金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

14:森浩一・門脇禎二『継体王朝―日本古代史の謎に挑む』

2009-05-30 23:30:22 | 09 本の感想
森浩一・門脇禎二『継体王朝―日本古代史の謎に挑む』 (大巧社)
★★★☆☆

しゃちほこ村と同県の春日井市で行われた
シンポジウムの内容をまとめたもの。
シンポジウムシリーズというのがあるらしく、
そのうちの一冊。
すでに絶版っぽいのだけど、もともとものすごく狭い範囲でしか
流通していなかったっぽい本だ。

各研究者の講演・研究と、それをもとにした
討論の記録がメイン。
討論や対談のレポートって苦手。
登場するのが二人ならいいんだけど、3人以上出てくると
誰が誰だかわからなくなるんだもん!!
「シンポジウム」と書いてあるのをちゃんと見れば
よかったんだけど、門外漢はまず誰か一人の著作を読んで
一貫した主張をおさえたほうがよいですね。

思いがけず百済王敬福の名前が出てきてなつかしかった。
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13:原田宗典 『ぜつぼうの濁点』

2009-05-30 23:13:21 | 09 本の感想
原田宗典『ぜつぼうの濁点』 (教育画劇)
★★★☆☆

ひらがなの国に、ある日とつぜん「゛」(濁点)だけが現れた。
この濁点、「ぜつぼう」に長年仕えてきたのだが、
主が始終絶望しているのは自分のせいではないか?と
主のために暇を願い出たのだった。
「どなたかどなたか私をもらってやってはくれますまいか」
頭を下げる濁点だったが、「やくにん」も「やもめ」も
「やくざ」もこの望みをはねつけるのだった…

***********************

先輩からお借りしました。
初出は『ゆめうつつ草紙』。
『ゆめうつつ草紙』は既読のはずだけど、
まったく記憶にないよ。はて。

擬人化されたことばたちのシュールな世界。
「椿事」だとか難しい言葉も使ってあるのだけど、
小学校4~6年生くらいだと
濁点がつくことによって言葉の意味が変わる
おもしろさを感じられるかな?
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12:平岩弓枝 『平安妖異伝』

2009-05-30 18:16:19 | 09 本の感想
平岩弓枝『平安妖異伝』 (新潮社)
★★★★☆

父・兼家から兄・道兼に藤原家の中心が移るころ、
若き日の道長が少年楽士・真比呂と出会い
都を騒がす快異を解決する連作短編集。

シリーズ2冊めとは知らずに先に読んでしまったのもあり、
道長の冒険』は全然おもしろく感じられなかったのだけど、
これはおもしろかった。
よく考えると、事件を解決してるのはたいてい
道長じゃなくて真比呂なんだけど……
「大鏡」の意地悪い道長ではなく、
道兼や定子にもやさしい道長です。
コメント (2)
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11:川上卓也 『“貧乏道”を往く』

2009-05-30 17:54:59 | 09 本の感想
川上卓也『“貧乏道”を往く』(春秋社)
★★☆☆☆

以前読んだ『貧乏真髄』がおもしろかったので
借りてきました。
『貧乏真髄』は自らの生活について語ったもので、
日記やごはんブログみたいに人の生活ぶりが
垣間見えるものが好きなわたしにとっては
おもしろかったのだけど、
これは著者の思想を全面的に押し出したもので
どちらかと言えばライトな新書系?
経済とメディアに踊らされる現代日本社会について述べ、
流行としてではないシンプルライフを推奨したもの。
途中で退屈になって斜め読みになってしまった。
経済についてもメディアについても、
いやになるほど読んでるし、特に目新しいこともなし。

「限定商品と言ったって、実際はプラスチックやビニル、
化学繊維やメッキです」
は良かったな。
最近、貨幣経済のシステムが崩壊したら……と
しょうもないことを考えていたのだけど、
買うなら金(ゴールド)か宝石だな。
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10:山田詠美 『アンコ椿は熱血ポンちゃん』

2009-05-30 17:36:21 | 09 本の感想
山田詠美『アンコ椿は熱血ポンちゃん』(新潮社)
★★★☆☆

前にこのシリーズを読んだのは2年前か(これ→『熱血ポンちゃん膝栗毛』)。
読んでもたいてい内容を忘れてしまって
同じのを二回読んでいても途中まで気づかないくらい。
本当に暇つぶしだなあ……って感じで、
たまたま目についたら借りてくるだけなのだけど、
なぜだかちょうどよいタイミングで発行順に
わたしの目の前に登場するのであった。

この人の、自分の価値観に合わないものをこきおろす
了見の狭さみたいなものが苦手だったのだけど、
小説にしてもエッセイにしても、そういう攻撃性が
影をひそめてきたような気がする。
おもしろく読めました。
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