Sightsong

自縄自縛日記

moments - Mamiko Hosokawa photographed by m.yoshihisa@代々木上原hako gallery

2024-07-31 23:17:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

代々木上原のhako gallery(2024/7/21, 23)。

Mamiko Hosokawa 細川麻実子 (dance)
Guests:
Ayako Kanda 神田綾子 (voice)
Tatsuo Kondo 近藤達郎 (key)
Tomomi Fukagawa 深川智美 (perc)

m.yoshihisaさんが撮りためた細川麻実子さんの写真展が開かれ、それを記念して5夜のライヴが行われた。足を運んだのはゲストが神田綾子さん(ヴォイス)の回と、近藤達郎さん(鍵盤)・深川智美さん(打楽器)の回。細川さんのダンスはそれぞれまったく違っていた。

神田さんの声はナラティブな物語にも慣性という閉じた論理にも堕することがない。その微細な変化に沿って(呼応して、という授受のヴェクトルはない)、細川さんはさまざまなフォルムを作る。時間の流れも一様ではなくときに逆方向を感じさせる局面があって、そのときは神田さんも声を吸うようにして時間を逆行させているように思えた。語りの物語性があったとすれば最後に横臥した細川さんの眼の動き。

対照的に鍵盤の和音も七色の打音も物語的で、それが標題音楽でない即興であるために、日常生活のフシギに道が通じている。そのフシギとはシュルレアリスムのはじまりにあった異化や客観的偶然のようでもあり、そうなると細川さんも日常のナチュラルな亀裂を体現する。終盤に細川さんが扉を開けて外に消え、それを気にした観客(ピアノの照内央晴さん)が様子を見に行くというところまで、ねらいの範囲内だったのではないかというおもしろさ。

m.yoshihisaさんの写真集も3枚の写真パネルも得てしまった。やっぱり動きがあっても静けさを感じさせるものだった。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8

●神田綾子
神田綾子+楠直孝+吉木稔@東中野セロニアス(2024年)
神田綾子+土屋秀樹@池袋Flat Five(2024年)
カーステン・キャリー+神田綾子@千駄木Bar Isshee(2024年)
北神田@渋谷Bar Subterraneans(2024年)
イェーナ・チャング+神田綾子@千駄木Bar Isshee(2024年)
神田綾子+田村夏樹+藤井郷子+アンドリュー・ドルーリー@公園通りクラシックス(2023年)
神田綾子+楠直孝@池袋Flat Five(2023年)
吉田達也+神田綾子+伊藤志宏@東中野セロニアス(2023年)
神田綾子+楠直孝@池袋Flat Five(2023年)
林栄一+吉田達也+神田綾子@公園通りクラシックス(2023年)
山本達久+神田綾子@代々木上原Hako Gallery(2023年)
神田綾子+土屋秀樹@池袋Flat Five(2023年)
林栄一+山本達久+神田綾子+ルイス稲毛@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)(2023年)
神田綾子+柳川芳命+内田静男@渋谷Bar subterraneans(JazzTokyo)(2023年)
おーたかずお+神田綾子@大阪堺筋本町ミュージックスポット satone(聰音)(2022年)
吉田達也+神田綾子+加藤一平@中野坂上Aja(2022年)
MMBトリオ with 神田綾子・ルイス稲毛/林栄一@なってるハウス、cooljojo(JazzTokyo)(2022年)
神田綾子+大澤香織+西嶋徹@大泉学園インエフ(2022年)
カール・ストーン+吉田達也+神田綾子 with 小林径@落合Soup(JazzTokyo)(2022年)
米澤一平+神田綾子@日本橋Double Tall Art & Espresso Bar(2022年)
吉田達也+加藤崇之+神田綾子@公園通りクラシックス(2022年)
神田綾子+ルイス稲毛@東北沢OTOOTO(2022年)
日本天狗党と時岡秀雄そして神田綾子@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2022年)
吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス(2022年)
シェーン・ボーデン+神田綾子+Rohco@東北沢OTOOTO(2022年)
神田綾子+大澤香織+西嶋徹@大泉学園インエフ(2022年)
神田綾子+三上寛@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)
吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)
神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)
神田綾子+細井徳太郎+岡川怜央@水道橋Ftarri(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
柳川芳命+照内央晴+神田綾子@なってるハウス(2021年)
細田茂美+神田綾子@高円寺グッドマン(2021年)
神田綾子+真木大彰@Permian(2021年)
纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
神田綾子+纐纈雅代@下北沢No Room for Squares(2021年)
新年邪気祓いセッション@山猫軒(2021年)
マクイーン時田深山+神田綾子@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)(2020年)
岡田ヨシヒロ@池袋Flat Five(2020年)
神田綾子+森順治@横濱エアジン(JazzTokyo)(2020年)
神田綾子+北田学@渋谷Bar Subterraneans(動画配信)(2020年)

●深川智美
照内央晴+深川智美+助川久美子@なってるハウス(2022年)


MIYA+竹下勇馬@千駄木Bar Isshee

2024-07-31 00:39:21 | アヴァンギャルド・ジャズ

千駄木のBar Isshee(2024/7/26)。

MIYA (flute modular, 能管)
Yuma Takeshita 竹下勇馬 (electro-b, self-made instrument)

近いのか遠いのか判断しかねるふたりの共演。MIYAさんはインタビューにおいてモジュラー使用を未来からのアプローチだと話した。時間の流れということでいえば、たしかに聴こえてくる音は先行するなにかを受け継いでのものではないし、音が現れることで先行する音に位置が与えられるようなところがある。竹下さんの自作楽器は自律的に動くようでありながら操作されてもいる。その半自律性のありようもまた時間を別次元に追いやっているようでおもしろい。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8

●Miya
インプロヴァイザーの立脚地 vol.21 MIYA(JazzTokyo)(2024年)
謝明諺・2024年6月の日本ツアー(JazzTokyo)(2024年)
ことばと即興音楽の夕@月花舎・ハリ書房(2024年)
「月花舎 Miyaを語る」@神保町月花舎・ハリ書房(2024年)
MIYA+中村としまる@千駄木Bar Isshee(2024年)
そらの下、わらの家@公園通りクラシックス(2024年)
MIYA+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2024年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)

●竹下勇馬
サラダマイカル富岡製糸場グループ 、フジワラサトシ+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2023年)
中村としまる+沼田順+サム・アンドレア+竹下勇馬@なってるハウス(2023年)
インプロヴァイザーの立脚地 vol.8 竹下勇馬(JazzTokyo)(2023年)
People, Places and Things × Ex@小岩BUSHBASH(2022年)
森下周央彌+竹下勇馬+増渕顕史@Ftarri(2021年)
のっぽのグーニー+竹下勇馬、阿部薫没有未来@大崎l-e(2019年)
Hubble Deep Fields@Ftarri(2019年)
高島正志+竹下勇馬+河野円+徳永将豪「Hubble Deep Fields」@Ftarri(2018年)
Zhu Wenbo、Zhao Cong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)
高島正志+河野円+徳永将豪+竹下勇馬@Ftarri(2018年)
TUMO featuring 熊坂路得子@Bar Isshee(2017年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
二コラ・ハイン+ヨシュア・ヴァイツェル+アルフレート・23・ハルト+竹下勇馬@Bar Isshee(2017年)
『《《》》 / Relay』(2015年)
『《《》》』(metsu)(2014年)


アンブローズ・アキンムシーレ@ブルーノート東京

2024-07-23 07:45:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブルーノート東京(2024/7/22)。

Ambrose Akinmusire (tp)
Sam Harris (p)
Harish Raghavan (b)
Justin Brown (ds)

『A Rift in Decorum: Live at the Village Vanguard』と同編成。同盤がそうであったようになんの衒いもなく、敢えて向こう受けをねらうでもなく、堂々とプレイするのみ。アキンムシーレのソロは、しっとりとしたグラデーションや、エモーショナルなものに固執しない潔さがやはりすばらしい。サム・ハリスが次の展開をねらう探索もまた良い。そして未来からビートをリアルタイムに持ち込むかのような、ジャスティン・ブラウンの異次元のドラミング。

●アンブローズ・アキンムシーレ
ウォルフガング・ムースピール『Where the River Goes』(2018年)
アンブローズ・アキンムシーレ『A Rift in Decorum: Live at the Village Vanguard』(2017年)
メアリー・ハルヴァーソン『Code Girl』(2016年)
トム・ハレル『Something Gold, Something Blue』(2015年)
トム・ハレル@Village Vanguard(2015年)
アンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior is Far Easier to Paint』(2014年)
ジェン・シュー『Sounds and Cries of the World』(2014年)
アーチー・シェップ『Attica Blues Orchestra Live / I Hear the Sound』(2013年)
タールベイビー『Ballad of Sam Langford』(2013年)
デイナ・スティーブンス『That Nepenthetic Place』(2010年) 
ミシェル・ポルタル『Bailador』(2010年)
アンブローズ・アキンムシーレ『Prelude』(2008年)
ヴィジェイ・アイヤー『In What Language?』(2003年)


臼井康浩+小宮勝昭+佐藤研二@なってるハウス

2024-07-16 09:23:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

入谷のなってるハウス(2024/7/15)。

Yasuhiro Usui 臼井康浩 (g)
Katsuaki Komiya 小宮勝昭 (ds)
Guest:
Kenji Sato 佐藤研二 (b)

なにしろ臼井・小宮デュオのヴァイナル『undulation』が印象的だったのでレコ発も観なければならなかった。そして臼井さんはやはりギターをマテリアルとして扱っていたし、小宮さんはいちプレイヤーというよりステージの不動の核だった。ここにゲストの佐藤研二さんが入ると外在的なグルーヴと時間を持ち込んだようなあんばいになって、またデュオとは別の性格の盛り上がりをみせた。

ドラマーの野々山玲子さんは今回はプロデューサーに徹するようなかたちで同行なさっていた。あれこれ名古屋事情などおしゃべり。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Leica Elmarit 90mmF2.8 (M)

●臼井康浩
臼井康浩+小宮勝昭『undulation』(JazzTokyo)(2023年)
塚本真一+小宮勝昭、ROW(柳川芳命+臼井康浩+野々山玲子)@入谷なってるハウス(2023年)
『Impro × Groove』(JazzTokyo)(2023年)
ROW project@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2022年)

●小宮勝昭
臼井康浩+小宮勝昭『undulation』(JazzTokyo)(2023年)
塚本真一+小宮勝昭、ROW(柳川芳命+臼井康浩+野々山玲子)@入谷なってるハウス(2023年)
『Impro × Groove』(JazzTokyo)(2023年)


翠川敬基+早川岳晴@大泉学園 in F

2024-07-16 08:30:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

大泉学園のin F(2024/7/15)。

Keiki Midorikawa 翠川敬基 (cello)
Takeharu Hayakawa 早川岳晴 (b)

体調が心配な翠川さんが出演するというので駆けつけた。ポルタメントでありながら微細に震えて音が見え隠れする、そしてなにかを含み持っている。そのあたりが翠川さんのセクシーさのひとつだろう。早川さんのアタックが予想以上に柔らかいのも印象的。富樫雅彦の<Valencia>なんてすごく良かった。

iphone

●翠川敬基
ロシアのうた@音や金時(2023年)
喜多直毅+翠川敬基+久田舜一郎@下北沢Lady Jane(2022年)
ロシアのうた@音や金時(2021年)
Fado-mo-two@in F(2020年)
ロシアのうた@音や金時(2020年)
喜多直毅+翠川敬基+角正之@アトリエ第Q藝術(2019年)
ファドも計画@in F(2018年)
夢Duo『蝉時雨 Chorus of cicadas』(2017-18年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
早川岳晴『kowloon』(2002年)
1999年、井上敬三(1999年)
翠川敬基『犬の細道』(1992年)
高柳昌行+ペーター・コヴァルト+翠川敬基『Encounter and Improvisation』(1983年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
富樫雅彦『かなたからの声』(1978年)
翠川敬基『完全版・緑色革命』(1976年)
沖至『Live at Jazz Spot Combo 1975』(1975年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年) 

●早川岳晴
渡辺隆雄+早川岳晴『Hums For Midnight Amble』(2018年)
早川岳晴『kowloon』(2002年)
生活向上委員会大管弦楽団『This Is Music Is This?』(1979年)


大友良英+類家心平@水道橋Ftarri

2024-07-16 08:06:50 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2024/7/13)。

Otomo Yoshihide 大友良英 (turntables, g)
Shinpei Ruike 類家心平 (tp, cor)

このふたりでデュオを演るのははじめてだというけれど、それが奏功したのか、それとも意外なのか、緊張感と爆発力とが共存する素晴らしい演奏だった。前半は短いものをいくつか、後半はひとつながりのもの。互いの出す音に寄るときは鋭角的でもありユーモアもある。大友さんの2種のターンテーブルは時間を否応なく駆動し、硬質な音を響かせるギターはそれまで流れてきた時間のことを意識させる事件として立ち現れた。

Fuji X-E2, XF35mmF1.4

●大友良英
ONJQ@新宿ピットイン(2024年)
大友良英+イヌイジュン+西村雄介@大久保ひかりのうま(2024年)
大友良英@水道橋Ftarri(2024年)
大友良英 X 田中鮎美 "session"@公園通りクラシックス(2024年)
TRY ANGLE/大友良英+川島誠+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)
大友良英+川島誠『DUO』(Jazz Right Now)(2021年)
大友良英+川島誠@山猫軒(2021年)
リューダス・モツクーナス+大友良英+梅津和時@白楽Bitches Brew(JazzTokyo)(2018年)
大友良英+マッツ・グスタフソン@GOK Sound(2018年)
阿部芙蓉美『EP』(2014年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(2011年)
ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド(2010年)
井上剛『その街のこども 劇場版』(2010年)
『その街のこども』(2010年)
大友良英+尾関幹人+マッツ・グスタフソン 『ENSEMBLES 09 休符だらけの音楽装置展 「with records」』(2009年)
サインホ・ナムチラックの映像(2008年)
大友良英の映像『Multiple Otomo』(2007年)
『鬼太郎が見た玉砕』(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
テレビドラマ版『クライマーズ・ハイ』(2003年)

●類家心平
ONJQ@新宿ピットイン(2024年)
類家心平+山田貴子@下北沢No Room for Squares(2022年)
有本羅人+類家心平+細井徳太郎+池澤龍作+レオナ@神保町試聴室(2021年)
The Music of Anthony Braxton ~ アンソニー・ブラクストン勉強会&ライヴ@KAKULULU、公園通りクラシックス(JazzTokyo)(2019年)
森山威男 NEW YEAR SPECIAL 2019 その1@新宿ピットイン(2019年)
類家心平『Lady's Blues』(2018年)
永武幹子+類家心平+池澤龍作@本八幡cooljojo(2018年)
東京ザヴィヌルバッハ・スペシャル@渋谷The Room(2018年)
TAMAXILLE『Live at Shinjuku Pit Inn』(2017年)
森山威男3Days@新宿ピットイン(2017年)
ナチュラル・ボーン・キラー・バンド『Catastrophe of Love Psychedelic』(2015-16年)
RS5pb@新宿ピットイン(2016年)
白石雪妃×類家心平DUO(JazzTokyo)(2016年)
白石雪妃+類家心平@KAKULULU(2016年)
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
森山・板橋クインテット『STRAIGHTEDGE』(2014年)


ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』

2024-07-14 09:27:19 | 中南米

これが文庫化されるとき世界が滅びるという都市伝説があり、それまでに再読しようと思っていたが忙しくて間に合わなかった。しかし世界はまだ存続している。文庫化が世界を滅亡させる作品にはウンベルト・エーコ『薔薇の名前』もあって、つまり「or条件」ではなく「and条件」にちがいない。滅亡をくい止めるためにはミシェル・フーコー『監獄の誕生』なども伝説に加えておきたい。

それにしてもわけがわからない(前に読んだのは30年前でほとんど覚えていない)。「四年十一ヵ月と二日、雨は降りつづいた」ってなんだ。屋敷や土地が滅びてゆく描写なんてくらくらする。マルケスの長編のなかでは、「おふくろよ、ベンディシオン・アルバラドよ、」と何度も呼び掛ける『族長の秋』にも圧倒された。繰り返しを可能にする力というものがあるのだな。

●参照
G・G・マルケス『戒厳令下チリ潜入記』、ドキュメンタリー『将軍を追いつめた判事』


トン・クラミ@山猫軒・公園通りクラシックス

2024-07-09 08:37:54 | アヴァンギャルド・ジャズ

越生の山猫軒(2024/7/6)、渋谷の公園通りクラシックス(2024/7/8)。

Kang Tae Hwan 姜泰煥 (as)
Midori Takada 高田みどり (perc)
Masahiko Sato 佐藤允彦 (p)

8年ぶりのトン・クラミ来日公演。

高田みどりさんと佐藤允彦さんによる当意即妙の即興は魔術的といってもよいほどのものだった。加えて、なんども観ているはずの姜泰煥さんの演奏には驚かされるばかり。循環呼吸で音を出し続けながら右手でタッピングのような刺激を与え、左手と身体全体で流れの勢いを激しく変える。ブレスにもタンギングにも実に多くの貌がある。そしてカラフルな濁流のごとき音。姜さんの真後ろから観ていると頬も背中も原始の生物のように動き続ける。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Leica Elmarit 90mmF2.8 (M)

●姜泰煥
崔善培さんのこと
姜泰煥@下北沢Lady Jane(2019年)
TON KLAMI@東京都民教会(2016年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
姜泰煥『素來花』(2011年)
姜泰煥・高橋悠治・田中泯(2008年)
姜泰煥・高橋悠治・田中泯(2)(2008年)
大倉正之助『破天の人 金大煥』(2005年)
姜泰煥+美妍+朴在千『Improvised Memories』(2002年)
姜泰煥+高田みどり『An Eternal Moment / 永遠の刹那』(1995年)
TON-KLAMI『Prophecy of Nue』(JazzTokyo)(1995年)
『ASIAN SPIRITS』(1995年)
サインホ・ナムチラックとサックスとのデュオ(1992-96年)

●高田みどり
TON KLAMI@東京都民教会(2016年)
姜泰煥+高田みどり『An Eternal Moment / 永遠の刹那』(1995年)
TON-KLAMI『Prophecy of Nue』(JazzTokyo)(1995年)

●佐藤允彦
纐纈雅代+佐藤允彦+豊住芳三郎@新宿ピットイン(2020年)
詭弁楽派 vol.1@新宿ピットイン(2020年)
ニュージャズホールって何だ?@新宿ピットイン(2018年)
TON KLAMI@東京都民教会(2016年)
高瀬アキ+佐藤允彦@渋谷・公園通りクラシックス(2016年)
ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男@新宿ピットイン(2014年)
ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男『YATAGARASU』(2011年)
佐藤允彦+豊住芳三郎『The Aiki 合気』(1997年)
『ASIAN SPIRITS』(1995年)
TON-KLAMI『Prophecy of Nue』(JazzTokyo)(1995年)
『老人と海』 与那国島の映像(1990年)
翠川敬基『完全版・緑色革命』(1976年)
アンソニー・ブラクストン『捧げものとしての4つの作品』(1971年)


インプロヴァイザーの立脚地 vol.21 MIYA(JazzTokyo)

2024-07-08 00:55:54 | アヴァンギャルド・ジャズ

インプロヴァイザーの立脚地 vol.21 MIYA – JazzTokyo

●Miya
謝明諺・2024年6月の日本ツアー(JazzTokyo)(2024年)
ことばと即興音楽の夕@月花舎・ハリ書房(2024年)
「月花舎 Miyaを語る」@神保町月花舎・ハリ書房(2024年)
MIYA+中村としまる@千駄木Bar Isshee(2024年)
そらの下、わらの家@公園通りクラシックス(2024年)
MIYA+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2024年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)


謝明諺・2024年6月の日本ツアー(JazzTokyo)

2024-07-08 00:47:57 | アヴァンギャルド・ジャズ

#1311 謝明諺・2024年6月の日本ツアー – JazzTokyo

詩與歌的靈魂夜 2024/6/18(火) 渋谷・公園通りクラシックス
Minyen Hsieh 謝明諺 (tenor saxophone, soprano saxophone)
Shoko Numao 沼尾翔子 (vocal)
Fumi Endo 遠藤ふみ (piano)
Riku Takahashi 高橋陸 (bass)
Mars Lin 林理恵 (vocal, vocorder)

2024/6/20(木) 大塚bar地底
Minyen Hsieh 謝明諺 (tenor saxophone, soprano saxophone)
MIYA (flute modular, 能管)
Risa Takeda 武田理沙 (synthesizer, drums)

2024/6/23(日) 水道橋・Ftarri
Minyen Hsieh 謝明諺 (tenor saxophone, soprano saxophone)
Keiko Higuchi ヒグチケイコ (voice, piano)

●謝明諺
謝明諺+武田理沙+T. 美川@渋谷Bar Subterraneans(JazzTokyo)(2023年)
謝明諺+熊坂路得子@上尾Barber Fuji(2023年)
内橋和久+謝明諺@千駄木Bar Isshee(2023年)
謝明諺&スガダイロー a new little one『Our Waning Love』(JazzTokyo)(2023年)
詩與歌的靈魂夜 A Soulful Night of Poetry and Songs(JazzTokyo)(2023年)
melodies@新宿ピットイン(2023年)
謝明諺+永武幹子+高橋陸+大村亘@壱岐坂ボンクラージュ(2023年)
高橋佑成+謝明諺+荒悠平@荻窪ベルベットサン(2023年)
謝明諺へのインタビュー(Taiwan Beats)(2022年)
『爵士詩靈魂夜 A Soulful Night of Jazz Poetry』(JazzTokyo)(2021年)
陳穎達『離峰時刻 Off Peak Hours』(JazzTokyo)(2019年)
謝明諺+レオナ+松本ちはや@Bar subterraneans(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
謝明諺+秋山徹次+池田陽子+矢部優子@Ftarri(2019年)
謝明諺+高橋佑成+細井徳太郎+瀬尾高志@下北沢Apollo(2019年)
陳穎達カルテットの録音@台北(2019年)
東京中央線 feat. 謝明諺@新宿ピットイン(2018年)
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri
(2018年)
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)
マイケル・サイモン『Asian Connection』(2017年)

●沼尾翔子
蒼波花音+遠藤ふみ+西嶋徹+沼尾翔子@公園通りクラシックス(2024年)
弾き語りの夜@Ftarri(2023年)
Uquwa@神保町試聴室(2023年)
遠藤ふみ+沼尾翔子+荻野やすよし@柏Nardis(2023年)
詩與歌的靈魂夜 A Soulful Night of Poetry and Songs(JazzTokyo)(2023年)
ガラグア、沼尾翔子+遠藤ふみ@七針(2023年)
沼尾翔子@水道橋Ftarri(2023年)
Uquwa@神保町試聴室(2023年)

●遠藤ふみ
遠藤ふみ@神田錦町POLARIS(2024年)
Spring Dew -春の露-@神田錦町POLARIS(2024年)
幽けき刻 with 中山晃子@公園通りクラシックス(2024年)
秋山徹次+林頼我+遠藤ふみ@水道橋Ftarri(2024年)
大藏雅彦+遠藤ふみ@水道橋Ftarri(2024年)
山田光+大藏雅彦+山㟁直人+遠藤ふみ+柳沢耕吉@水道橋Ftarri(2024年)
蒼波花音+遠藤ふみ+西嶋徹+沼尾翔子@公園通りクラシックス(2024年)
甲斐正樹+遠藤ふみ+則武諒@神保町試聴室(2023年)
塙正貴+遠藤ふみ@成城学園前Cafe Beulmans(2023年)
遠藤ふみ+野津昌太郎+阿部真武@神保町試聴室(2023年)
遠藤ふみ+潮田雄一、AccentGrave@七針(2023年)
藤原大輔+遠藤ふみ@なってるハウス(2023年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)
鏡の声@神保町試聴室(2023年)
Uquwa@神保町試聴室(2023年)
蒼波花音+遠藤ふみ+ショーン・コラム@水道橋Ftarri(2023年)
サラダマイカル富岡製糸場グループ 、フジワラサトシ+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2023年)
鏡の声@神保町試聴室(2023年)
遠藤ふみ+沼尾翔子+荻野やすよし@柏Nardis(2023年)
詩與歌的靈魂夜 A Soulful Night of Poetry and Songs(JazzTokyo)(2023年)
遠藤ふみ+蒼波花音+甲斐正樹@中野Sweet Rain(2023年)
ガラグア、沼尾翔子+遠藤ふみ@七針(2023年)
インプロヴァイザーの立脚地 vol.7 遠藤ふみ(JazzTokyo)(2023年)
Thieves@神保町試聴室(2023年)
幽けき刻@公園通りクラシックス(2023年)
荻野やすよし+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)
quintet@不動前Permian(2023年)
阿部真武+池田謙+遠藤ふみ@公園通りクラシックス(2023年)
Ensemble 響む@入間市文化創造アトリエ・アミーゴ ホール(2023年)
秋山徹次+遠藤ふみ+岡川怜央@水道橋Ftarri(2023年)
Uquwa@神保町試聴室(2023年)
齊藤涼子+遠藤ふみ@u-ma kagurazaka(2023年)
浅野昭一+高橋麻理絵+遠藤ふみ@下北沢Apollo(2023年)
遠藤ふみ+甲斐正樹+則武諒@神保町試聴室(2023年)
遠藤ふみ@水道橋Ftarri(2023年)
幽けき刻@成城学園前Cafe Beulmans(2022年)
やみのうつつ vol.1@神保町試聴室(2022年)
長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2022年)
遠藤ふみ+甲斐正樹+則武諒@神保町試聴室(2022年)
幽けき刻@公園通りクラシックス(2022年)
神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)
遠藤ふみ『Live at Ftarri, March 8, April 11 and June 27, 2021』(JazzTokyo)(2021年)
青木タイセイ+遠藤ふみ+則武諒@関内・上町63(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その3)(2021年)
かみむら泰一+古和靖章+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その2)(2021年)
本藤美咲+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
池田陽子+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)

●高橋陸
謝明諺+永武幹子+高橋陸+大村亘@壱岐坂ボンクラージュ(2023年)

●林理惠
詩與歌的靈魂夜 A Soulful Night of Poetry and Songs(JazzTokyo)(2023年)
『爵士詩靈魂夜 A Soulful Night of Jazz Poetry』(JazzTokyo)(2021年)

●武田理沙
The Mad Laboratory of Anti Matter@代々木上原Hako Gallery(2024年)
武田理沙@大塚bar地底(2024年)
武田理沙@神田錦町Polaris(2024年)
謝明諺+武田理沙+T. 美川@渋谷Bar Subterraneans(JazzTokyo)(2023年)
高橋保行+潮田雄一+武田理沙@四谷三丁目CON TON TON VIVO(2023年)
武田理沙+アキオ・ジェイムス@公園通りクラシックス(2023年)
天鼓+内橋和久「天ノ橋 地獄巡」@秋葉原Club Goodman(2023年)
武田理沙+渡邉茜@本八幡cooljojo(2023年)
林栄一+武田理沙@公園通りクラシックス(2021年)
近藤直司+永田利樹+武田理沙@喫茶茶会記(2020年)
松本ちはや+武田理沙@なってるハウス(2020年)
mn+武田理沙@七針(2019年)
武田理沙『Pandora』
(2018年)

●Miya
ことばと即興音楽の夕@月花舎・ハリ書房(2024年)
「月花舎 Miyaを語る」@神保町月花舎・ハリ書房(2024年)
MIYA+中村としまる@千駄木Bar Isshee(2024年)
そらの下、わらの家@公園通りクラシックス(2024年)
MIYA+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2024年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)

●ヒグチケイコ
ヒグチケイコ with ルイス稲毛、ナカタニ・タツヤ@下北沢Apollo(2022年)
むらさきの色に心はあらねども深くぞ人を思ひそめつる(Albedo Gravitas、Kみかる みこ÷川島誠)@大久保ひかりのうま(2017年)
Psychedelic Speed Freaks/生悦住英夫氏追悼ライヴ@スーパーデラックス(2017年)
Kiyasu Orchestra Concert@阿佐ヶ谷天(2017年)
第三回天下一Buzz音会 -披露”演”- @大久保ひかりのうま(2017年)


臼井康浩+小宮勝昭『undulation』(JazzTokyo)

2024-07-08 00:44:46 | アヴァンギャルド・ジャズ

#2329 『臼井康浩+小宮勝昭/undulation』 – JazzTokyo

Yasuhiro Usui 臼井康浩 (guitar)
Katsuaki Komiya 小宮勝昭 (drums)

●臼井康浩
塚本真一+小宮勝昭、ROW(柳川芳命+臼井康浩+野々山玲子)@入谷なってるハウス(2023年)
『Impro × Groove』(JazzTokyo)(2023年)
ROW project@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2022年)

●小宮勝昭
塚本真一+小宮勝昭、ROW(柳川芳命+臼井康浩+野々山玲子)@入谷なってるハウス(2023年)
『Impro × Groove』(JazzTokyo)(2023年)


タツ青木のふたつの来日ギグ(JazzTokyo)

2024-07-08 00:39:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

#1312 タツ青木のふたつの来日ギグ – JazzTokyo

2024/5/26 なってるハウス
Tatsu Aoki タツ青木 (contrabass)
Keisuke Saito 斉藤圭祐 (alto saxophone)
Hikaru Yamada 山田光 (alto saxophone)
Raiga Hayashi 林頼我 (drums)

2024/6/7 晴れたら空に豆まいて
Yosuke Yamashita 山下洋輔 (piano)
Tatsu Aoki タツ青木 (contrabass, 三味線, 太鼓)
Takahiro Tomimatsu 戸松美貴博 (踊り)

●タツ青木
タツ青木さんへのインタビュー(JazzTokyo)(2023年)
東京の川遊び(2023年)
Encounter To Engage - featuring Tatsu Aoki, from Chicago@渋谷Li-Po(2023年)
「JazzTokyo」のNY特集(2017/9/30)
ニコール・ミッチェル『Mandorla Awakening II: Emerging Worlds』(2015年)

●山田光
「じゃフリージャズやろう」@神保町試聴室(2024年)
山田光+大藏雅彦+山㟁直人+遠藤ふみ+柳沢耕吉@水道橋Ftarri(2024年)
quintet@不動前Permian(2023年)
山田光+黒澤勇人『we oscillate!』(-2019年)
山田光+坂本光太@Ftarri(2019年)
即興的最前線@EFAG East Factory Art Gallery(JazzTokyo)(2018年)
this cat、山田光&ライブラリアンズ@Ftarri(2017年)
Sloth、ju sei+mmm@Ftarri(2017年)
山田光&ライブラリアンズ『the have-not's 2nd savannah band』(2016年)
『《《》》』(metsu)(2014年)

●斉藤圭祐
BORDERS vol.1@神保町試聴室(2024年)
渋さ知らズ@なってるハウス(2023年)
渋さチビズ@なってるハウス(2023年)

●林頼我
秋山徹次+林頼我+遠藤ふみ@水道橋Ftarri(2024年)
渋さ知らズ@なってるハウス(2023年)
大谷能生+高橋保行+阿部真武+林頼我@稲毛Candy(2023年)
纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
林ライガ vs. のなか悟空@なってるハウス(2017年)
森順治+高橋佑成+瀬尾高志+林ライガ@下北沢APOLLO(2016年)

●山下洋輔
森山威男3Days@新宿ピットイン(2017年)


水月+@荻窪Velvet Sun

2024-07-06 09:16:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

荻窪のVelvet Sun(2024/7/5)。

LUNA (vo)
Hiroaki Mizutani 水谷浩章 (b)
Tsubura Yoshida 吉田つぶら (tap)

三者三様、それぞれが音の立ち上がりや持続のありようを隠すことなくすべて提示する。完全生音という環境がこんなに気持ちいいとは。

Fuji X-E2, XF35mmF1.4

●水谷浩章
ONJQ@新宿ピットイン(2024年)
zekatsumaカルテット@新宿ピットイン(2023年)
松風鉱一インタビュー(JazzTokyo)(2022年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2022年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その2)
松風鉱一カルテット@西荻窪Clop Clop(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その1)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)●吉田つぶら
豊住芳三郎インタビュー(続編)(JazzTokyo)(2021年)
豊住芳三郎+照内央晴+吉田つぶら@山猫軒(2021年)
藤山裕子+照内央晴+吉田隆一+吉田つぶら@なってるハウス(2020年)


ことばと即興音楽の夕@月花舎・ハリ書房

2024-07-02 21:03:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

神保町の月花舎・ハリ書房(2024/6/30)。

Armen Nalbandian (p)
Jing Yi Teo (live essay)
MIYA (modular flute, 能管)
Yoshihiko Hogyoku 寳玉義彦 (poetry reading)
Guest: Hirokazu Yamaguchi 山口廣和 (g)

アルメン・ナルバンディアンとティオー・ジンイーによる「You Are The Clock」はピアノと即興でのエッセイとのデュオ。書かれたテキストを手元に持ちながら、あくまでそれは発話のきっかけのようだ。かつて地震のときに止まり10年後に動き出した時計のこと、演奏や即興の内なるプロセスのこと、さまざまなことばが流れ出て、ピアノもまたその流れとともにある。ナラティブな感覚もある。

そのままMIYAさんのモジュラー・フルートと寳玉さんのポエトリー・リーディングに移行する。書かれた詩を読むからといって、やはりその場・その時間の発話は予め固められたものではありえない。ここでは流れの相互作用というよりもふたりの多様な力によるサウンドの創出。重く衝撃を受けてしまうようなことばは意味でありながらサウンドでもあって、それがおもしろい。MIYAさんは寳玉さんの声さえも取り込んで別の世界線を描いてみせる。途中でギターの山口廣和さんがシットインし、まるで別の風景が広がったのも発見だった。

演奏後に自分がモデレーターとして入り、トークの時間。

英語と日本語との声調のちがいで表現は変わるのかという僕の問いに対して、アルメンさんの答えは「否」。MIYAさんは、たとえば英語と日本語をしゃべる齊藤さんは同じようにしかみえないが、自身はそうでないかもしれない、と(このあたり、最近別のところで話題にしていたこともあって興味深い)。

書かれたことばを読むことと即興とのちがいに関して、アルメンさんは、たとえば外の車の音やテーブルのグラスの音といった外的要因もあるし、もとより演奏や発話は「reproduce」することなのだと言い、ジンさんは「演奏することや話すことなどのヒエラルキーをいちど同じ地面に落としてみる」と言う。

会場から出た「演奏にあたっては時間の流れがあるのか」といった問いに対し、アルメンさんはやはり「否」、さまざまな時間のありようを説いた。そしてジンさんはミルフォード・グレイヴスを引用し、体内の時間の流れがあるから外部の時間のありようを認識できるのだといった指摘をした。

今回偶然にも両者が地震のことを発話したのだけれど、寳玉さんは、存在自体を揺るがすような事件であり表現が影響されるのは必然だといったことを口にした。だから、生命が脅かされた事件からさほどの時間が経っていないいま、これは偶然ではないのかもしれない。

そして最後に山口さんが「色についてどう思うか」との問い。アーティストならではかな。

Fuji X-E2, XF35mmF1.4, Leica Elmarit 90mmF2.8 (M)

●アルメン・ナルバンディアン
アルメン・ナルバンディアン+川口貴大+中村としまる@公園通りクラシックス(2024年)

●Miya
「月花舎 Miyaを語る」@神保町月花舎・ハリ書房(2024年)
MIYA+中村としまる@千駄木Bar Isshee(2024年)
そらの下、わらの家@公園通りクラシックス(2024年)
MIYA+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2024年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)

●寳玉義彦
「月花舎 Miyaを語る」@神保町月花舎・ハリ書房(2024年)
そらの下、わらの家@公園通りクラシックス(2024年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)