文化逍遥。

良質な文化の紹介。

お茶の水2/22

2016年02月23日 | まち歩き
 岩波ホールに行ったので、お茶の水を少し歩いてきた。


 かつては、神田の象徴だった東方正教会ニコライ堂も今はビルに囲まれて窮屈そうに見える。
昼食を終え、お茶の水スクエアの上で一休みしている時に、このニコライ堂の鐘が鳴っていたので携帯で撮影してみた。長年このあたりを歩いてきたが、鐘の音を初めて聞いた。思いのほか、やさしい感じの音色だった。

 この後、楽器街を歩いてみた。どうも全体に楽器の値が上がっているようだ。来年には消費税が10%になるので、それを見越した需要を見込んでいるのかもしれない。それでも、なかなかの活気を感じた。すぐれたプレーヤーは少ないのに、高価な楽器をどんな人たちが買っているのだろう。もっとも、人のことが言えるほどの力量は自分には無い。
 それはそうと、最近の音楽についてのあくまで個人的な感想だが、底が浅いように感じられる。スマホなどのIT機器が発達したことにより人間同士の関係がかえって希薄になった、と指摘する専門家もいる。同様に音楽も表面的で、きちんと正面から向き合えるレベルにないものが多いように感じる。年寄りの冷や水、と言われそうだが、正直な感想なので仕方ない。
 そのような音楽の衰退には、同様に再生機器に遠因があるような気がする。すなわち、テレビやネットで聞くための音作りをしているために効果音を使い過ぎているのだ。それに引きずられて、ライブでもエフェクターを使った音作りが主流になってしまい、結果浅薄なものしか出来なくなってしまう。だいぶ以前だが、テレビで流れていたギターソロ曲が気になってCDを買い求めたことがある。それを家にあるコンポでじっくり聴いてみると「こんなもんか」とがっかりしたことがあった。プロのミュージシャンは、どうしても聞き手の求めるものを供給せざるを得ないので、その意味では仕方が無い面もあるだろう。が、このままでは先細りになる懸念を払拭しえない。

 書店街も歩いてみたが、こちらは行くたびに活気が無くなるように感じる。これも時代の流れだが、寂しい限りだ。

 岩波ホールで観た映画については、ページを改めて書くことにしよう。

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