King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『弾丸を噛め』という西部劇

2007年05月14日 23時25分13秒 | 日々のこと
昨日のBSハイビジョンのNHKでやっていた番組です。
1975年の作品で、キャンディスバーゲンとかジェームスコバーン
ジーンハックマンといった豪華スターの競演となっています。
そしてさらに、字幕なんかでは紹介されませんが、ジャンマイケルビンセント
が出ているのです。
彼なんかは、この後の映画『ビックウェンズデー』で人気爆発で、
さらにテレビ番組のエアホースでお茶の間の人気を博したはずです。
しかし、その後の作品には出ていません。ジェームスコバーンや
ジーンハックマンが、この映画の後や最近でも主役や準主役として
スクリーンに数多くの作品に出ているのに、彼はあまり知られた存在
ではないことになっています。

この映画でも、ジーンハックマンからキッドと呼ばれて役名は出てきません。
もともと他の出演者も役名があるのは、ジーンハックマンとジェームスコバーン
位で後は英国人とかメキシコ人とかレース参加者でもそんな扱いでした。
多分この映画は私は映画館でも見たか、テレビでも見ていると思います。
しかし、久しぶりに見て何をいいたかったのだろうと言う感じを抱き
ました。あの馬が塩だらけでゴールするところは記憶にあります。
当時は、この過酷のレースに男たちの意地とか西部スピリッツとか
色々感じたのだと思います。しかし、今となっては人種問題で簡単には
インディアン対騎馬隊が描けなくなり、それでも自由と開拓精神と
西部での酒とカードと荒くれの世界を描くにはこんな手法になったと
いういわば転換期の作品なんだと思います。

その後、マカロニウエスタンという本家では作られなくなった西部物が
海外でよりエンターティメンと色を強めてよみがえるのに何年かかります。
そして、さらにインディアンも含めて西部を描くには何年もかかるのです。
それがされたからと行って未だに、アメリカは居留地にインディアンを
閉じ込め差別は続いているという事実は十分に描ききったとはいえ
ないでしょう。

この物語では、南北戦争後という設定で西部も過去のものとなるという
感じの物語始まりで、馬や馬車の変わりに鉄道やバイクが一緒に
登場します。メキシコ人の人種差別はふれられますが、インディアンや
黒人については出てきません。自由に競争出来る社会でありながら
その競争に参加できない人がいることも考えなくてはいけません。
女性は参加するも実は、恋人を救うための偽装だったというこの
ストーリーも真実性に乏しく、それなら別にレースに参加しなくても
勝手に馬に乗って看守を襲ってもまるで成功率は高いわけで、
参加者に逆にやられてしまうリスクもなかったことになります。

ストィックで弱者に優しいジーンハックマンのかっこよさは当時は
受けたのでしょうが、今では様々なアメリカの悪事ばかり先に
思い至って単純には楽しめません。昔は、こんなかっこいい
西部の男に憧れ、酒と女を愛し旅をするなんてのにアメリカと
ともに尊敬していたんでしょうね。それにしても、ベトナム戦争の失敗を
アフガニスタン、イラクとまったく経験を活かさないというのは
どうしたことなのでしょうか。イギリスやフランスではそれぞれに
今までのイラク対応を失敗と捉えて、修正をそれぞれ加えた
選択をしているというのに。
コメント (1)
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