奈良市法華寺北町、平城宮跡の東方に総国分尼寺として知られる「法華寺」の東北に隣接する浄土律宗の寺院「海龍王寺」はある。当寺は平城宮跡の、天平3年(731)光明皇后が創建、本尊は十一面観音である。室町時代建立の「築地塀」と「山門」に枯れた趣が漂う古寺である。緑木に包まれた静かな境内右側には江戸時代、寛文6年(1666年)の再建の「本堂」、正面に内部に国宝の五重小塔を安置の奈良時代の建立の切妻造、本瓦葺きの仏堂「西金堂」、そして「経堂」が建ち並ぶ。寺名のとおり航海安全祈願、そのご利益を求め訪れる人が多い。光明皇后の皇后宮(藤原不比等邸)の北東隅に建てられたことから「隅寺」あるいは「隅院」といわれ、侘びた風情が漂う古刹である。(1704)






