相模原市緑区下九沢に森のような樹林の中に四季折々の花を楽しめ、この時期は特に「バラ」と「アジサイ」で彩られる「相模原北公園」はある。今、当園を華やかにしている花の女王と言われるバラであるが、管理事務所のそばで5本ほどの「サラサウツギ」(更紗空木)がほんのり桜色のピンクの絞り模様が可愛い花を披露中である。この花木はアジサイ科ウツギ属の落葉低木。「ウツギ」の八重咲き品種で花の外側が紅紫色を「サラサウツギ」と呼ぶ。 香りのよい花を下向きにつける。サラサ(更紗)とはインドが起源で美しい文様を持つ多色染めの木綿布のこと。インドでは色の定着の難しいとされる赤や紫の染色にいち早く成功し、大航海時代を経て世界に広がった。サラサ(布)の特徴は赤や白、藍や緑など鮮やかな色彩と動植物などをモチーフとした美しい文様である。植物の名前にサラサと付けられるのは美しい花色が色彩豊かなサラサの文様を連想させるからである。(2305)
相模原市南区相武台に昭和40年かつての「住宅供給公社」が造成した「相武台団地」はある。80棟2800世帯が居住する大型団地である。大分老朽化が進み横浜銀行も撤退し、団地内に唯一ある商店街も閉店する店もあったがこのほど新しく温泉施設ができた。ここでは団地のイベントが行われる唯一の場所である。ツツジなどの植え込みの一画に「モクレン」属のトリを飾る「タイサンボク」が樹高が高い枝の各所に大きな肉厚の純白の花を十数輪開花させている。「タイサンボク」は「泰山木」と書き「モクレン」や「コブシ」と同じ仲間である。公園樹、庭園樹に適しており2月早春から続くこの「モクレン属」の最後を飾るのがこの「タイサンボク」である。花期は丁度今頃の6月~7月である。枝先に大型の白花を開きかすかに甘い香りを放出している。萼片は3個で花弁状、花弁は広倒卵形でふつう6個である。「タイサンボク」は葉も花も大きく堂々とした風格を持つ花木である。(2305)