King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

キリマンジャロの雪に

2015年06月12日 11時14分37秒 | 珈琲
武器よさらば、老人と海で知られるヘミングウェイ
ですが、もはや彼の作品を読む人も名を知る人も少ない
ようです。

例えば武器よさらばを検索しても本来ならアマゾンの
サイトが検索されて本の紹介が一番上に来るはずですが、
これについては無反応です。

かつてはどこの喫茶店でもキリマンジャロはありました。

かつて通った店での味を求めて当店でもキリマンジヤロは
ないのですかといわれることはあります。

これは簡単なようでいて大変難しい質問です。

これを簡単に答えられるようならあまり味について
忖度のない店主のコーヒー屋です。

つまり通り一遍のキリマンジャロはタンザニアのことで
当店では何々になりますと答えることでしょう。

現在商品名は国名標記になったのでキリマンジャロは
タンザニアになっています。

昔通った喫茶店の酸味の強い味が懐かしいと今でも思い出されると
せっかく当店にいらしてタンザニアの豆をくれとおっしゃるのですが、
その青春の思い出を壊すようであっさり当店の豆の特長を押し付ける
ことができません。

私の世代より少し上の世代がこの青春の思い出の世代で、ビートルズ
が大好きで反戦、ヒッピー文化など高度成長を上げる日本経済と
世界覇権を強める米文化と経済力などすべてに背を向け、反骨とか
平和とかが大好きな人達です。

もちろんキリマンジャロの雪も読んでいて豹の遺骸を思い浮かべて
まっ黒くて苦い酸味の強いコーヒーを飲んでいたのでしょう。

そんな青春の日々に当店のタンザニア、スノートップはどう感じる
でしょうか。

味の記憶がある方ならば、もっと強烈に酸っぱい苦いコーヒーだった
という事でしょう。

それについて、プレミアム珈琲の世界では今北部でとれた特別な豆と
南部の缶コーヒー用の豆とさらにハイブリッドの生産高重視の豆と
入っているが、本来のストレートで飲むべき味はこうですよと
押し付けてしまってよいものか大変逡巡し悩み深い問題がある
のです。

つまり、当店のスノートップは深煎りでそれなりの苦みはありますが、
実際に最初に一口飲んで感じることはとろっとした甘みです。

これはかつての青春の味の人達の味覚にはおやっという感じに
きっと感じるはずです。

それでもこれはたとえ青春の味を訂正することになっても本来の
タンザニアとして記憶を新たにしてもらいたい味なのです。

青春の思いではそのままに。

味とともにあの時過ごしたくらい喫茶店で空気はそのままずっと
大事にしておいていただき、ただタンザニアのストレートの味と
してまた記憶にとどめていただけるだけの力がこれにあると
感じてもらうことが大事です。

深煎りのタンザニアはアイスにしても楽しめます。

この時期自宅に用意したい豆です。

トラジャとタンザニアスノートップ今焼けています。
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