ホテルメンズアソシエイション(謎)の集まりのあとに、時間をいただいて長野県北部の湯田中温泉に寄ってまいりますた。かれこれ、10回ほどは通っている湯田中温泉のよろづやさんにまたしてもご厄介になって冬の寒さを楽しんできますた。
湯田中は、志賀高原への登り口にある温泉街。長野県北部は、連日の降雪に見舞われているとのことでしたので、まともに走行できるのか、と案じておりましたが、どっこいノーマルタイアでも全くおっけいなレベルの除雪がされております。
夕暮れ前の到着でしたけれど、期待通りの小雪が舞う中のドライブで、全く楽しいったらありゃあしない。横浜界隈から、一気に湯田中までやってきてしまいましたので、ざっと450kmほどのドライブでしたけれど、トクイチオート謹製のB子さんには朝飯前の旅程。あと500kmほど走っても、どうってことない、という
感じの疲れのなさです。安定感とリニアリティが効いているのだと思われます。
夕焼けが始まるか、という時間帯にお風呂から上がって、お部屋でビイル、などという「お約束」もこのような古典的な温泉街ではハマります。
よろづやの名物とくれば、
この「桃山」と呼ばれる、登録有形文化財にも指定されているアンティーク円形風呂であるともっぱらの評判ですけれど、個人的には
こちらの露店風呂のファン。池の鯉になった気分で、深夜、それも2時3時に出向いては、貸切りの浴槽を楽しむのは無常のヨロコビというものです。折から、雪などもちらついて、そりゃもう情緒満点。
外気温、マイナス5度を下回るレベルでの、この広大な露天風呂ってのまったく贅沢の極み、と言えるでしょう。ああ、経営者でなくてよかった、と(爆)。湯田中温泉は、県内でも比較的、高温の源泉を有することで有名な温泉場ですけれど、その湯田中でも、これだけの表面積をもつ露天風呂を適温に保つってのは並々ならぬ努力(=超高コスト)あってこそだと思われます。
さらに
こちらが、「東雲(しののめ)」と呼ばれる、もうひとつのパラダイス(爆)。このての昭和の温泉宿にありがちな、高級浴槽にお目にかかれます。一部、バブルのかほりも漂っていて、これはこれで秀逸でございます。
まったくよく維持されている施設で、行くたびに感心するのですが、これらのお風呂は同じよろづやでも実質、3軒の旅館の共同利用です。
高級、普通、ビジホなみ、と料金べつに巧妙にランク分けされた3つの建物から構成されるよろづやですが、私が泊まるのはもちろん最安のビジホなみの棟(でたっ)。泊食分離を、温泉地ではいち早く導入したビジネスモデルとしても有名ですが、そいつがうまくいっている、どころかこのビジホ棟こそが、現在のよろづやさんの牽引役でございますよ。
私が泊まった晩に露天風呂から眺めたところでは、文化財級の高級棟は、稼働ほぼゼロなのに対して、フツー棟は3割、ビジホ棟は9割、という稼働率。湯田中のトップシーズンはじつに真冬の今ですからして、今後は採算の足を引っ張り続ける高級棟の扱いが課題でしょうなあ。
このビジホ棟は想像しますに、廃業するというお向かいさんを買収して、よろづやの看板を掲げたものと推察されるのですが、まさに経営手腕というやつでしょうか。
周辺の、温泉宿が軒並み廃業に追い込まれる中、定期的に強いられるはずの施設改修の重圧に耐えている。もって他山の石。ううむ、当ホテルも見習わなければ(爆)。
画像は、R117沿いから新潟県境方面を望む、の図。今年は、例年になく積雪が多く、除雪に難儀しているそうな。