TVerにて。
突然地上に現われた「穴」に入るため、
宗教の教祖のもとに集まった男女8人がこれまでの人生について語る……
という形式の、深夜にやっている30分ドラマ。
紙芝居と演劇と映像が合体したような作品で、
特に演劇には馴染みがないから、新鮮に感じられた。
現時点では、フィクションの世界を楽しむというよりは、
演技・演出を楽しむ作品なのかもしれない。
第1話の主役は中川大志くん、第2話は染谷将太くん。
どちらも表情と姿勢と話し方、仕草だけでちゃんと小学生になってるの、
すごいよ……。
第1話は話の筋自体はわりとストレートなんだけど、
「両親が先に穴に入ったから」だけでは穴に入る動機として弱い気がして
「ようやく怒れたのに、穴に入るの??」と釈然としないものが残るし、
第2話では最後の最後で「どこまでが本当!?」「結局入らなかったの!?」と
攪乱してきた。
先述の通り、楽しむ対象はストーリーではない気がするので
「めちゃくちゃ面白い」という感想にはならないのだけども、
続きは見たいという不思議な作品。
第1話だけで、好きになっちゃった。
阪神大震災の後、地下鉄サリン事件当日から始まる
1995年の高校生たちの物語。
映像が映画的で、演出にもシナリオにも演技にも粗が見えず、
「気合いを入れて作りました!!」という意気込みを感じる。
1995年、私は主人公たちのちょっと下くらいの年齢で、ほぼ同世代。
チーマーとか、懐かしいね。
『池袋ウエストゲートパーク』の時代だ。
音楽もバリバリにドンピシャ世代。
曲を聴いただけで「あの頃」が押し寄せてきて、
音楽の力というのを感じてしまう。
第1話は、中川大志くん無双と言った感じ。
このところ、ずっと彼の出演作を見ていたのだけども、
すっかり彼のことが好きになってしまった。
今回、いきがって悪ぶってるボンボンの役なんだけども、
これまでのお坊ちゃん/エリート役とはまた別のキャラ立てをしていて、
その役ごとのかっこよさを確立している。
主人公役の高橋海人くんも、
完全に「アイドル」である自分を消して、
冴えない、鬱屈と焦燥を抱えた高校生になっていてお見事。
たぶん、当時の「1999年に世界が終わるかもしれない」という、
世間全体をうっすら覆っていたムードを知らないと、
理解しがたいところも多いのだろうと思う。
メインの高校生たちを演じているのは20代半ばくらいの俳優さんたちで、
1995年にはまだ生まれていないんだな~。不思議。
エンディングのメイキングも、とっても可愛い。
大人になった主人公の回想という構成をとっていて、
悲しい結末を想像させるような情報を差し挟んでいるのだけども、
翔太郎が早死にするという展開はやめてくれ~!!
(原作があるから変えようがないのだが……)
TVerで配信されていたので視聴。
第4話以降を見ても、第1~3話と感想は変わらない(→第1~3話の感想)。
メインキャラクターはみんな面白いし、
竹内結子のファッションも素敵だし、
斉藤由貴演じる真野さんのキャラ&メイクは最高だし、
このころの中川大志くんのビジュアルは爆発している。
なのに…………!!
ひたすらもったいないドラマだった。
見せ方によってはもっとおもしろくなったんじゃないのかな。
最後の第9・10話は爽快さが多少あってよかったんだけども、
それでもやっぱり最初から最後まで一貫して、
「そうはならんやろ」がまとわりついてしまうんだよな……
あと、5年前のドラマだからだというのもあるけど、
今放送されていたら叩かれるんじゃない?と心配になるような
おちょくりがあって、微妙に嫌な気分になった。
おそらく笑いどころとして設定されているのであろうやり取りが、
他者を下げることによる笑いなのよ……。
水川あさみ演じる与田ちゃんの描き方には悪意を感じるくらいだし
(キュートさが見えたの、最後だけ)、
与田ちゃん&藤枝くんのいいところも見たかった。
いちばんよかったところは、
氷見さんと吾妻議員が不倫関係でも元恋人でもなく、
同志であり、おそらく氷見さんの片想いであっただろうところ。
『Eye Love You』♯8~10
描けるものだけ描けばいいんだよ……!
自分の強みを自覚してそれを伸ばそう!
できないことにまで手を広げないで……!!
という感想しかないラスト4話であった。
ラブコメやってた6話までは面白かったのに、
ミステリー要素(?)を中心にしてきた7話から
「無理すんな!」と痛々しさを感じるほどに。
結局、超能力のメカニズムも、それを得た理由も説明できないから、
「この力がもたらす運命を回避しよう! この力を何とかしよう!」
とやってた後半4話が、ただ時間の無駄になっていた。
「ミン・ハナがそう思い込んだ理由はなに?
なんでその一例だけで、みんな事実だと受け入れてるの?」
という違和感について、説明もされないまま、
「思い込みでした! 別に変えなくてもいい!」
で終わるとは思わなかったよ。
前半のラブコメは面白かったから、最後までそれを通せばよかったのに。
身を引いた花岡の愛も、ただストーリーに都合がいいだけになっちゃって残念。
(「え、気持ちバレてたの!?アワワ」みたいなの、普通あるでしょ!!)
そして、私、常に、
「仕事したくない~! 行くの面倒くさい~!」
と思ってるんだけど、このドラマ見て、
「もしかして私、実はすごい仕事人間なのか!?」
と思ってしまった。
というのも、前半から、
「テオ、侑里、いちご農家(※ダメな順)、
お前ら仕事ナメてるのか!?!?」
と思うシーンがたびたびあったのだけども、
どうも制作サイドはそういう認識がないみたいなんだよね。
SNSで私と同じ感想書いてる人は観測できるのだけども、少数派。
このドラマの二階堂ふみちゃんのビジュアルは超好みだし、
花岡くんのキャラ立てとテオ・侑里との関係性はよかったし、
前半のラブコメ貯金が多かったから、全体としては嫌いじゃない。
でも、最初から最後まで一貫して面白いドラマを作るって、
本当に難しいことなんだなあ。
漫画や小説とちがって、作者の一存(あるいは作者&編集者の意向)で
展開を決められるわけじゃないから
ドラマは迷走しやすいのだと聞いたことがあるけど。