仙台の北、古川という街から、日本海岸の酒田までを横断するR47は、気候変化の激しい国道です。分水嶺を超えるうちにいつの間にやらそれまでの晴天が激変、小雪まじりの真っ暗な空に、なんていうのもざら。特にこの季節はこのルート自体がもろに日本海側と太平洋側の境界線を越える関係で、天気の移り変わりが激しく、この国道を往復するだけで、気温や路面状況が大きく変わります。交通の流れも速く、場合によっては次の信号まで貸切だ、などというのもあまり珍しくありません。
987ボクスターでは、50kmhまでの速度で屋根の開閉ができる関係で、自由自在。多少冷たくとも、外気に当たりたければソク可能ですし、冷えてきたなあと思ったら閉める前にシートヒーターという贅沢な装備もございます。暖房も完備ですし(そりゃそうだ)、ほぼ言うことなし。R47は60kmh程度で流れることが多いのですが、アクセル開度を考えますと、MTモードの4あたりに放り込んでおくと快適。オンボードの燃費計はほとんど役に立たないので有名ですが(爆)、それでも燃費計の他に、可能走行距離計でみると徐々に数値が上がるので、効率が良いのだ、と知れます。
ボトムエンドのトルクが気持ちよく湧いてくる関係で、ほんの2000rpm程度のレスポンス、極上!!野太い排気音は986にはなかったものですが、987のこれは聴かせる、というほどではありませんが、空冷のポルシェに親しんだものにとっては異次元の音の良さです。
この国道とほぼ平行するように走るJR陸羽東線、西線は、奥の細道湯けむりライン、というニックネームを頂戴しているそうなっ!つまりは温泉の宝庫。ただし、クルマなしでは、沿線の両側に点在する温泉群に立ち寄るのさえ難しく、鉄道に乗っている場合、湯けむりラインと聞かされるだけで、温泉好きとしてはただただ歯がゆいだけ、というのを去年の酒田までの往復でイヤというほど体験してしまっております(爆)。
もちろん、駅からはそう遠く無い立地に温泉街がある場合もあるのですが、立ち寄り、となった場合には2時間に一本あるかどうか、というダイアの関係でかなり難しい。なにより、時間的な制約なしに楽しむのが湯浴みですからねえ~。それでも40分がせいぜい。非常にビミョーなのです。
はじめてこのエリアへと出向いて、数日間湯治をして楽しんだのはちょうど1年前。その折にはミゴトに初雪に遭遇。クルマでの移動を諦めたのがつい昨日のことのように思い出されます。11月半ばで、地元の方々も大慌ての早めの初雪でございました。
今年は、例年に比べますと雪が遅れている由で、ラッキー、とばかりに去年、すっぱり諦めた山形方面にこれでもかとある温泉群をボクスターで訪ねてまいりました。
画像は最上川べりにある、道の駅とざわ、にて。鳴子からはほんの1時間弱の距離にあります。
最上川が大きく蛇行するビューポイントを生かした立地なのはわかるのですが、敷地内がコリアン一色。韓国のどこかと友好都市提携がある関係らしいのですが、周辺の景観からは浮きまくり。明らかに景観を損ねています。チョゴリやキムチを高価で(爆)売るのも良いのですが、あんまり目立ちすぎちゃうのもねえ~(困惑)。
天気予報によれば、日本海岸でも晴れる予報でしたので、このまま酒田まで、とも考えたのですが、今日は温泉がお目当て。来週には雪にまみれてしまうはずの肘折温泉を目指します。
路肩にはところどころ雪が見える中、豪雪地帯に位置する肘折を目指します。山を登りきったあたりでとつぜん視界が開け、なんと月山のお出迎え!ううむ、すばらしい。なんというか荘厳。この季節のこんな豪雪エリアにボクスターで出向く、というのも感慨深いです。月山は初めて拝みましたが、地図や予備知識などなくても、見た瞬間に、はっきりそれとわかる。それくらいの威厳を備えたお山でした。
肘折の狭い路地を、沿道の人々の冷ややかな視線を感じつつ(爆)ハデなボクスターで流してゆくと、風情ある温泉街が大体把握できてきました。スポーツカーとしては異例に深く取られたアプローチアングルの恩恵を思い切り受けながら、公設の駐車場にクルマを置き、ガイドブックによれば、混雑必至だという「上の湯」を貸し切りで愉しみます。ああよきかな。
山間のいで湯を思い切り堪能して、クルマに戻っても時間はまだ午前中。
あちこちを行ったり来たりする観光などではなく、このまま東鳴子へと戻り、宿の部屋に備え付けのフルキッチンで、ビールでも飲みながら好きなものをこさえようかな、とこのあたりが湯治のヨロコビというものでございます。