ご覧ください、このシルエットw。クーペと寸分違わぬ曲線をめざした、という流麗なシェイプの幌がこのクルマのハイライトです。
触ってみると分厚く、長年慣れ親しんだ987ボクスターあたりとは別物に進化しているのが感じ取れます。乗ってみると遮音性もすごい。眺めている分には非常にシンプルな構成に見えるのが進化というものでしょう。内張も同様です。
ところで911の車検証を眺めておりますと、前車軸重、後車軸重という項目があります。数値の合計がクルマの重さ、ということになります。
それによりますと、991カブではフロント560kg、リア940kgと表記されております。
上の画像からは想像もつきませんけど極端なリアヘビーが911というクルマの伝統。思い起こせば、ヒトラーにいわれてVWビートルのリアにエンジン積んだポルシェ博士が決めて以来の伝統がいまだに守られているあたり、ロマンですのう〜w。
ビートル由来のこの伝統はこのモデルでももちろん継承されて(しまって)います。
これがなにを意味しているのか?
そりゃコーナー脱出時の絶大な後輪トラクションですとか、急な下り坂での夢のようなブレーキングだとか、超高速からのブレーキング時にフラットな車両姿勢が保たれるとか、枚挙に暇がございませんけど、一番わかりやすいのは
「前輪タイアに対して、後輪タイアが2倍のスピードで減っちゃう」現実です(完全意味明瞭)。
30年前の90年式964カレラ2カブリオレの例で申しますと、当時の標準タイアサイズで後輪は225/50/16。今ぢゃ、ミニバンでも履かないようなサイズですがwこれがだいたい5000〜8000kmで交換がちらつくようになったのをよく覚えております。
んなバカな、って?いや、本当。自分の経験なのでウソいってもしゃーないし。
パフォーマンスが落ちる、というよりも単に5000kmも走れば「へっちゃう」んですよ。当時も今も変わらないリアヘビーが原因です。対してフロントタイアは205/55/16でしたっけが、10000km程度までは使える感触だったのも思い出します。
当時のポルシェ仲間たちはフツーにリア2本に対してフロント1本の割合で交換してました。当然ですが、そうやってタイアをケチってると雨の日にタイヘン悲惨なことになったりして借金かかえるハメになったりね(懐爆)
主な銘柄はピレリーP700ZやブリヂストンエクスペディアS001 、002。RE71などなど。パターンがかっこいいから、とかなんとなくよさげだから、とかそんな理由で選んでおりましたw。
当時の定価というか流通価格で4本交換にその他諸々の経費込み20万円程度が標準ライン。N認証だけは死守しておりましたのも思い出します。
今も同じですが、タイアの空気圧を指定通りに規定値まで入れちゃいますと、センター付近を中心に摩耗してしまうのもお約束です。これ、ポルシェに限りませんよ〜w。
タイア空気圧のメーカー指定値はズボラな人のためのもので、そこから0.2〜3は落とさないとダメです。
このシリーズの主役=991カブ、愛称「旧ちゃん(爆)」の「標準」タイアサイズは耳を疑うことに、F235/40/19 R285/35/19(のけぞる)。じつは私、こんな大口径のタイアやホイール、見たことすらないしw。って、またしても昭和のモノサシっすねw。
911って、こんな高みにいるんだ、とカンドーするひとときw。
さて、考えてみてください。重量配分は964も991もおそらく同様なはず。ということは摩耗のスピードも同じレベルでしょうから、ガマンしながら使って、8000kmにいちどはタイア交換が必要になるということ。
それはよいのですが、費用面おそらく70〜80万円程度と思われます(即死)。19インチでこの程度ですから、チョーシこいてオプションの21インチとかですと簡単に100オーバーなのが見えております。
加えて、みなさん、考えてみてください。911をリフトアップした画像や映像をご覧になったことがあるかもしれませんが、後輪のすぐおとなりにはなにがあるでしょう?
そう、熱源!エンジン+排気系が鎮座ましましておられます。そしてこれら熱源とリアショックの位置関係を思い出しましょう。これでもかと近接しているのです。
これがなにを意味するかって?油圧で動かされるリアダンパーに常に燃焼と排気の熱の影響がいくんですよ。
大まかに申しますと、フロントサスペンションに対して、リアサスには4倍のストレスがかかり続けます。
リアタイアにリアショックがフロントの4倍のスピードでやれていく、だってぇ〜?聞いてないよ〜(ダチョウ倶楽部)。
ああ、おなかいてえ〜(爆)。
これが911の現実なんです。以下次号