King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』鑑賞

2021年10月14日 23時16分09秒 | 映画

いつものショッピングモールのシネコンで映画を見るなんて何でもないことが

随分特別なイベントに感じるこの頃です。これもまた一つ取り戻した楽しみと人間らしい生き方と外出の喜びです。そして知るのは今までなんと幸せな時を生きていたのだろうということです。

 

今では外出するのも旅行やスキーと温泉など夢のようなでき事で、それを今までは月何度もできていた事も地震や台風といった災害や気候変動でこれから

楽しみが元に戻るという希望もコロナ禍で失ってしまったことを気付かされるばかりです。そして失ってその意味を問うということを繰り返すのですが、今回食事をいつものちゃんぽん屋ですると今までは大盛無料がなくなっていたり、映画の券での割引も少なくなっていたりとお得感が減ったばかりかやはり今まではいい時代を生きていたんだという思いをすることになるのでした。

 

さて、店を終い出かけたいつものシネコンで見たのは『ノー・タイム・トゥ・ダイ』です。いつものシネコンといいつつ二年ぶりでしょうか。前作のスペクターで組織のトップは始末して終わっているのですっかりボンドが殺したものと思っていたら組織は残っていてしかも首領は特殊刑務所の中からまだ組織をコントロールしているというので南の島で引退生活をしているボンドにお声がかかるのです。

映画はその5年前の地中海のどこかでデートをしているところから始まり、そこで前の恋人でありカジノロワイアルのボンドガールのお墓詣りをすると突如爆破されスペクターの殺し屋が襲うという展開になり、デートの相手が原因かとこの恋人マドレーヌと駅でお別れするという始まり方でこの時のボンドカーで敵に囲まれガトリング銃がヘッドライトから現れてドリフトターンしながら銃撃して一掃というテレビCMにも登場のシーンでこのイギリスのMI6とか00機関とかどんな組織と思ってしまうのですが、映画で使われた車が映画館に展示されているとかファンにとってはやはりみたいものの象徴なのかもしれません。

もちろんありそうもないことで実際敵に囲まれた時にこんな解決法ができたら痛快です。

 

このマドレーヌとの出会いとかは描かれないのですが、マドレーヌの幼少の時のスペクターの殺し屋だった父男に家族を殺された男に復讐され母親を殺され幼少マドレーヌは銃で反撃して外に逃げるも湖の氷が割れて転落してしまうというシーンは出てくるけれどその後どういう成長になったかボンドとどうして知り合いそれは仕組まれたものなのかという経緯は説明はありません。ボンドは墓が爆破されたのもマドレーヌのせいと思い別かれることにしてひとり引退生活をしているとかつての盟友でCIAの男にまた一緒にスペクターをやっつけようとオファーを受けるのです。そして新007との接触の後、調査を依頼された島で007の復帰でなくCIAに協力しスペクターの首領の誕生日パーティーで命を狙われ危機一髪脱出し一方Mはこの事態に怒りボンドに出頭を求めるわけですが、このシリーズで新Mを演ずるレイフ・ファインズはハリーポッターのヴォルデモートを演じていたわけですがあの時の鼻のないメイクでの存在感よりこのM役がよく似合います。官僚的でありながら元軍人らしい現実的対処に優れシリーズを通して組織の中で頼れる存在に感じられます。今回最後の決戦の地がロシアと日本が領有を主張する島ということで第二次大戦時生物兵器が製造されていたところなんだとか。戦時中毒ガスとか生物兵器を日本軍が開発というのは実話でが、世界的にはその後沖縄戦後本土上陸に際して大量の毒ガスを用意したのはアメリカであり、それも青酸をガス化したという簡易なもので確実に一般人を殺戮する目的で用意されたことは知られていません。中国はハルピン市に「侵華日軍第731部隊遺跡」という施設を作り日本軍の悪行を示す記念館としていますが、内容がただしいかどうかより被害者意識や日本のイメージ低下を目的にしている歴史的史実や記録というには内容が伴わないものという中国らしいものとなっているようです。とりわけ日本だけ国際的取り決めを違反して科学兵器をしようした悪の傀儡のようなものは意味がなく、今でもテロや戦争で毒ガス兵器は使用されており、日本でもサリンによる地下鉄事件があったり金正男が暗殺されたりと現実に使用もされています。

映画で気になったのはそんな歴史的なものにふれ生物兵器が今もそこで生産されているというその施設が日本テイストで作業員が日本風にお辞儀したり、石庭のような枯山水の日本庭園があったり、組織のボスと対峙するシーンが畳の部屋だったりします。そして忍者屋敷のように土下座したボンドが突如銃で撃ってくると畳の下に消えたりと日本風があふれています。これは監督キャリーフクナガによるところが大きいのでしょう。彼は日系三世で北海道に六ヶ月くらしたこともあるとか。さらに映画直前に直島の美術館にインスパイアされたとか。そんな変な島でロシアの島で日本も領有権を主張しているところにイギリスの戦艦からミサイルを発射したらこれは戦争行為でとんでもないことになってしまうでしょう。それをMの命令だけで発射できてしまったりそれがクラスター爆弾のようなミサイルだったりと見ていてはらはらとしてしまうような映像です。これがクレイグ最後のボンドの結末かという終わり方ですが、いつものようにエンドロールの最後にJeims Bond will reternの文字が出るのです。

最後QとかMマギーペニー新007らが集まり献杯するシーンがあるものの、実際ボンドの生死もサフィン役のラミ・マレックの生死も不明です。生物兵器の取引きや工場は破壊されたのかも実は正確に阻止されたともその後戦争になったとも言っていませんので、この後どのようにも展開できるのです。

 

一挙にあらすじとネタバラしもしてしまいましたが、ここ数日のカジノロワイアルからスペクターまで見返してのこの最新作鑑賞は実に楽しい時間でした。

またひとつ楽しみを取り返したようなお出かけにもなりました。ラミ・マレックはミスターロボットの人で存在感があり、なんでマドレーヌを助けたんだろうとかマチルドを捕虜にしてたのになぜ途中で放り出したんだろうとか疑問な行動も多く、それがラミだったらそうなりそうというところが妙にすんなりと心に落ちるような結末へのラッシュです。ただ、畳での土下座からの反撃とか日本風ではあるけれど日本人感覚からすると違うというか違和感を持つシーンもあります。どのサイトや感想ブログでもキューバのCIAエージェント・パロマ役アナ・デ・アルマスに触れたものは少なくたった3ヶ月の訓練にしては完璧に作戦を遂行して魅力もアクションもたっぷりという彼女にぴったりの役でした。もし映画に行く人はスペクターの復習をしていくべきです。

 


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