前回に続き、すぐれたアラバマのハーモニカ奏者をもう一人。ジョージ ”ブレット” ウィリアムス(George "Bullet" Williams)について書いておこう。彼については、生没年など、詳しいことは分かっていない。今回このブログを書くために、改めてインターネットや自宅にある資料を調べ直してみたのだが、結局、1928年にシカゴで5曲を残したことくらいしか確認できなかった。
前回と同じくWOLFレーベルのLP、WSE127。写真は、ジェイバード・コールマン。この中にそのシカゴでの録音5曲が入っている。残された音源が少ないので、あまり詳しいことは書けないが、音のコントロールに優れたハーピストだったことは間違いなさそうだ。「トレインもの」と、ブルースファンの間では言っている汽車の音をハーモニカでシュミレートした曲を演奏するハーピストは多い。フォークのウッディ・ガスリーなども味わい深いトレインものを残している。が、わたしの知る限りでは、このジョージ ”ブレット” ウィリアムスのトレインもの「Frisco Leaving Birmingham」がもっとも胸を打つ演奏だ。わずかな音の使い回しまで、非常によくコントロールされ、聴くものを郷愁の世界にまで引き込む完成度がある。もっと多くの録音を残してもらいたかったブルースマンの一人だ。ちなみに、 ”ブレット” ("Bullet)は芸名あるいは愛称だろうが、原義は「弾丸」。弾丸のように音を繰り出す演奏をするからか、あるいは、トレインものを得意としたことから考えると「弾丸列車」を意味するのかもしれない。
この人について、サミュエル・チャータースの『ブルースの本(小林宏明訳、1980年晶文社刊)』P49に興味深いことが書かれているので、以下に引用しておく。
「ブッカ(・ホワイト)は、1933年にナンシー・バコーニーという女性と結婚し、・・・(中略)妻の叔父もブルースシンガーでジョージ ”ブレット” ウィリアムスといい、1928年にパラマウントでレコーディングしたことのあるアーチストだった。」
ブルースシンガーとなっているが、おそらく、ここに語られているのはハーピストのジョージ ”ブレット” ウィリアムスのことと考えていいだろう。ただし、残された録音の中にはヴォーカルをとっているものは無いので、多少の疑問は残る。ブッカ・ホワイトは、言うまでもないが、ミシシッピーを代表するブルースマンの一人。録音年や、この本の記述から推測すると、ウィリアムスの生年は1900年前後だろうか。生地は、おそらくはアラバマだったろう。ブッカ・ホワイトはB・B・キングとも縁戚関係にあったという話もあるし、ブルースマン達の親類関係を調べてみると結構面白いし、当時でもかなり広い地域での婚姻などがあったことがうかがえる。
前回と同じくWOLFレーベルのLP、WSE127。写真は、ジェイバード・コールマン。この中にそのシカゴでの録音5曲が入っている。残された音源が少ないので、あまり詳しいことは書けないが、音のコントロールに優れたハーピストだったことは間違いなさそうだ。「トレインもの」と、ブルースファンの間では言っている汽車の音をハーモニカでシュミレートした曲を演奏するハーピストは多い。フォークのウッディ・ガスリーなども味わい深いトレインものを残している。が、わたしの知る限りでは、このジョージ ”ブレット” ウィリアムスのトレインもの「Frisco Leaving Birmingham」がもっとも胸を打つ演奏だ。わずかな音の使い回しまで、非常によくコントロールされ、聴くものを郷愁の世界にまで引き込む完成度がある。もっと多くの録音を残してもらいたかったブルースマンの一人だ。ちなみに、 ”ブレット” ("Bullet)は芸名あるいは愛称だろうが、原義は「弾丸」。弾丸のように音を繰り出す演奏をするからか、あるいは、トレインものを得意としたことから考えると「弾丸列車」を意味するのかもしれない。
この人について、サミュエル・チャータースの『ブルースの本(小林宏明訳、1980年晶文社刊)』P49に興味深いことが書かれているので、以下に引用しておく。
「ブッカ(・ホワイト)は、1933年にナンシー・バコーニーという女性と結婚し、・・・(中略)妻の叔父もブルースシンガーでジョージ ”ブレット” ウィリアムスといい、1928年にパラマウントでレコーディングしたことのあるアーチストだった。」
ブルースシンガーとなっているが、おそらく、ここに語られているのはハーピストのジョージ ”ブレット” ウィリアムスのことと考えていいだろう。ただし、残された録音の中にはヴォーカルをとっているものは無いので、多少の疑問は残る。ブッカ・ホワイトは、言うまでもないが、ミシシッピーを代表するブルースマンの一人。録音年や、この本の記述から推測すると、ウィリアムスの生年は1900年前後だろうか。生地は、おそらくはアラバマだったろう。ブッカ・ホワイトはB・B・キングとも縁戚関係にあったという話もあるし、ブルースマン達の親類関係を調べてみると結構面白いし、当時でもかなり広い地域での婚姻などがあったことがうかがえる。