(気がするだけです)。
2速に入れたいのを我慢して3速のアクセルコントロールでやっつける高低差のある中速ヘアピンが中盤には連続するのですが、勝負はそこだ(ここ高橋涼介の声)。頃合いを見計らったブレーキングがあれば3のままギリギリ進入できるか、というあたりが勝負。
アウトからの進入は、路面が荒れている関係でヒジョーにコワイのですが、なにうちのボクスターではタイアひとつ鳴きやしません。ですから3のまま進入できる。それに、普段からこのトーゲではアウト側のみ走って、スピードを落とさない練習を怠ってはおりませんて。GTーRのことはなるべく見ないようにして、コーナーの出口をめがけてアクセルを開けてゆくと、なんと並んでしまうではありませんかっ!
ここで遠慮する私ではありません。ガードレールから遠い=イン側に寄りたいのをこらえて、ビミョーなブレーキングののち3のまま、思い切りロールを伴いつつもガマンして旋回。アウト側からきっちり前に出たらもうこっちのものだ~っ!
あとはもう遮二無二でございますよ。フェロードのパッドがもたらす、恐ろしい程の制動力に助けられながら、それでも後輪荷重が抜けないように、というのを意識しつつ制動。さらに中回転からのトルクを意識した、U教授譲りのドライビングを行います。
付かず離れずしていたお相手は次のコーナーではインからいこうとするのですが、そうは問屋が卸しませんて(爆)。パワーとトルクを持て余す、あちらはアクセルコントロールが非常に難しいはずなうえに、インでは踏めないのがありあり。かといって路面が荒れ放題のアウト側ではさらにペダルコントロールの難易度が高いはず。だいいちコワイ(爆)。
いっぽうボクスターでは、適度に足りない気味のトルクとパワーなので、アクセルを開ける方向で調整ができるので、はるかにラクです。
また、34Rでは当然MTでしょうが、こちらはTIP。スイッチひとつでアップもダウンも自由自在ときている。一昔前のトルコンとはわけが違うダイレクトシフトでもって、アクセルコントロールが効きますから、これも有利です。今日の旋回では3と4の超高速バトルでしたが、それでもフツーの人ならTIPが断然有利なはずです。
まあね~、こうやって前に出たからってなんにも意味はないんですけど、トーゲの楽しみはこういうひっくーい次元のものです(自虐ネタご容赦)。
頂上に近づくに従って、Rはどんどんきつくなるのがこのルートの特徴。後半ではさらに高低差もついてきて実際以上にコーナーのRをきつく感じる仕組みとなっています。中盤で前に出たらもうこっちのものですからして、あとはスムーズに転がすように心がけます。
するとどうでしょう(ビフォーアフターのアフターの方のBGMここから)。
あれほどしつこくつきまとっていたGTRが離れてゆくではありませんか。ここにも匠からの贈り物がぁ~(爆)。
ううむ、僕ちゃん、よくやった。県外ナンバーのGTRには花をもたせてやりたかったけど、まあしゃーない。スポーツカーが乗用車に負けるわけにはいきませんからね(一生やってろ)。
その昔、964ポルシェでここを登っている最中に、ランエボの2だか3だかにカマされたことがありますが、なんというか911には常に付きまとうコワさがボクスターには一切ないんですよね。道を選ばない安定感は超一流。本当にすごいクルマに仕上がっていると思います。