嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

RRLのリファインに挑んでみる

2015-07-23 19:18:20 | 夏のエレガンス講座(爆)

さて、念願叶って、ようやく入手した、このRRL。

一見、オーソドックスな造形に横幅60cmにも及ぶ大型のサイズ、プラス、トラッドな色使いで非常にまっとうなモデルに見えるのですが、まったくもう、信じられないくらいのユーズドテイストをまとっております。これでもかのダメージが新品のうちに人為的に加えられているのです。

私も、服飾好きなこともあって、この方面も理解しなきゃ、と思いはするのですが、ここまでやられちゃうとアゼンとするしかない。それくらいの加工ぐあいです。

このようなレザーを多用したカバンてのは、パリパリの新品を恐る恐る買って、丁寧にエイジングを行いながら、10年、20年かけて自分のテイストにしてゆく、というのが不文律と考えていたのですが、そんなのどうやら古いスタイルらしい(とほひめ)。

新品の状態で、すでにカスカスに使い込まれた風合いを醸しているのがエライのだ、といわんばかりなのがこのRRLラインでございます。一部ブランドが力を入れている、ダメージ加工ジーンズで、ほとんどすべてに鉤裂き(爆)が走っちゃってるのを履いている人を見かけることがあるでしょう?

あれを見かけたときのなんともビミョーな空気を想像していただけるとこのバッグに近いです。

それこそ、昭和の頃はこのエイジングなど、自分で行ったものでして、大枚はたいて買ったばかりのリーバイス501(私は70年代にXXシュリンクトゥフィットを8800円(消費税なし)で買ったキヲクがあります)を履いたまま湯船に浸かって、タワシで洗いまくったら、風呂釜ごとインディゴ染めになっちゃったり(爆)、軽石でこすって薄くした上に、クギやドライバー、はてはカミソリなどを動員して割いたり、穴をあけては、悦に入っていたものです(ばかだ~)。

せっかくあけた穴なのに、そいつを見かねたおばあちゃんがアップリケ(完全死後)で補修しちゃった(爆)、などという「事故」もごく普通に起きておりました。

これらダメージ加工はいまやブランドごとにワザの競い合い。

いかに巧妙に仕上げるかにしのぎを削っておられるわけですがNYやロンドンあたりのホテルですと、いっしょに託す荷物がナイロンのリュックなんかだったりしたら、まずまちがいなく足で蹴られて転がされるのがオチ。とそれくらいの仕上がりでございます(爆)。個人的にはホームレス一歩手前にしかみえない(爆)。

こんなダメージ加工に予算を使って、非情な高額で売りつけるのよりも、パリッとした状態で、このデザインで売ってくれれば、と思うのはすでにジジイの戯言、というわけなのでしょう、多分。

個人的には、自分の手で、長年かかって成長させる、この一点こそがオサレの喜びだと思うので、まったく理解不能。ユーズドテイストは自分でやるからカッコよい、これが私の意見です。

さて、私のお好みはこちらへ置いといて(どうでもよいともいいます)。とりあえず手に入れたバッグは、どこか中途半端な印象です。長期在庫だったのがありあり。

肝心のベルトとバックルのリアルレザー部分はなんだかカサカサに乾燥しています。

基本、ダークブラウンのところが、ライトブラウン~イエローにも見えちゃうくらい。サンドベージュの本体にライトブラウンの組み合わせ、さらにやれやれのビンテージ仕上げでは、どこか締まりに欠ける印象。

これらをヒビ割れるまで放っておくのがラルフローレンの意図なのか?

それともここで一発、油脂類を補填して、自分好みのテイストに少しでも持って行くのが正解なのか。

あるいは新品未使用なのを売りにして、このままとっとと売り払っちゃうのか?

まったく悩ましいところですが、せっかく2年間も探し回って手に入れたのですから(といってもネットを徘徊してだけですけどね~)、ここはジマンのギヤを動員して、リフレッシュ、というかリファインを図ることにいたしました。

引き出しを開けてみれば、各種サプリメントが目白押しですよ(爆)

画像右はCordonnerie Anglaise en Parisのビーズワックス。蜜蝋(honeycomb)から作られた贅沢なクリームは香りも良く、染色パワーはミディアム程度ですが、皮へのなじみが良く、ある程度、浸透はするが、染色性能はほとんどなし、というのが特徴。つまり、保革と防水むけ。

中央はサフィールの油性クリーム。ツヤの他に、染色性能が高く、浸透性もかなりよい。シアバター配合だというから、革には効きそう。

クツヲタが自宅に一本必ず所有しているのでわないか、というくらいのヒットとなりました。おもにMen's EXの靴磨きムックのおかげでしょうか?

かくいう私も、所有する靴にあわせて、ほぼ全色そろってしまった(ショック)ほどで、ぜんたいにバランスが取れたソツのなさが売りか。

右端は無色の栄養クリームで、これまた有名プロダクツ。あの、Web広告ばかりしているので有名な(爆)土屋鞄が純正お手入れクリームに指定したのはキヲクに新しいのですが、浸透性能がよすぎて、つい使いすぎてしまうま(ばか)。結果、CPが非常に悪いのが特徴(苦笑)。

円安のアヲリを食らって、ものすごい高級クリームとなってしまったのはつい去年からです。はっきり言って、オーデコロン並のお値段を誇るので、おいそれと塗りたくれない。

塗り込む側から浸透してしまうので、エンドレスに使ってしまう。大量に使ったなりに、仕上がりはしっとりとして文句なし(爆)。重量感すら出ます。

無色なので、素の色を大切にしたい場合に重宝。と、これもまた皮革好きのお手元には欠かせないアイテムです。

全て靴関連からきているのが、まことにアレですが、なに同じレザーには変わりありませんて。

ツヤ、というよりもこんかいは栄養補給がおもな目的なので、実績のある上記のサプリは、経験上必ず効きそう。昭和の頃には、こんな気の利いたアイテムは皆無で、ひたすら溶剤たっぷりのミンクオイルを塗りたくっては、伸びとホコリとの戦いに挑んだわけですから、恵まれていると申せましょう。

今回のようなカサカサのレザーにはそれこそこれら最新ケミカルはドバドバ浸透してゆくはずなので、楽しみでございます。

画像左側がクリーム浸透後。右のベルトは使用前です。色の違いが明確ですね。ちょっと塗っただけでこれなのでかなり効きそう。

というわけで、クリーム出動、と行きたいところなのですが、明日からの週末は世間イパーンに夏休みシーズン、というやつ。カバン相手に楽しんでいる場合ではなさそうなので、秋口まで放置プレー、との公算が大きいです、はい~(うれし涙)。