金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『ブラック・スワン』

2013-04-04 08:15:33 | 映画の感想
映画『ブラック・スワン』(ダーレン・アロノフスキー監督)
★★★★☆

元ダンサーの母の期待を一身に受けて育ったダンサーのニナ。
ある日、バレエ団の代表的な存在だったベスが引退することになり、
新作の『白鳥の湖』のプリマが新しく選ばれることになる。
芸術監督ルロイは、白鳥と黒鳥の両方を踊ることのできるプリマを
求めていた。
白鳥の踊りを披露して「白鳥だけなら君を選ぶ」と
ルロイに評されたものの、ニナは黒鳥の踊りに失敗。
ルロイに直談判し、見事にプリマに抜擢されるが、
黒鳥の妖艶さを表現しきれないニナは、
徐々に追いつめられていく。
周囲の人間に悪意を感じるようになったうえ、
悪意を体に異常を覚え始め、次第に奔放なダンサー・リリーに
役を奪われるのではないかとおびえ始める。

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体を傷つける描写のせいで
「見てるだけで痛い、痛い痛いやめてー!!」
というドキドキもあったのだろうけれど、
映像に表現されたニナの不安感、母親の過干渉や自信の欠如のために
追い詰められていく過程に感情移入してしまって、
ラストまで気が休まらなかった。
どこから現実でどこから非現実なのかがわからず、ニナと同じように不安になる。
性を忌避し、正しく優等生的であろうとするニナの性格が
母親の過干渉と関連していることは明らかで、
母親への反抗と黒鳥的な要素の増大がリンクして描かれているのもおもしろかった。
結局のところ、リリーはセクシーで悪い遊びも知ってる、
ただの気のいいお姉ちゃんだったんだろうか。


コメント
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