金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

172:ニック・シャラット 『ねこと王さま』

2020-08-20 21:10:15 | 20 本の感想
ニック・シャラット 『ねこと王さま』(徳間書店)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

ある日、ドラゴンのせいで、おしろがもえてしまった王さまは、
いちばんのともだちのねこといっしょに、町へひっこして、
小さな家にくらすことになりました。
「王さまのしごと」のほかには、何もできなかった王さまでしたが…?
少しずつ、いろいろなことができるようになる王さまと、
王さま思いのかしこいねこの、ユーモラスで心あたたまる物語。
英国のアリゲーターズ・マウス賞受賞。小学校低・中学年~。

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今年の青少年読書感想文全国コンクールの
中学年課題図書のうちの一冊。

絵も話の内容もほのぼのとしていて可愛らしく、
文字量もそれほどないため、
本の苦手な子でも読むのに苦労はしなさそう。
ただ、わかりやすいテーマがあるわけではないので、
自分でネタをふくらませられない子にとっては
苦しいのかもしれない。
王さまの成長や、ねことの関係、
王さまが関わることになる庶民の態度の変化。
このあたりに焦点をあてて書く子が多いのかな。

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171:斎藤倫 『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』

2020-08-20 20:57:54 | 20 本の感想
斎藤倫 『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(福音館書店)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、
どんどんぼくの部屋にあがりこんできた。
ランドセルをおろして、きみはいった。
「ねえねえ」
「なんだあ」
「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。
 ことばがなってないから」。
ぼくは立ち上がってとなりの部屋に行き、
本だなから一冊の詩集をとってきた。
そして、ページをひらいて、きみに手渡す。
「ここんとこ、読んでみな」。
詩はむずかしい。詩は意味がよくわからない。
だから、詩はおもしろくない。
確かに詩はむずかしくて、よくわからないものかもしれない。
でも、詩はおもしろくて、ほんとうにたのしくて、そして自由だ。
詩は、ことばを自由にし、ことばによって縛られ、
不自由になっているわたしたちに、
ことばは、わたしたちを縛るのではなくて、
わたしたちは、ことばによって自由になれるのだと教えてくれる。
20篇の詩を通して、詩人斉藤倫と楽しみ、そして考える、
詩のことそしてことばのこと。

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知人から借りたもの。

詩とはどんなもの? ということを物語の形で書いた
すてきな本だった。
ストーリー、会話自体が詩のよう。
先が気になるという種類の話ではないけれど、
一章一章を、じっくり読みたい感じ。

児童書にカテゴライズされているけれど、
子どものころのわたしが読んでも、
きっとこの本の良さを理解はできなかっただろう。
大人になったからこそわかるという気もする。


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