大和市下鶴間、矢倉沢往還(大山道)の下鶴間宿があったところに大和市指定重要文化財施設の「下鶴間ふるさと館」はある。この「ふるさと館」には江戸末期に薬など雑貨商を営んでいた「旧小倉可光家住宅」の母屋と白壁の「土蔵」(袖倉)が移築されている。宿場の商家建築としては県内でも数少ない建物である。母屋は1856年に建築されたもので宿場町時代唯一の商家建築である。平成7年の解体調査の際、ザシキの床板から墨書きの落書が見つかった。「安政3年」の年紀、大工と思われる「石田利三良」という名前に黒船の絵などが書かれている。母屋は江戸時代の建築遺構で「木造銅版葺き」、「入母屋造り」、「四間取り」となっている。大正から昭和初期の大和の歴史を学べる場所となっている。矢倉沢往還(母屋の裏)には幕府や領主が決めた法度や掟書などを木の板札に書き人目の惹くように高く掲げておく場所であった「高札場」がある。高札場は神奈川県の東海道では9つの宿場にそれぞれ1ヶ所ずゝあったという名残である。(2312)
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