文化逍遥。

良質な文化の紹介。

加曾利貝塚、2018/11/11

2018年11月13日 | 考古・エッセイ
 例によって、墓参のついでに加曾利貝塚へ寄った。この日は、気温20度を少し上回る程度で自転車で走るのにはちょうど良い気候。


 特別史跡に指定されてから、発掘が再開されている。遺物に優劣を付けるのは疑問に思うが、国宝に指定されるような土偶や土器などが出土すれば保存の機運が盛り上がるので、それもいいかな、と思う。さらに、この周辺には20を超える貝塚があり、詳しい発掘調査はほとんどなされていない所もあるので、それに関する予算がつけばさらによい。


 復元された住居。縄文期には、石斧など使って木を切り出すより他に方法がないので、簡素な家を建てるのもさぞ時間と手間がかかっただろう。そして、それは数千年前ここで暮らした人々が生まれてから死ぬまで、ほぼ同じ光景の中で生活していたことを推測させる。その環境が、人の心の安寧に大きく寄与したことは確実、とわたしは思っている。現代人の抱える不安を考える上でも、縄文期の人々のあり方を考察しなおすのも一つの方法ではないだろうか。

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