「ヨハネ伝解読」、相変わらず17章を進みます。
この章は全文が創造主に向かってイエスが語りかける言葉です。
イエスが弟子たちに語る時には、「ここまでは今は理解できないだろうな」 とか、
「ここは喩えで話すしかないな」というところが出ます。
だが、全能の父なる創造主に祈るときには、事実そのままで語ることができる。
それだけに、他の章にはない奥義が17章には期待できます。
本日の聖句はこれです。
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=聖句=
「今は、父よ、みそばでわたしを栄光で輝かせて下さい。
世界が存在する前に、ごいっしょにいてもっていましたあの栄光で。」(17章5節)
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ここでの「世界」は我々の住むこの宇宙です。
『創世記』の冒頭に造られていく様が記されている「この世」です。
聖句でイエスは、「この世が存在する前には、自分は創造主と共にいた」と創造主に語りかけています。
ヨハネはこのイエスの創造主への語りかけ(祈り)の言葉を記憶していました。
それによって有名な「ヨハネ伝」の冒頭聖句を書き出すことが出来ました。
「始めに言があった。言は創造主と共にあった。言は創造主であった。
この方は、初めに創主と共におられた」(1章1節)がそれです。

<創造霊の肉体化>
蛇足ですが、この思想は同じ冒頭章の14節にも繋がっていきます。
ヨハネは、十字架上のイエスの身体が槍で刺された時、「水と血が出た」ことを観察していました。
「この方の身体は、われわれの身体とは違うものだったのだ」と確認しました。
それと本日の聖句にみられる「イエスはこの世が創られる前に霊として創造主と共に存在していた」
という思想が組み合わさりました。
こうして「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた」(1章14節)という聖句が生まれました。
それは「(創造霊の)肉化」(incarnation)という神学用語にも繋がっていきます。
