奈良市西ノ京町、西大寺駅から南へ4kmの歴史の道、長閑な田園の中に華麗な天平文化を今に伝える名刹、南都七大寺の一寺「薬師寺」はある。創建は天武天皇9年(680)で平成遷都に伴い養老2年(718)飛鳥より現在地へと移築された。本尊は国宝の薬師三尊。当時は東西に両塔を配し「南大門」、「中門」、「金堂」、「講堂」が南北一直線に並ぶ大伽藍で「竜宮造り」と呼ばれる華麗さを誇っていた。その後幾たびかの災害に遭い、創建当初の伽藍は東塔を除きすべて焼失した。現在の「金堂」、「西塔」、「中門」、「回廊」は昭和51年以降再建のもので朱と緑青の壮麗な建物は天平の姿を蘇らせた。白鳳時代の傑作と言われる金堂の「薬師三尊像」、「吉祥天女画像」は寺宝であり「伝大津皇子坐像」は奈良の文化財である。当寺も1998年世界文化遺産となった。また平山郁夫画伯が約30年の歳月をかけ完成させた玄奘三蔵院「大唐西域壁画」は注目を集めている。やはり薬師寺はや伽藍すべてが奈良のメジャーな寺院の一つといわれるのにも頷けるものであった。(1704)















