文化逍遥。

良質な文化の紹介。

新緑の加曾利貝塚

2016年04月16日 | 考古・エッセイ
 まずは、4/14夜から4/16未明、熊本県を中心に発生した地震で被災された方々にお見舞いを申し上げたい。
14日のM6.5の地震は「前震」で、4/16未明のM7.3のものが「本震」だったと気象庁の発表。テレビの映像を観ていると、地震に対して無防備な地域だったのだなあ、と感じる。宇土市という所では市役所の4階が潰れてしまっていて、立ち入り禁止になっている。大きな災害時には、対策本部が置かれるべき建物なのに、耐震補強もされていなかったのだろうか。行政は、もっと人の生活に関わる基本的な所にお金をかけるべきだ。さらに言えば、原子力発電はもとより、リスクを伴う建築物などは基本的に作るべきではない。後から「想定外」と言っても、失ったものは帰ってこない。


 話題変わって、地元の話。
 4/15日午前、墓参がてら千葉市若葉区にある加曾利貝塚に寄ってきた。



 すでに、新緑の季節を迎えている。
縄文時代中期から後期に当たる大きな貝塚で、南北二つに分かれているが、こちらは南貝塚。直径は約185メートルという。写真の左後方に見えているトンネルのようなものは、貝の層が観察できるようになっている施設。この下には膨大な量の「歴史の証人」たる貝や土偶、人骨などが眠っている。ざっと5000年分くらいの時の流れを凝縮した史跡、と言えるだろう。中心部には貝は無く、祭祀が執り行われていたのではないか、と言われている。ストーンサークルに近いような、特別な場所だったに違いない。今風にいえば「パワースポット」と言うことになるだろうか。実際、ここに足を踏み入れると、何か神聖な場所に入ったようで、空気も違い、自然に呼吸が深くなるような気がする。

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