温泉ファンなら多くの方がご存知の岩手県国見温泉。私もウグイス色のお湯の魅力に惹かれて何度となく通っているのですが、当地に3つある施設のうち、今回は「森山荘」で入浴させていただくことにしました。拙ブログでは初登場ですが、私としては3回目の入浴です。いかにも山小屋らしい総木造の、登山基地にふさわしい佇まいですね。
訪問時はちょうどお昼12時だったのですが、11:30~12:30の露天風呂は女性専用タイムに設定されているため、まずは内湯に入って体の垢や汗を洗い落とすことに。
よしよし。内湯は独り占めだぞ。そう一人で呟きほくそ笑みながら、まずは真湯のシャワー(2基あり)で体を清めます。この浴室のシャワーって、2つあるうちの1つが浴槽の向こう側にあって、湯船を横断したり縁の上を歩いたりして、向こう側に渡らないと使えない構造になっているのがちょっと不思議なところであります(ま、スペース上やむを得なかっただけなんでしょうけど)。
壁の棒に引っ掛けている木工物は言わずもがな枕でして、浴槽の縁にその枕を置いて、頭を載っけて仰向けに入浴すると、とっても良い感じに体が湯船へおさまります。風呂場で枕を目にしたらトドになりたくなる東北人の方も多いでしょうけど、床スペースはそんなに広くないので、ここでのトドは無理(というか迷惑)でしょうね。
湯口から間断なく注がれるウグイス色透明(私は勝手に国見グリーンと称しています)の美しいお湯。あぁ、なんて綺麗な色なんでしょう!
お湯からは焦げたような硫黄臭とクレゾールを彷彿とさせる刺激臭が放たれており、口にすると甘塩味や石灰味の他、口腔が痺れる苦味とえぐみが強く感じられ、お湯を吐き出してもしばらくは口の中に苦味や渋味がしぶとく居残りました。
この時はしばらく入浴客がいなかったのか、湯船の湯面には国見温泉名物の湯の花の膜ができかかっていました。実際にできる膜はこんなもんじゃなく、あたかも氷が張り詰めたような感じになるのですが、そのスタート段階が上画像の状況です。
12時半(女性専用タイム終了時間)を過ぎたので、一旦服を着てから露天へ向かいます。途中の道標には左が「ペット専用」、右が「人間専用」と記されており・・・
露天風呂の手前にある見晴らしの良いテラスにはペット専用の風呂が据えられております。ここではたくさんのペットたちが湯浴みしているんですね。撮影はしておりませんが、私の訪問時も一頭のシーズー犬が気持ちよさそうに、国見のグリーンのお湯を浴びていました。
ペットの大きさによって風呂の大きさが分けられている点は実に素晴らしいところ。こちらのお宿を見倣って、日本にある数多の温泉旅館も、もう少しペットに優しくなってほしいものです。
さて、人間様の露天風呂へ。更衣ペースこそ男女別ですがお風呂自体は混浴です。この時は私以外に誰もいなかったので、一人で悠然と入浴できました。
湯口からトポトポと注がれるオリーブグリーンの源泉。初夏の陽の光を受け、より一層美しさを増してるようでした。湯船はコンクリ造の実用的なもので約4~5人サイズ。浴槽底の四隅には黄色い湯華がたくさん沈殿していました。やや浅い造りなのですが、内湯同様、浴槽の縁に置かれている木の枕に頭を載せて仰向けになると、実によい感じで入れます。
新緑の山に吹く風が湯浴みする私の体に優しく当たり、火照ろうとする体の熱を程よく奪い去ってくれます。本当に爽快だなぁ。
捨てられたお湯によって露天直下の谷が白色に覆われていることも、温泉ファンの皆様にはおなじみかと存じます。国見温泉は何度来ても飽きませんね。素晴らしい!
なお、当日の私はここを訪れる前に別の温泉に入っていたのですが、その温泉に含まれている鉄分が体の表面に残っていたためか、国見の湯に浸かったら、肌の表面、とりわけ四肢の爪が真っ黒く染まってしまいました。それだけ国見温泉は硫黄分が強いのでしょうね。
薬師の湯
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩温泉 49.8℃ pH6.8 溶存物質4.175g/kg 成分総計4.607g/kg
Na+:870.0mg(79.10mval%), Mg++:77.9mg(13.40mval%), Ca++:51.9mg(5.41mval%),
Cl-:215.5mg(11.39mval%), HS-:11.8mg(0.67mval%), SO4--:227.3mg(8.86mval%), HCO3-:2565.0mg(78.74mval%),
H2SiO3:83.7mg, HBO2:37.8mg, CO2:410.7mg, H2S:20.9mg,
岩手県岩手郡雫石町橋場
090-1930-2992
ホームページ
日帰り入浴9:00~17:00
500円
ボディーソープあり、他備品類見当たらず
私の好み:★★★