東京都杉並区上荻二丁目に真言宗豊山派の寺院「慈雲山荻寺光明院」はある。創建(伝)は奈良時代以前、和銅元年(708)。杉並区でも屈指の古刹と言われている荻窪の地名発祥の寺である。本尊は荻窪の観音様、出逢い観音ともいわれる千手観音。名僧・行基作の仏像を背負い遊行していた僧が当地を通りかかった際、仏像が重くなり、運べなくなり「荻」で草堂を作って仏像を安置したのが当寺院の興りとされる。あたりが荻だらけだった当寺院は「荻寺」と呼ばれ、それが荻窪の地名のルーツになったと言われている。又、当寺院付近にある「四面堂」や「堂前」という地名も当寺院に由来する。荻窪駅西口から左へ、線路沿いに白山通りを三鷹方面に歩くと環八通りガードと交差するところに「山門」が構えられ、右手に荻の謂れの石碑、泣きべそ地蔵、永大供養塔ずある。境内右手に2階建ての鉄筋コンクリート造りの「本堂」、「観音ホール」がある。本堂左手に閻魔大王が安置されている「閻魔堂」、手水鉢、「鐘楼堂」、光明院を東西に横切る自由通路「荻の小径」がある。荻窪地名発祥の寺だけにその原点を触れた思いがする。(2011)
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