相模原市南区磯部に大正15年(1926)に約5000年前の縄文時代中期の大集落跡が発見され関東地方の標式遺跡、国指定史跡「勝坂遺跡公園」はある。考古学者「大山柏」氏が発掘・発見の縄文土器は立体的な装飾の文様や顔面把手などの特徴が希少であり後に「勝坂式土器」と命名された。縄文時代中期の目安としてその貴重性が認められた。同時に発見された多くの打製石斧も土を掘る道具と考えられ縄文時代において農耕の可能性を示すものとして注目を浴びた。昭和48年(1973)の発掘で発見された集落の一部2ha「勝坂遺跡D区」が昭和49年に国の史跡として指定、昭和55年と59年にも追加指定を受けた。D区の東方、谷を隔てた台地に位置する「勝坂遺跡A区」では平成17(2005)年の発掘調査で発見された集落の一部、磯部字中峰2097番1ほか3,797㎡が平成18年に新たに追加指定となった。勝坂遺跡周辺は起伏に富んだ自然の地形に緑豊かな斜面樹林や湧泉など、縄文人が長く暮らし続けた豊かな自然環境が今なお残っている。平成21年に「大自然の中の縄文時代を体感」できる「遺跡公園」が完成した。園内には縄文集落が再現され土葺きと笹葺きの「竪穴住居2棟」と周辺には竪穴住居廃絶後の窪地なども復元された。この公園がかつての縄文人が農耕生活、暮をしていた場所かと思えばどことなく「古代ロマン」に満ち満ちている。事務棟前には柿らしい木が枝を撓らせていた。例年11月にはここ勝坂遺跡公園で「縄文まつり」が開催されるが今年はコロナ禍にあって中止のようである。(2010)
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