Sightsong

自縄自縛日記

吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス

2022-02-27 11:02:05 | アヴァンギャルド・ジャズ

渋谷の公園通りクラシックス(2022/2/23)。

Tatsuya Yoshida 吉田達也 (ds, voice)
Ayako Kanda 神田綾子 (voice)
Masayo Koketsu 纐纈雅代 (as)

Tatsuya Yoshida runs at full speed from beginning to end, in a similar way to his legendary band RUINS, but two other musicians are never shaken down from this monster drummer - or vice versa.

Ayako Kanda, second time to play with Yoshida, creates voice fragments from scratch, making them grow into various forms. Sometimes they sounded like anonymous words summoned from somewhere.

Saxophonist Masayo Koketsu probably suppressed explosive blow intentionally. Instead of that, she provided colorful sounds into the space, and made amazing arc gathering many elements she has scattered at the early stages.

吉田達也さんはルインズでのごとく最初から最後までともかくも爆走する。しかし共演するふたりが振り落とされることはない(その逆もいうことができる)。神田綾子さんは吉田さんと2度目の共演であり、ゼロからヴォイスのフラグメントを創り出し、それらをさまざまな形態に成長せしめてゆく。ときにどこかからの姿なき声のように思えた。纐纈雅代さんは意図的に爆発的なブロウを抑制しているように感じられたのだが、そのかわりに、多彩なサウンドを空間に持ち込む。序盤に撒いたそれらの要素を集めて音のアーチを創出したのはみごとだった。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8

●吉田達也
吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)
吉田達也+照内央晴@公園通りクラシックス(JazzTokyo)(2021年)
吉田達也+照内央晴@荻窪Velvet Sun(2020年)
Signals Down@落合soup(2019年)
邂逅、AMU、藤吉@吉祥寺MANDA-LA2(2019年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)
RUINS、MELT-BANANA、MN @小岩bushbash(2017年)
PAK『NYJPN』(-2014年)
一噌幸弘『幽玄実行』『物狂 モノグルイ』(JazzTokyo)(2011年)
早川岳晴『kowloon』(2002年)
デレク・ベイリー+ルインズ『Saisoro』(1994年)

●神田綾子
シェーン・ボーデン+神田綾子+Rohco@東北沢OTOOTO(2022年)
神田綾子+大澤香織+西嶋徹@大泉学園インエフ(2022年)
神田綾子+三上寛@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)
吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)
神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)
神田綾子+細井徳太郎+岡川怜央@水道橋Ftarri(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
柳川芳命+照内央晴+神田綾子@なってるハウス(2021年)
細田茂美+神田綾子@高円寺グッドマン(2021年)
神田綾子+真木大彰@Permian(2021年)
纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
神田綾子+纐纈雅代@下北沢No Room for Squares(2021年)
新年邪気祓いセッション@山猫軒(2021年)
マクイーン時田深山+神田綾子@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)(2020年)
岡田ヨシヒロ@池袋Flat Five(2020年)
神田綾子+森順治@横濱エアジン(JazzTokyo)(2020年)
神田綾子+北田学@渋谷Bar Subterraneans(動画配信)(2020年)

●纐纈雅代
纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)
山本達久+纐纈雅代@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+纐纈雅代@下北沢No Room for Squares(2021年)
沖縄電子少女彩+非常階段+纐纈雅代@小岩オルフェウス(2020年)
纐纈雅代+佐藤允彦+豊住芳三郎@新宿ピットイン(2020年)
酒井俊+纐纈雅代+永武幹子@本八幡cooljojo(2020年)
纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)
秘湯感@新宿ピットイン(2019年)
原田依幸+纐纈雅代@なってるハウス(2019年)
The Music of Anthony Braxton ~ アンソニー・ブラクストン勉強会&ライヴ@KAKULULU、公園通りクラシックス(JazzTokyo)(2019年)
【日米先鋭音楽家座談】ピーター・エヴァンスと東京ジャズミュージシャンズ(JazzTokyo)(2018年)
纐纈雅代@Bar Isshee(2018年)
纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年)
纐纈雅代@Bar Isshee(2016年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)
鈴木勲セッション@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
纐纈雅代 Band of Eden @新宿ピットイン(2013年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『秘宝感』(2010年)
鈴木勲 フィーチャリング 纐纈雅代『Solitude』(2008年)


マヤ・アンジェロウ『The Heart of a Woman』

2022-02-23 09:48:10 | 北米

2年くらい前にロサンゼルス近郊のウッドランドヒルズという町の古本屋で買った。ようやく読んだ。詩人・公民権運動家のマヤ・アンジェロウは自伝を7冊書いており(最初の2冊は邦訳されている)、この『The Heart of a Woman』は4冊目にあたる。

彼女は歌手としても活動し『Miss Calypso』を1957年に出しているのだが、この本はその頃から数年間のことを思い出して書かれている。そのような縁もあって、ツアーに来たビリー・ホリデイを自宅に呼ぶところから語りがはじまっていておもしろい。やっぱりビリーは精神のバランスを少し崩していたようでマヤの息子につらくあたり、母子の心にも傷を与えた。ビリーのことでもあり、書くことにもためらいがあったかもしれない。

それにしても公民権運動の時代、エピソードになまなましさがある。キング牧師にどっしりとした貫禄があったことも、マルコムXの発言がつねに自分の身を切って相手と向かい合うものであったことも。マルコムXいわく、「Every person under the sound of my voice is a soldier. You are either fighting for your freedom or betraying the fight for freedom or enlisted in the army to deny somebody else's freedom」。

音楽家たちも運動の前面に出て関わっていた。「Harry Belafonte and Miriam Makeba were performing fund-raising concerts for the freedom struggle. Max and Abbey traveled around the country doing their "Freedom Now Suite"」。ところでそのミリアム・マケバは60年代後半にハーレムに住みジャズミュージシャンたちと交流していた。もしかしたらアルバート・アイラーとも互いに知る仲だったのかもしれないと思い、去年出版された『AA 五十年後のアルバート・アイラー』に書いたのだけれど、まだそのことは判明しない。

本の後半では、マヤがアフリカ出身の人と再婚してからの生活が描かれている。結婚当初は「チキンキエフ、フェイジョアーダ、エッグベネディクト、ターキーのテトラッツィーニ」(テトラッツィーニってはじめて知った)なんかを作って愉しそうなのに、一緒にカイロに移り住んでからの摩擦は消耗するようで、読んでいてつらい。最後に自分を取り戻すところも嬉しくはあるけれどつらい。ここまで自分をさらけ出すからいまも支持されているのだろうけれど。

マヤ・アンジェロウは最近25セント硬貨のデザインになったそうで、ちょっと欲しい。

●マヤ・アンジェロウ
マヤ・アンジェロウ『私の旅に荷物はもういらない』(1993年)
金成隆一『記者、ラストベルトに住む』(2018年)
デイヴ・ホランド『Dream of the Elders』(1995年)


『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』@目黒区美術館

2022-02-20 14:19:30 | 写真

目黒区美術館の『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』展。木村伊兵衛が1954、55年にパリに取材旅行したときの作品群であり、眼が悦ぶ。異邦人としてパリの重みにやられてしまったのかなと思える写真も無くはないが、雑踏で近くの人を捉えたショットなんてさすが木村伊兵衛。

同時期の勅使河原宏によるドキュメンタリー映画『十二人の写真家』にも木村が登場し、(本当に)笑ってしまうほどの早わざでスナップを撮る驚異の場面があったことを覚えている。しかしパリの写真には出たばかりの富士フイルムのカラーリバーサルが使われていて、なんとASA(ISO)10。日本国内のように瞬速で撮影できなかったかもしれないし、実際、写真をじろじろ見ると手ブレも被写体ブレも結構ある。夕方なんてわりと明るくても8分の1くらいだったんじゃないかしら。(とは言え、木村の白黒写真だってそれなりにピンボケもブレもある。)

カメラは1954年に発売された直後のライカM3。室内にはなぜか濱谷浩の使っていたブラックペイントモデルが展示してあり(ズミルックス50mmF1.4)、木村もブラックを使っていたと書かれている。しかしパリでの木村を撮ったアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真を見ると木村は首からシルバーのM3をぶらさげているし、そのブレッソンが目立たぬようM3に黒いパーマセルテープを貼っているのに配慮してライツがブラックのM3を提供したはずだから、やっぱり木村はパリでシルバーのM3を使ったのだろうと思う。 そんなわけで久しぶりにM3のシャッターを切ってみたら異常なほど快感。しばらくフィルムを通していないしまた使おう。

●木村伊兵衛
勅使河原宏『十二人の写真家』(1955年)


シェーン・ボーデン+神田綾子+Rohco@東北沢OTOOTO

2022-02-19 09:25:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

東北沢のOTOOTO(2022/2/18)。

Shayne Bowden (electronics)
Ayako Kanda 神田綾子 (voice)
Rohco (electronics)

ヴォイスとエレクトロニクスふたり、「こんな感じだろう」と事前に想像してもしかたがない。そして手練れの三者による即興はまったくクリシェに陥ることなく、時々刻々と変わってゆくものだった。

はじまりは、シェーンさんが下から濁りを絶えず供給し、Rohcoさんが濁りの雲に電気の刺激を与える。暗い洞窟内で何かが見えてくるようなあんばい、そこに暗がりから神田さんが浮かび上がってきた。Rohcoさんが持ちこんだサンプリングヴォイスは静かに野蛮で驚いたのだが、それに重なる神田さんのヴォイスはまるで楳図かずおの少女のようにあまりにも無防備でさらに驚いた。エレクトロニクスにヴォイスが呼応するかたちだが、やがて、持続するヴォイスに逆にシェーンさん、Rohcoさんがそれぞれ呼応する展開があった。相互のコミュニケーションが表に出てきたことを見て取ることができた。暗い洞窟の内壁には次第に色があらわれ、『2001』のボーマンの旅を想起した。

セカンドセットは、既に気心が知れたかのような三者の遊び。Rohcoさんが使った「Micro Garden」は箱から金属弦の草が生えているような楽器であり、彼女はそれを弓で弾いたりむんずとつかんだりして物語を呟くよう。シェーンさんの動きにも静かに熱が加わっている。たぶん三者とも笑いをこらえながら躍っていただろう。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●神田綾子
神田綾子+大澤香織+西嶋徹@大泉学園インエフ(2022年)
神田綾子+三上寛@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)
吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)
神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)
神田綾子+細井徳太郎+岡川怜央@水道橋Ftarri(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
柳川芳命+照内央晴+神田綾子@なってるハウス(2021年)
細田茂美+神田綾子@高円寺グッドマン(2021年)
神田綾子+真木大彰@Permian(2021年)
纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
神田綾子+纐纈雅代@下北沢No Room for Squares(2021年)
新年邪気祓いセッション@山猫軒(2021年)
マクイーン時田深山+神田綾子@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)(2020年)
岡田ヨシヒロ@池袋Flat Five(2020年)
神田綾子+森順治@横濱エアジン(JazzTokyo)(2020年)
神田綾子+北田学@渋谷Bar Subterraneans(動画配信)(2020年)


本藤美咲+岡千穂@Ftarri

2022-02-14 00:19:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2022/2/13)。

Misaki Motofuji 本藤美咲 (bs)
Chiho Oka 岡千穂 (laptop)

バリトンサックスの静かな共鳴からはじまり、両者が音の紙を重ねるようにしてサウンドが多層的になってゆく。本藤さんはびりびりと震える低音を増幅したりフラジオでの高音を素材として提示したり、バリトンサックスならではのマージナルな音領域を意図的に拡張させた。岡さんはサウンド全体を整地させたり掘り返したり。サックスが常に「わたし」の策動だとすると、岡さんのラップトップは「わたし」がそっぽを向いてサウンドに自律性や匿名性を与えているように思えた。終盤のバリトンサックスはまるでビバップのフロッタージュのようでおもしろい。セカンドセットはサンプリングされた自然音などに事件を次々に足してゆくようなあんばい。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、Pentax FA77mmF1.9

●本藤美咲
本藤美咲+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)
照内央晴+柳沢耕吉+あきおジェイムス+本藤美咲@なってるハウス(2021年)


落穂の雨@稲毛Candy(JazzTokyo)

2022-02-06 21:50:41 | アヴァンギャルド・ジャズ

稲毛のJazz Spot Candy(2022/1/29)。『JazzTokyo』にレビューを寄稿した。

>> #1193 落穂の雨 – JazzTokyo

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、Rollei Sonnar 85mmF2.8 (M42)

落穂の雨:
Makoto Kawashima 川島誠 (alto saxophone)
Louis Inage ルイス稲毛 (bass)
Naoto Yamagishi 山㟁直人 (percussion)

●川島誠
福岡林嗣+ルイス稲毛+川島誠@高円寺Fourth Floor II(2022年)
大友良英+川島誠『DUO』(Jazz Right Now)(2021年)
大友良英+川島誠@山猫軒(2021年)
川島誠+クリスティアン・メオス・スヴェンセン@東北沢OTOOTO(2019年)
ピーター・コロヴォス+川島誠+内田静男+山㟁直人+橋本孝之@千駄木Bar Isshee(2019年)
『今・ここ・私。ドイツ×日本 2019/即興パフォーマンス in いずるば』(2019年)
川島誠インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
徹さんとすごす会 -齋藤徹のメメント・モリ-(2019年)
マーティン・エスカランテ、川島誠、UH@千駄木Bar Isshee(2019年)
川島誠@白楽Bitches Brew(2019年)
タリバム!featuring 川島誠&KみかるMICO『Live in Japan / Cell Phone Bootleg』(2019年)
フローリアン・ヴァルター+直江実樹+橋本孝之+川島誠@東北沢OTOOTO(2018年)
照内央晴+川島誠@山猫軒(2018年)
川島誠+齋藤徹@バーバー富士(JazzTokyo)(2018年)
2017年ベスト(JazzTokyo)
川島誠@川越駅陸橋(2017年)
むらさきの色に心はあらねども深くぞ人を思ひそめつる(Albedo Gravitas、Kみかる みこ÷川島誠)@大久保ひかりのうま(2017年)
#167 【日米先鋭音楽家対談】クリス・ピッツィオコス×美川俊治×橋本孝之×川島誠(2017年)
川島誠『Dialogue』(JazzTokyo)(2017年)
Psychedelic Speed Freaks/生悦住英夫氏追悼ライヴ@スーパーデラックス(2017年)
川島誠『you also here』(2016-18年)
川島誠+西沢直人『浜千鳥』(-2016年)
川島誠『HOMOSACER』(-2015年) 

●ルイス稲毛
福岡林嗣+ルイス稲毛+川島誠@高円寺Fourth Floor II(2022年)

●山㟁直人
新年邪気祓いセッション@山猫軒(2021年)
アンドレ・ヴァン・レンズバーグ+石川高+山㟁直人@喫茶茶会記(2020年)
ピーター・コロヴォス+川島誠+内田静男+山㟁直人+橋本孝之@千駄木Bar Isshee(2019年)
アレクサンダー・ホルム、クリス・シールズ、クラウス・ハクスホルムとのセッション@Permian(2019年)
池田陽子+山㟁直人+ダレン・ムーア、安藤暁彦@Ftarri
(2018年)


ブライアン・アレン『Almanac』(JazzTokyo)

2022-02-06 21:48:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブライアン・アレン『Almanac』(-2021年)のレビューを『JazzTokyo』に寄稿した。

>> #2154 『ブライアン・アレン/Almanac』 – JazzTokyo

Brian Allen (trombone, voice, synth, keyboard, melodica, drums, percussion, art, edit and everything) with Mark Aanderud, Eduardo Alcayaga, Simon Allen, Dave Ballou, Melissa Biggs, Brainkiller, Brian Casey, Royce Chambers, Brad Clymer, Corey Fogel, Michael Formanek, Guadalupe Galván, Tom Kessler, Gen & Rika, Jacob Koller, Miriam Leo, Dominique Leone, Natalia Pérez, Gabriel Puentes, Roswell Rudd, Akira Saito, Jorge Servín, Sumudi Suraweera, Carolyn Swan, Agnes Tandler, Dave Treut, Dave Wayne, Mark Weaver, Hearty White & more

●ブライアン・アレン
ブライアン・アレン+広瀬淳二+ダレン・ムーア@Ftarri(2018年)


ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー『Open Question Vol. 1』(JazzTokyo)

2022-02-06 21:41:24 | アヴァンギャルド・ジャズ

『JazzTokyo』に、ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー『Open Question Vol. 1』(557 Records、2020年)のレビューを寄稿した。

>> #2155 『ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー/Open Question Vol. 1』

Daniel Carter (trumpet, flute, clarinet, soprano, alto, tenor sax)
Ayumi Ishito 石当あゆみ (tenor sax/fx)
Eric Plaks (piano, Wurlitzer)
Zach Swanson (acoustic bass)
Jon Panikkar (drums)

●ダニエル・カーター
アーロン・ネイムンワース+ダニエル・カーター+ジョー・ヘルテンシュタイン+ザック・スワンソン『Live at the Bushwick Series』(2018年)
ダニエル・カーター+ウィリアム・パーカー+マシュー・シップ『Seraphic Light』(JazzTokyo)(2017年)
マシュー・シップ『Not Bound』(2016年)
トッド・ニコルソン+ニューマン・テイラー・ベイカー+ダニエル・カーター@6BC Garden(2015年)
ダニエル・カーター『The Dream』、ウィリアム・パーカー『Fractured Dimensions』(2006、03年)
『TEST』(1998年)

●石当あゆみ
ストロング・スイマーズ『Beneath My Fingernails / Swing + A Miss』(JazzTokyo)(-2021年)

●エリック・プラクス
アーロン・ネイムンワース+エリック・プラクス+ショーン・コンリー+ジョン・パニカー『Hurricane』(2018年)
Bushwick improvised Music series @ Bushwick Public House(2017年)
エリック・プラクス『Sun and Shadow』(2016年)

●ザック・スワンソン
アーロン・ネイムンワース+エリック・プラクス+ショーン・コンリー+ジョン・パニカー『Hurricane』(2018年)

●ジョン・パニカー
アーロン・ネイムンワース+エリック・プラクス+ショーン・コンリー+ジョン・パニカー『Hurricane』(2018年)
Bushwick improvised Music series @ Bushwick Public House(2017年)


『生誕110年・香月泰男展』@練馬区立美術館

2022-02-06 21:04:41 | 中国・四国

練馬区立美術館に足を運び、「生誕110年・香月泰男展」を鑑賞。

「シベリア・シリーズ」は、中学生のときに山口県立美術館ではじめて接していらい繰り返し観ているのだけれど、そのたびに発見がある。

土を固めたようなマチエールは、ヨーロッパの石の文化から触発されたものでもあったのだなと実感する。そして過酷な抑留体験を終わらせるためだった「シベリア・シリーズ」に香月自身が塗りこめられてしまい、脱却のかわりに成熟をもたらした。

2016年に平塚市美術館で開かれた「香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治」展には行くことができず、図録をあとで手に入れた。たしかに表面のディテールが切実な意味を持ったという点で、この4人に共通するところがある。図録には映画監督の小栗康平が次のように書いていて、あらためて共感した。

「世界を変形して受け止めざるを得ないほどの精神の歪み、受苦があってそれが発露する。香月の抽象は、そうした臆した時間を費やしている。それが香月のよさだ。」

●香月泰男
『香月泰男・追憶のシベリア』展(2011年)
工藤敏樹『祈りの画譜 もう一つの日本』(1972年)
高松市美術館、うどん