さて、履き道楽2019は、いよいよラインナップ完成まぢか。寒いこの時期には私も冬ごもりだ、というのでゼームのかたわら(苦笑)、靴のお手入れに勤しんでおります。ももちゃんも、漂ってくる様々な油性、水性のかほりにメーワクそうな昨今(爆)。
靴の基本形はとっくの昔に完成されてしまっておりますから、細部をミリ単位でいじるのはアリだとしても、基本のところはすでに出尽くしている、というのがこの世界です。
つまり徹底したコンサバ。これこそがキーワードで、あるワクの中でいかに楽しむか、というのが靴趣味の実態です。
ハズしてたのしむのも趣味ですからそりゃアリですが、靴は単体で語ることができず、総体としてのファッションの一部で捉えなければなりませんから、ハズしの靴は浮いちゃって、履けなくなるのがほんとうのところ。これ、ベルルッティで学びました(爆)。
モードな靴は、それ自体たしかに美しいが、飾っておくわけではありません。ファッションの一部として捉えたときに、浮いていないかどうかの判断が必要だということです。
オーソドキシーを追求していったときに(ユニクロばっかり着てるくせに)、素材、デザイン、その他の総合バランスでたどり着くのがジョンロブパリのカタログモデルの中のほんの一部のモデルたちだ、というのが私の極私的な見解です。
じつにそこを目指して長年やってきた(ナニヲ)わけですけれど、紆余曲折あって、というのはどの靴好きでも一緒でしょう、きっと。
上の画像は、つい先週リリースされたばかりのJLオーバーシューズ。天候の変化が禿げしく、雨の多いロンドンでは必須アイテムですが、こんかいの新型ではcityに見られるようなトゥの横一文字が映えています。
色がブラックとバーガンディぽいコーポレートカラーのブラウンに限定されてしまって、初代にあった名物のイエローが欠番となっております。
コーポレートカラーがバーガンディになった関係でしょうけれど、ちょいと残念。
このイエローには遊び心があって、大のお気に入りなのですが、ロンドン以外で使ったことがないというね(爆)。でも、旅先などで持っていると安心です。
今年は事情があってロンドンにはいけないので、国内でバイリクエストでもやってやるかっ、などと一瞬考えはするのですが、とんでもない!
あまりの高額に、こりゃもう靴の値段ぢゃねーわ、といって退いてしまうレベル。
もちろんその価値は認めるのですが、色々と方法やツテがある現在、回り道と(受け取りまでの)時間をかけさえすれば同じものが70%程度のお値段で手に入るし、なんといってもそのプロセスが楽しいときている(ロンドンにいけるし)。
というわけでモデル選定に入ります。とおもったら、4年前の全く同じ日に同様の記事を書いておりました。おそるべしニンゲンのサガ(爆)。
コレクションに唯一欠けているのは「黒のオックスフォード」。なんともまあミョーな話ですけれど、事実。
フツー、コレから入らないかい、というツッコミはその通りでして、自分でもここまで買わずにいたのにわ驚いております。
2015年のロンドン詣でのおりに、このオクスフォード選びに関しては徹底して予習しておりますが、いざホンキになって選び始めるとまようまよう!!
プレステージクラスのStafford くん。またしても最有力候補です。すでに廃盤のモデルですから、バイリクエスト専用モデルだとして、国内ではおそらく27万円ほどでしょう。
また、バイリクエストで再制作可能となるのは、ほんの一部の廃盤人気モデルのみ。ほとんどのモデルはあえなくdiscontinuedとなってアーカイブの彼方へ忘れ去られてゆく、というのがフツーです。
JLの靴に関してはこれだ、というモデルに売り場なりネットなりで邂逅したら「可能なかぎり」買っておく、というのはあながち間違いでわありません。
初めていったJohnLobb Londonでのご相談のおりにもoxfordが主な選択肢だったのですが、色で遊んでやるか(初心者が陥りがちなワナですね)といってRed Museum Calfを所望したら、色見本ではなく、実物、しかもStaffordのRed Museum Calfが登場しちゃったのにはたまげるばかり。
さっすがロンドン。ここまで出向いた甲斐があったじゃねーか、といってCity2のRed Museum Calf を注文して戻ってきたのが4年前の出来事です。プレステージのStaffordには、当時のレートだと手が出せなかったんっすよ(苦笑)。サーチャージもかかったし。
私の手元のオクスフォードはCity2とPhillip2 。いずれも遊び靴(爆)仕様。なんといってもブラックがないのが困る(爆)。
そこを補う意味で、去年のパリで
がーん、JL2010を入手。じつは2足目(爆)。注文からは一年以上経過して引き取ることができました。
サンジェルマンの店で偶然のバイリクエスト祭りに遭遇した顛末から、迷いながらもこのモデルにたどり着いた顛末はこちらに詳述しておりますので、是非ともご参照ください(爆)。
ただし、お色はオリジナルのJL2010には存在しないDeep Blue Misty Calf。という一見ブラックに見えながらも、じつはブルーである、というヒネリの効いた一足を調達したのはキヲクに新しいです。
どうしても黒靴にいきたくなかった私の心中をお察しください(爆)。靴に関しては単に黒というのが退屈に感じたのと、ジョンロブのブラックについては知識がまったく足りていなかった、というのが本当のところです。
この辺りはのちほど詳述いたします。
この一足は去年一年でイキオイがついて、かなり登場回数が多く、少しくたびれてきました。
が、くたびれてる、と言ったってそこはジョンロブのトップエンド。シューツリーを突っ込んで、水性クリームを染み込ませただけなのに、しゃんとなって、ツヤもご覧の通り。
ミスティはこのようにあえて光らせずに、塗っても水性のほかにたまに乳化クリームを補充して仕上げつづけていると、ご覧のように底光りするようになります。外光にさらすと紺〜ブルーに光ります。色が変化しないように、無色のクリームのみ塗布しております。
そしてもちろん
Phillip2閣下〜!!
定番にして王道。エレガントというのでしょうか、どこか華やかな印象もある傑作です。うつくしい、のひとことですけれど、スエードで一足持ってしまってるので、黒にして追加するのも、なんだかもったいない気がするっす。
もちろん閣下にあらせられましては何足でも手元に置きたいのわ山々なのですが(爆)、今回のこの環境での黒靴のチョイスとしては当たり前すぎるか(ゼータクいってらあ)。
ううむ〜、というわけでいよいよ五里霧中。バイリクエストの迷宮のなんと楽しいことか。
愛読書(爆)。その昔のメンズEXでございます。木型に応じたトゥの形が詳細に解説されているのが秀逸。ブランドごとに、というのはもちろんですが、さらに一歩踏み込んで、木型ごとに解説されている、というのがミソっす。
現在のようにJL一択となる前にはずいぶんお世話になりましたっけ。
古い雑誌でも一度お世話になったものはなかなか捨てられない習性のおかげで色々とあさるべき文献多し。詳細次号。