ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

乳幼児期に大切な母子関係

2008年11月13日 | 母性の大切さ
乳幼児期の子育てに母性が育まれることの必要性を、産科医の岡村博行先生が書かれた文章から抜粋してみました。
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乳幼児期の母性的養育をないがしろにした風潮の結果として、たとえば大阪府心理相談所に来所した育児中の母親達の間に見られる問題点として、以前は手抜き育児が挙げられていたのですが、現在では全く子どもを放任している、育児を顧みようともしない、つまり育児放棄している母親たちが増えていると報告されています。
そして、かかる母親たちに育てられた子どもたちに生じている訴え(2000のデータ)では、一歳6ヶ月児では無表情、3歳児では情緒的問題の訴えが最近の新しい特徴となっています。

そして子どもを抱かない、愛さない、心を無視する親たちに育てられた結果、多くの保育所では、要望がかなうまで自己主張をやめない子、友達に八つ当たりをする子、殆ど泣き止まない子、その場に適合できない子の様な情緒障害児が増えており、そのなかでも無表情とか抱かれる事を嫌がる子どもたちの場合、“末はNEETか、引きこもりっ子か” 、将来どのような人間に育つってしまうのか憂慮されます。

このように絶対的更には相対的依存期である乳幼児期早期の子どもたちに、母性的養育が欠如或いは不十分な場合、子どもは情緒発達不全や愛着形成不全のまま育ってしまう可能性が高く、その結果青少年の間で問題行動や非行の多発することが懸念され、いや現実にその事実が指摘されています。

現在のわが国は、乳幼児期の愛着形成不全が異常な子をうみだし、異常が普通の社会となっていますが、その原因を乳幼児期に求めるならば、その一例を挙げると、牛の乳による哺乳瓶保育があります。
 今から僅か半世紀前まではお母さんは自らの肉体の一部を母乳に変え、自らの身体を赤ちゃんの栄養として赤ちゃんを育てていました。

現在は牛のお母さんにヒトの赤ちゃんを育てて貰う時代です。
母親のbonding形成にどのような影響を及ぼすでしょうか。また、出産直後からの母と子を分離してしまう新生児室制度にしても、現在では医療先進国のうち、お母さんの疲労を理由として、出産直後からの母と子を別室に離しているのは、わが国だけとなっています。

 日本の女性は精神的にも肉体的にも弱くなってしまったのでしょうか。それとも日本人の美徳と言える思いやりの精神の故でしょうか。はたまた営業的理由(?)からでしょうか。

“乳幼児期の母子関係の重要性を軽視し、母性的養育をないがしろにした結果として、母子の同一化によって育まれるべき子どもの情緒的発育・・・愛着形成不全に遅れや歪みを生じている。
その結果、乳幼児期における些細な母と子の心のすれ違い(関係性の障害)によるミクロトラウマが生じやすく、そのまま放置され、累積された場合、やがて児童や思春期に至って、心の問題や精神障害となって顕在化する恐れがあります。”
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乳幼児期の母子の愛着形成の大切さを感じ取っていただけましたでしょうか。
岡村先生は、「母性を育むーソフロロジー式出産と母乳育児 」とい本も書かれています。
一度皆さんもお読みください。



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