King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

普通においしいの欠落

2021年11月18日 11時12分46秒 | 珈琲

 

我家での最近の食卓のレギュラー的品に小松菜と油揚げの炊いたんがあります。

各家庭で出汁をとらなくなって久しい昨今ではこういう和食は食卓に上がることはありません。

コロナで手作りとかおうち料理が注目される中、今まで煮込みや蒸し器を使うような料理というのは敬遠されていましたが、昨今の調理器具の進歩で煮込み料理も圧力釜を使うような本格調理も簡単に家庭できてしまいます。

さらに冷凍技術の進歩で有名料亭や行列のできるラーメン店などの食品もスーパーで買えるようになりました。その名も行列に並ばなくても味わえるという名前が付いたシリーズでパスタやラーメンなど本場の味が家庭で簡単に再現できるというものです。最近では秩父のような手近な観光地が人気で秩父の何でもない店に行列ができています。中でもひどいのがパン旅により紹介された黒ウサギなどは連日行列が店の外にまで及び駐車場も満帆で簡単に買えません。さらにもともと温泉地ではなく、鉱泉という沸かしの湯なのですが、それでも秩父の旅館は最近混んでいるようです。全室露天風呂付とか信楽焼の露天風呂とかその質は高く評価されていますが、私はその内幕というか実際に工事した人の話を聞いているのでなんで秩父の沸かしの湯に3万もはらって泊まるのかと思ってしまいます。

 

秩父も京都の旅館にちょくちょく出かける人たちがいて、そんな温泉でもなく普通の家のようなところに何万円も出して泊まる意味が解らないのですが、人それぞれ価値観の違いという事でこれはどうすることもできません。たしかに京都の歴史と宿にはそれなりの根拠があり、提供されるサービスはここら辺のものとは違います。例えば浴槽もただの檜の浴槽ですが、月に一度専門の洗いの職人により磨かれます。源泉の地下水も古の歴史をたたえて京に都があったころからのつまり天皇が住んでいたころと同じものが流れていて部屋を飾る軸や絵や一刺しの花にも意味があります。そんな文化の裏ざさぇがあるから毎月通い京都を楽しむ人がいるのです。

 

ところが秩父の場合、テレビで紹介されたからと出汁さえとっているのか怪しい店で食事し、たいした料理人もいない宿に何万ものお金を落としているのです。まあその違いが判らない人がほとんどなのでこの現象にどうこう言うことも詐欺にあったように騒ぐこともないのでしょうが、私はいつも秩父の将来に危惧を持たざるを得ないのです。

 

それは海外の人から見たら日本の文化とか良さは解らないものと思っていましたが、最近の海外ドラマやドキュメンタリーなどを見ていると日本の食文化そのものを愛する人や発酵食品の力やそういった食品の力を知る人が増えたことと庭や自然の美など日本人が昔から愛してきたものが西洋でも取り入れられていたり、漫画やアニメだけでなく文化を理解する西洋人が増えていることを実感します。

 

世はコロナであらゆるものが値上げされていますが、珈琲はその質が今後どうなるのか大変危惧されるもので、今では入ってくるものが質が下がって値は上がる状況で、コロンビアなどでは今までの契約を破棄して高い契約に改行されてしまう状況で質は良くないのに高いものが入ってくるようです。

商社ではいいものが入らないと輸入をやめた地域もあり、ブランド品でもその質に達していないものも出ています。

中でもその質の見極めの難しいインドネシアなどは味も知らずにブランド豆を入れる業者が多いので高くてまずいものが増えています。ついこの間まで種類も豊富で選び放題の地域も今ではろくなものがないという事になってしまっていて大変苦労します。

 

それでもないと言われたものが手に入ったり、例年の質のもが当店では確保できて今年の冬も寒さにうれしい味が揃いました。エチオピアのイルガチェフは誰でもスペシャルティの味を知れて解りやすいものでした。ですが、値段がどんどんあがり、その質もよいのも悪いのもあるという状況です。売っている豆屋でさえイルガチェフの特徴や産地の特質が言えない人が多く、ただ人気だから売っている店が大半ですが、昨年来当店でコンガ村のものが最高であると言いながら売っていたらそれが知れ渡り今では大変高いものになってしまいました。それでコンガ村でも高いだけであまりうまくないものというのが出てきてしまい、当店では農園替えをして安くてより味のいいものに変えてきました。

この普通に味がいい豆というのは大変扱いが難しく、値段はコンガ村の半分以下であり、味はいいのですが、おいしさに特筆すべき苦さや酸味といったものがなく非常に完ぺきな円に近いおいしさの広がりであり、ケチのつけようのない味ながら味の解らない人にはおいしさにきずけないという状況にあるのです。

ですから、この今のイルガチェフやレッドガヨなどは完璧な丸な味のチャートにきずけない人の反響やリピートがなく、それより違うものをというリクエストをされるのです。こちらとしてはコンガ村に負けないものをという品質と味のものをそろえ値段も抑えているのに逆にコーヒーらしい癖のあるものやガツンと苦いものというものを求める人がいるというのは今でも酸味が苦手でという人が多い現状なのです。スペシャルティの豆とは酸味が特徴でといつもいいますが、それでも酸味の少ない豆をくれという人は後を絶たずで完璧な丸のような味などというのは解りようもないのです。それでもそんな丸を崩さないような努力を続けて質だけは落とさず安くてもいい味の豆をそろえていくようと今日も豆を焼いているのでした。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北京の雪景色 | トップ | 曇り空の連休 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

珈琲」カテゴリの最新記事