金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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98:山田詠美『ぼくは勉強ができない』

2007-08-05 16:10:21 | 07 本の感想
山田詠美『ぼくは勉強ができない』(新潮文庫)
★★★★☆

仕事のため再々読。
最初に読んだのって高校生のときだっけ……。

勉強はできないけれど女の子にはモテる高校生・秀美の日常。
「ナチュラル系美少女が嫌い」とか、今読むといかにも山田詠美ワールドで、
一種のファンタジーだなあという感じなのだけれど、
やっぱりうまい。おもしろい。
解説で原田宗典も書いていたけど、各章のタイトルがよいよね。
番外編:眠れる分度器は名作。

多数決の論理とか世間一般の価値観との闘いが
テーマの一つだと思うのだけど、
秀美は自分を否定してきた価値観を跳ね返そうとするあまり、
持ち出した自分の価値観で誰かを否定してる。
そういうところが高校生なんでしょうか。
そして、「勉強ができるよりモテるほうがステイタス」って
普通なのでは……?
少なくともわたしの過ごしてきた学校生活ではそうだったけれど。

あとがきでも書かれていたように、これは大人が読む青春小説。
「眠れる分度器」はよく中学入試用の問題集に使われているけど、
現役小学生は、なんでパンを差し出されたひろ子が泣き出したのか、
読んでもぜーんぜんわからないようです。

コメント (2)
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