文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2018年フランス映画『私は確信する』

2021年02月22日 | 映画
 2/19(金)千葉劇場にて。監督は、アントワーヌ・ランボー。原題は『Une Intime Conviction』で、実際にあった事件をもとに制作された作品。





 フランス南西部トゥールーズで、38歳の女性スザンヌが失踪。彼女には3人の子供と夫、それに恋人もいる。遺体が出ないにもかかわらず、夫である法学の教授ジャックが殺人罪で逮捕・送検される。裁判では1審で無罪、検察が控訴し10年後に始まった2審の裁判から映画は始まり・・。

 サスペンス仕立てになった、なかなかよくできた作品だった。制作者が意図したかどうかわからないが、この作品には、自由恋愛といわれるフランス社会の影の部分が色濃く表現されている。一度だけの人生の中で、時にパートナーを替えて恋愛や子育てを自由に楽しむ。そんな光の陰には必ず深い闇が隠れているものなのだろう。嫉妬や、裏切られたと感じるときに生ずる憎悪。それらは、時に激しい暴力を伴いかねない。フランスの年間失踪者は、4万人だという。この映画の失踪者スザンヌも、結局最後まで見つからずに終わる。

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