金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『縫い裁つ人』

2015-02-18 21:29:53 | 映画の感想
映画:『縫い裁つ人』(三島有紀子 監督)
★★★★☆3.5

【シネマトゥデイの内容紹介】

市江(中谷美紀)は祖母が始めた洋裁店を継ぎ、
町の仕立て屋の2代目店主として日々年季の入ったミシンの前に座っている。
彼女が職人技を駆使して丁寧に仕立てる洋服は、
依頼人たちを喜ばせていた。
職人気質の市江はブランド化の依頼にも目もくれず、
その服に袖を通すたった一人のためだけの
オーダーメイド服を縫うだけで幸せだったが……。

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映画館にて。
先代の仕立てた洋服を仕立て直し、先代のデザインを踏襲した洋服を作り、
かたくなに昔ながらのスタイルを守り続ける市江と、
彼女にブランド化の話を持ちかける藤井の交流が話の中心。
描かれるインテリアや布、ボタンといった小道具を楽しみながらも、
「やっぱり『クウネル』系か、やれやれ……」と
前半は斜に構えて見ていたのだけど、何度か泣かされてしまった。
「くそ、あざといぞ……!」
と思いながら涙ぐんでしまうんである。
大量消費社会の現代において、市江や橋本のような仕立て屋は
昔ながらのスタイルを守り続けていくことはできなくて、
時勢に適応していかなければならないのだという
現実的な側面が描かれる一方で、
全体的には浮世離れしたおとぎ話のような雰囲気を感じた。
こういう暮らしだったら素敵だよね、でも……と続けたくなるような。
わたしの中のひねくれた部分が素直に★4をつけさせないのだけど、
仕事というものの良い面も感じさせる素敵な映画です。
コメント
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