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Sightsong

自縄自縛日記

ジョージ・コールマン『A Master Speaks』

2016-05-28 07:13:17 | アヴァンギャルド・ジャズ

あっと驚くジョージ・コールマンの新作、『A Master Speaks』(Smoke Sessions Records、2015年)。いまもNYで時折吹いているとの記事を読んではいたが、このように形にして出してくれると妙に嬉しい。

George Coleman (ts)
Mike Ledonne (p)
Bob Cranshaw (b)
George Coleman, Jr. (ds)
Peter Bernstein (g)

やはり普通のジャズ・ファンとしては、再生ボタンを押してピアノ・トリオの音が飛び出てくると無条件に気持ちが引き上げられるものだ。ヴェテラン、ボブ・クランショウのベースもよく鳴っているし、これが初録音だという息子ジョージ・コールマン・ジュニアのドラムスは小気味よくスイングしている。

ところが肝心のジョージ・コールマンのテナーが吹き始めると、ヘンにエコーがかかっていて、これでは下手するとムード歌謡。もうちょっとソリッドな録音をしてくれなかったものかと思うが、聴いていくと気にならなくなる。この人もいい感じに枯れて勢いをどこかに棄て、手癖と味だけが残っている。その結果としてのムード歌謡のあやうさならばむしろ歓迎というべきか。

「Blues for B.B.」はB.B.キングに捧げたものであり、この1曲だけギターのピーター・バーンスタインが参加している。イントロがまるで「Georgia on My Mind」だが、かつてコールマンがB.B.キングと共演したのは隣のテネシー州メンフィス。それにしても気持ちよく吹いているブルース。B.B.キングとの共演は、コールマンがシカゴに出ていく前の若い頃だということで(その後NY)、録音なんか残っていないんだろうなあ。クリフォード・ジョーダンがレッドベリーに捧げたアルバムを作ったように、ジョージ・コールマンの、もろブルースの作品も吹き込んでほしいものだ。

●参照
アーマッド・ジャマル『Ahmad Jamal A L'Olympia』(2001年)(ジョージ・コールマン参加)
エルヴィン・ジョーンズ『Live at the Village Vanguard』(1968年)、ジョージ・コールマン『Amsterdam After Dark』『My Horns of Plenty』(1978、1991年)
Timelessレーベルのジョージ・コールマン(1975、77年)
シダー・ウォルトンの映像『Recorded Live at the Umbria Jazz Festival』(1976年)(ジョージ・コールマン参加)
マックス・ローチの名盤集(1955-61年)(ジョージ・コールマン参加)


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