おそらく、最も知名度の高いブルースマンと云えるB・B・キング。生まれはミシシッピ州で1925年9月16日、亡くなったのは2015年5月14日で、在宅介護を受けていたラスベガスの自宅だったらしい。本名は、Riley B King。芸名のB.Bは、ブルースボーイ(Blues Boy)の略で、1948年頃メンフィスのラジオ局でデスクジョッキーを担当していた時に付けられた愛称だという。
晩年近くまで人気・実力ともに衰えない演奏活動をしていたので、ミュージシャンとして息の長い稀有な存在だったと云えるだろう。当然、多くの録音を残しているが、我が家にあるのはそれらのごく一部だ。わたしのようにカントリー系の、すなわち田舎のブルースを中心に聴いてきた者からだと、あまりにモダンな音使いが今ひとつ馴染めなかったことが彼の録音をあまり持っていない理由の一つに挙げられる。
わたしは、昨年(2018年)から地元のライブハウスでのブルース・セッションに参加させてもらっているが、他の人達は、やはりB・B・キングに影響を強く受けている人が多い。そこで、セッションに参加するにあたり、わたしもモダンなブルースを少しずつコピーしたりして取り込もうとしている。あまり、うまいプレイは期待すべくもないが、音の使い方の特徴が少しわかってきた。基本にあるのはブルースの5音スケールで、それに様々なミュージシャンが独自の音を加えている。当然、その加える音によって、そのミュージシャンの特徴が出てくるわけだ。それが、B・B・キングの場合多様性に富み、曲により巧みに変化している。また、リズムの取り方や曲のテーマも他のブルースマンに比べて多様で、歌詞も豊富だ。ブルースというジャンルに、ひと括りに出来ないような音楽とも言え、それこそが世界中で広く受け入れられる素地になっている、と言えるのではないだろうか。逆にいえば、それゆえに素朴なブルースから離れてゆくわけで、わたしを含めた一部のブルースファンには敬遠される点なのかもしれない。が、いずれにしろ、ギタリストとして学ぶべきことが多いミュージシャンであることは疑いない。
MCA原盤のLP『Indianola Mississippi Seeds』。本人はこれが一番気に入っているらしい。
P-VINEから出ていた国内盤LP『My Kind Of Blues』。キングが影響を受けたブルースマン達のブルースを彼なりにアレンジして録音したもの。わたしは、これが気に入っている。
こちらはCDで、1964年11月21日にシカゴのブルースクラブでのライブ録音『Live At The Regal』。ファンの間では人気の高い録音だが、聴衆が異常に興奮していて歓声が悲鳴に近くてうるさい。それさえ気にしなければ、ギタリストとしてだけでなく、ヴォーカリストとしてのB・B・キングの力量を良く伝えている。
・以下は追記(CDを買ったので、2019/4/24ブログに書いたもの)。
久しぶりにCDを買った。B.Bキングの初期録音集『Complete Recordings 1949-1962』。6枚組で、全168曲を収録。60~70年ほど前の録音で、著作権が切れている為か2000円程で買えた。レーベルはENLIGHTMENTになっているが、イギリスで編集されたものらしい。こういうものがネットで簡単に手に入る時代になり、ありがたさが半分、面白みが薄れたのが半分。
さて、わたしが地元のブルース・セッションに参加させてもらって1年になる。セッションとなると、やはりモダン・ブルースが中心になる。そうなると、必然的にB.Bキングの曲を演奏する人が多い。わたしのように、カントリー系のブルースを中心に演奏してきた者にとっては、馴染みの薄い曲も多く戸惑うこともある。具体的には、コード進行やリズムに、カントリー・ブルースには無いものも多いのだ。
そこで、B.Bキングの初期録音を聴いて、セッションの時に参考にしよう、というわけだ。しかし、聴いてみて感じたのは、やはりルーツはカントリーブルースやゴスペルだ、ということだった。実際、「これは、あの曲を元にして作りかえている・・」と感じる曲も少なくない。その意味では、キングは、伝統的な曲からインスピレーションを得て新たな曲を構成し、それを別の次元に移し替えて自分のものにしてゆく、天才、と云えるだろう。
彼は子供の頃、ミシシッピーのElkhorn Baptist Churchという教会の合唱団(Gospel Choir)に属して歌っていた、とCD解説にある。やはり、キングのヴォーカルのルーツはゴスペル・クワイアーだった。個人的には、これら初期のモダン・ケント(レコード・レーベルの名前)時代、と云われる録音が気に入っている。
B.Bキングは、2015年に90歳を前に亡くなった。晩年は糖尿病を患い、それに伴なう合併症に苦しんだようだ。ジャケットの写真の様な若い頃の体型を維持していれば・・とも思うが・・。
晩年近くまで人気・実力ともに衰えない演奏活動をしていたので、ミュージシャンとして息の長い稀有な存在だったと云えるだろう。当然、多くの録音を残しているが、我が家にあるのはそれらのごく一部だ。わたしのようにカントリー系の、すなわち田舎のブルースを中心に聴いてきた者からだと、あまりにモダンな音使いが今ひとつ馴染めなかったことが彼の録音をあまり持っていない理由の一つに挙げられる。
わたしは、昨年(2018年)から地元のライブハウスでのブルース・セッションに参加させてもらっているが、他の人達は、やはりB・B・キングに影響を強く受けている人が多い。そこで、セッションに参加するにあたり、わたしもモダンなブルースを少しずつコピーしたりして取り込もうとしている。あまり、うまいプレイは期待すべくもないが、音の使い方の特徴が少しわかってきた。基本にあるのはブルースの5音スケールで、それに様々なミュージシャンが独自の音を加えている。当然、その加える音によって、そのミュージシャンの特徴が出てくるわけだ。それが、B・B・キングの場合多様性に富み、曲により巧みに変化している。また、リズムの取り方や曲のテーマも他のブルースマンに比べて多様で、歌詞も豊富だ。ブルースというジャンルに、ひと括りに出来ないような音楽とも言え、それこそが世界中で広く受け入れられる素地になっている、と言えるのではないだろうか。逆にいえば、それゆえに素朴なブルースから離れてゆくわけで、わたしを含めた一部のブルースファンには敬遠される点なのかもしれない。が、いずれにしろ、ギタリストとして学ぶべきことが多いミュージシャンであることは疑いない。
MCA原盤のLP『Indianola Mississippi Seeds』。本人はこれが一番気に入っているらしい。
P-VINEから出ていた国内盤LP『My Kind Of Blues』。キングが影響を受けたブルースマン達のブルースを彼なりにアレンジして録音したもの。わたしは、これが気に入っている。
こちらはCDで、1964年11月21日にシカゴのブルースクラブでのライブ録音『Live At The Regal』。ファンの間では人気の高い録音だが、聴衆が異常に興奮していて歓声が悲鳴に近くてうるさい。それさえ気にしなければ、ギタリストとしてだけでなく、ヴォーカリストとしてのB・B・キングの力量を良く伝えている。
・以下は追記(CDを買ったので、2019/4/24ブログに書いたもの)。
久しぶりにCDを買った。B.Bキングの初期録音集『Complete Recordings 1949-1962』。6枚組で、全168曲を収録。60~70年ほど前の録音で、著作権が切れている為か2000円程で買えた。レーベルはENLIGHTMENTになっているが、イギリスで編集されたものらしい。こういうものがネットで簡単に手に入る時代になり、ありがたさが半分、面白みが薄れたのが半分。
さて、わたしが地元のブルース・セッションに参加させてもらって1年になる。セッションとなると、やはりモダン・ブルースが中心になる。そうなると、必然的にB.Bキングの曲を演奏する人が多い。わたしのように、カントリー系のブルースを中心に演奏してきた者にとっては、馴染みの薄い曲も多く戸惑うこともある。具体的には、コード進行やリズムに、カントリー・ブルースには無いものも多いのだ。
そこで、B.Bキングの初期録音を聴いて、セッションの時に参考にしよう、というわけだ。しかし、聴いてみて感じたのは、やはりルーツはカントリーブルースやゴスペルだ、ということだった。実際、「これは、あの曲を元にして作りかえている・・」と感じる曲も少なくない。その意味では、キングは、伝統的な曲からインスピレーションを得て新たな曲を構成し、それを別の次元に移し替えて自分のものにしてゆく、天才、と云えるだろう。
彼は子供の頃、ミシシッピーのElkhorn Baptist Churchという教会の合唱団(Gospel Choir)に属して歌っていた、とCD解説にある。やはり、キングのヴォーカルのルーツはゴスペル・クワイアーだった。個人的には、これら初期のモダン・ケント(レコード・レーベルの名前)時代、と云われる録音が気に入っている。
B.Bキングは、2015年に90歳を前に亡くなった。晩年は糖尿病を患い、それに伴なう合併症に苦しんだようだ。ジャケットの写真の様な若い頃の体型を維持していれば・・とも思うが・・。