金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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114:干刈あがた 『黄色い髪』

2010-07-09 21:43:24 | 10 本の感想
干刈あがた『干刈あがたの世界〈6〉黄色い髪』(河出書房新社)
★★★☆☆

教師によって管理された学校生活の中で
起ったいじめ。
いじめられっ子をかばったことをきっかけに
夏実は孤立し、ある出来事を機に学校へ行かなくなる。
夫と死別し、女手ひとつで師弟を育ててきた母は
動揺し、娘やそのクラスメイト、その母たちと関わる中で
自分の考えのなさや学校の問題点に気づき、
娘を追うようにして夜の町へ出かけていく。
一方の夏実も、行き場がなく町をさまよっている中で
出会った少年少女たちとのやり取りを通して
自分の今後を模索するが……

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新聞連載が1987年ということで、
背景として描かれる風俗がかなり古めかしい印象。
髪の脱色にオキシドールだしなあ……。
管理教育の様子も、今の中学生なんかが読んだら
ぴんとこないかもしれないけれど、
現在にも通じるいじめや不登校の問題は、
登場人物によって、愚直なくらいに
つきつめて考えられ、話し合われている。
しかしやっぱりもう、「リアル」ではない。
「今」を切り取った小説は、どうしたって
時間がたつにつれて劣化してしていってしまう。

結局、電話をかけてきた女子が誰かっていうのは
明かされなかったなあ。
コメント
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