Sightsong

自縄自縛日記

おーたかずお+神田綾子@大阪堺筋本町ミュージックスポット satone(聰音)

2022-11-30 20:35:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

大阪堺筋本町ミュージックスポット satone(聰音)の配信(2022/11/27)。

Kazuo Ota おーたかずお (p)
Ayako Kanda 神田綾子 (vo, voice)

暗い中、目で合図し、バラッドの世界に引き入れるようにおーたかずおさんが鍵盤を弾き始めるときの時間の作り方にいきなりぐっとくる。うたの合間に自分のリズムで揺れるようにして、少しずつ静かに出してゆく和音の細やかさもいい。最初からベースラインで既成のレールを設定するような、野暮なことはしない。腹の底からのうたはピアノで下から支えているし、スキャットへの当意即妙の呼応も、ロマンチックなうたにスノードームのように音のかけらをまとわりつかせる芸もさすが。「歌伴」でもあり、同時にピアノが主役でもあり、一様ではないからずっと没入して聴いていられる。

一方のヴォーカルも中盤になるとためらうことなく声を伸ばす。こうなると語りとうたとが同じことを意味しているようで、聴いていて嬉しくなってしまう。歌い手も相性の良さのためか歓喜の表情、ピアニストのほうを向いてふたたび信頼の破顔一笑。ガードを緩めて流すのもまた粋でたのしい。

セカンドセットは「B面」のインプロ。神田綾子さんが繰り出す囁きや擦れ音やうなりや彼岸から届く音は「A面」とがらりと変わり、あらためて惹き込まれる。それとは対照的に、おーたさんがピアノを弾くスタンスはあくまで「A面」と同じように見えることも大きな驚きだ。そして「A面」があったからこそのふたりの間合いか、互いの仕掛けが自然なものにしか聴こえない。おのおののなすべき作業のようでもあり、コミュニケーションでもあり、それが同義語となっていた。終盤などインプロなのにまるで映画音楽のようでみごと。長い旅のあとの気分だ(と感じていたら、おーたさんも「壮大な旅のようでしたね」と)。12/4(日)までアーカイブ視聴可能とのこと。

11/27(日)昼 13:30〜 神田 綾子 おーた かずお DUO SATONE 生配信ライブ in大阪 - パスマーケット (yahoo.co.jp)

●神田綾子
吉田達也+神田綾子+加藤一平@中野坂上Aja(2022年)
MMBトリオ with 神田綾子・ルイス稲毛/林栄一@なってるハウス、cooljojo(JazzTokyo)(2022年)
神田綾子+大澤香織+西嶋徹@大泉学園インエフ(2022年)
カール・ストーン+吉田達也+神田綾子 with 小林径@落合Soup(JazzTokyo)(2022年)
米澤一平+神田綾子@日本橋Double Tall Art & Espresso Bar(2022年)
吉田達也+加藤崇之+神田綾子@公園通りクラシックス(2022年)
神田綾子+ルイス稲毛@東北沢OTOOTO(2022年)
日本天狗党と時岡秀雄そして神田綾子@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2022年)
吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス(2022年)
シェーン・ボーデン+神田綾子+Rohco@東北沢OTOOTO(2022年)
神田綾子+大澤香織+西嶋徹@大泉学園インエフ(2022年)
神田綾子+三上寛@なってるハウス(JazzTokyo)(2021年)
吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)
神田綾子+矢部優子+遠藤ふみ@大泉学園インエフ(2021年)
神田綾子+細井徳太郎+岡川怜央@水道橋Ftarri(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
柳川芳命+照内央晴+神田綾子@なってるハウス(2021年)
細田茂美+神田綾子@高円寺グッドマン(2021年)
神田綾子+真木大彰@Permian(2021年)
纐纈雅代+神田綾子@六本木Electrik神社(JazzTokyo)(2021年)
神田綾子+加藤崇之@下北沢No Room for Squares(2021年)
神田綾子+纐纈雅代@下北沢No Room for Squares(2021年)
新年邪気祓いセッション@山猫軒(2021年)
マクイーン時田深山+神田綾子@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)(2020年)
岡田ヨシヒロ@池袋Flat Five(2020年)
神田綾子+森順治@横濱エアジン(JazzTokyo)(2020年)
神田綾子+北田学@渋谷Bar Subterraneans(動画配信)(2020年)


川口義之+不破大輔+山口コーイチ+岡村太+高橋保行@なってるハウス

2022-11-29 00:51:39 | アヴァンギャルド・ジャズ

入谷のなってるハウス(2022/11/28)。

Yoshiyuki Kawaguchi 川口義之 (as, ss)
Daisuke Fuwa 不破大輔 (b)
Koichi Yamaguchi 山口コーイチ (p)
Futoshi Okamura 岡村太 (ds)
Yasuyuki Takahashi 高橋保行 (tb)

ボンネットバス(演奏後「ラウンジジャズ」とか言って笑っていた)、きよらかな賛美(草間彌生がタイトルを付けたとか)、羊どろぼう、城下かれい、三日月町のクリスマス。アップ・オン・ア・ムーンヒル、眠る女・縄文人の落とし物(映画音楽)、ピーチウェルパークの長い季節、黒いチョッキの男。もう良い曲ばかりである。

川口さんのアルトはときに情そのもののように濁り、カーヴドソプラノは楽器の魅力というのか逸脱気味で、それが不思議にトロンボーンと相性が良い。不連続を連続にするようなシームレスなピアノも、ばしんばしんと叩き攻めるドラムスも、もちろん柔に剛に音楽を駆動するコントラバスも、嬉しい音の世界。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4, 7Artisans 12mmF2.8

●川口義之
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)

●不破大輔
石渡岬+不破大輔@千駄木Bar Isshee(2022年)
不破ワークス@なってるハウス(2020年)
加藤崇之+不破大輔+藤掛正隆+元晴@荻窪ルースターノースサイド(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
渋さチビズ@なってるハウス(2019年)
青山健一展「ペタペタ」とThe Space Baa@EARTH+GALLERY(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
立花秀輝+不破大輔@Bar Isshee(2015年)
不破大輔@東京琉球館(2015年)
山口コーイチ『愛しあうことだけはやめられない』(2009-10年)
高木元輝の最後の歌(2000年)
2000年4月21日、高木元輝+不破大輔+小山彰太(2000年)
『RAdIO』(1996, 99年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
フェダイン『ファースト』『ジョイント』(JazzTokyo)(1990、1993年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年)

●山口コーイチ
不破ワークス@なってるハウス(2020年)
シワブキ@なってるハウス(2019年)
渋さチビズ@なってるハウス(2019年)
ヴァネッサ・ブレイ+山口コーイチ@サラヴァ東京(2018年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
AAS@なってるハウス(2016年)
山口コーイチ『愛しあうことだけはやめられない』(2009-10年)

●岡村太
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)

●高橋保行
電気スライム@なってるハウス(2020年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)


音楽詩劇研究所・ユーラシアンオペラ2022「A Night The Sky was Full of Crazy Stars」@SHIBAURA HOUSE

2022-11-28 23:31:35 | アヴァンギャルド・ジャズ

田町のSHIBAURA HOUSE(2022/11/26)。

出演:ジー・ミナ(歌) エリ・リャオ(歌)
演奏:松本ちはや(マリンバ、打楽器) 熊坂路得子(アコーディオン)任炅娥(チェロ) 小沢あき(ギター)河崎純(コントラバス)
三浦宏予(ダンス) 亞弥(舞踏) 吉松章(舞、謡)坪井聡志(歌)

エリ・リャオさんによる台湾原住民のうた、ジー・ミナさんによる韓国のパンソリ、埼玉県のクルド人の方々による映像を通じたうた、日本語のうた。言葉の意味は必ずしもわからなくとも、身をゆだねていると哀しみも喜びも共有できる感覚がある。イノチへの限りない愛情というべきか。街路から見える、開かれた空間だからなおさらだ。

中国東北地方に生まれ日本への留学中に獄死した詩人・尹東柱の詩がスクリーンに投影される。「オモニ」と目で認識したあとにジーさんが「オモニ」と発声するところでは、驚きで思わず声を出してしまった。

「星ひとつに追憶と/星ひとつに愛と/星ひとつにわびしさと/星ひとつに憧れと/星ひとつに詩と/星ひとつにオモニ、オモニ」

濁りが素敵にエモーショナルな熊坂路得子さんのアコーディオンも、尹東柱が故郷を想って表現した星のような松本ちはやさんの打楽器も、うたでありことばだった。

ところで、尹は次のようにも書いている。恥の感覚、それでも表出せざるを得ないという感覚。このステージでも表出にさまざまな感情がちりばめられており、どの瞬間にもなにか異なるものを見出すことができた。

「人生は生きがたいものだというのに/詩がこれほどもたやすく書けるのは/恥ずかしいことだ。」

Fuji X-E2, XF60mmF2.4, 7Artisans 12mmF2.8

●河崎純
エリ・リャオ+河崎純~台湾歌@ココシバ(2022年)
河崎純 feat. ジー・ミナ『HOMELANDS – Eurasian Poetic Drama –』(JazzTokyo)(2018年-)
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)


西口明宏+デイヴィッド・ブライアント+粟谷巧@下北沢No Room for Squares

2022-11-26 22:37:00 | アヴァンギャルド・ジャズ

下北沢のNo Room for Squares(2022/11/26)。

Akihiro Nishiguchi 西口明宏 (ss, ts)
David Bryant (p)
Takumi Awaya 粟谷巧 (b)
Tomoaki Baba 馬場智章 (ts)(※アンコールのみシットイン)

このサックス奏者のことは気になりつつ観る機会がなかった。デイヴィッドもしばらくご無沙汰。そして先日サックスの江澤茜さんから凄いと聞いた粟谷巧さん。そんなわけで時間も空いたしいそいそと足を運んだ。

西口さんはソプラノサックスだけを吹いた(アンコールではテナー)。エネルギーに満ちているのに中庸の音域で力強く制御されており、もはやソプラノの快楽。これはカッコいい。攻めては潔く引くところもいい。デイヴィッドの和音は相変わらず繊細に千変万化する。コルトレーンの<Central Park West>ではあまりのすばらしさに金縛りにあったように聴いた。そして涼しい顔で柔らかくも強くもリズムを創り出す粟谷さん。

アンコールではマッコイ・タイナーの<Passion Dance>をテナー2本で。馬場さんのフレーズはハロルド・ランドを思わせるというのか、決して折れることなくもりもりと形を積み重ねていくようで、これもまた快感だった。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4

●デイヴィッド・ブライアント
曽根麻央+デイヴィッド・ブライアント@六本木サテンドール(2020年)
デイヴィッド・ブライアント@Body & Soul(2020年)
ジーン・ジャクソン@赤坂Crawfish(2019年)
レイモンド・マクモーリン@六本木Satin Doll(2019年)
ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU(2019年)
マリア・グランド『Magdalena』(2018年)
ルイ・ヘイズ@Cotton Club(2017年)
エイブラハム・バートン・カルテットとアフターアワーズ・ジャムセッション@Smalls(2017年)
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
マリア・グランド『Tetrawind』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)


関根敏行+藤田耕平@行徳ホットハウス

2022-11-26 07:26:49 | アヴァンギャルド・ジャズ

行徳のホットハウス(2022/11/25)。

Toshiyuki Sekine 関根敏行 (p)
Kohei Sekine 藤田耕平 (b)

Parisian Throughfare、The Night Has A Thousand Eyes、I'll Keep Loving You、Golden Earings(お店のフェイヴァリットだということで)、オリジナルのBlues Always、Cleopatra's Dream、Batida Differente(Cannonball's Bossa Nova収録曲)、'Round Midnight、Star Eyes、Temperance(ウィントン・ケリー)、Fallen Leaves、Shadow of Your Smile。

関根さんのピアノを聴きたいと思っていたので駆けつけた。一音一音が粒だっていてすばらしかった。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4


オペラ曽根崎心中、馬のモツ煮込み

2022-11-26 07:13:53 | アート・映画
昨日は東京文化会館で『オペラ曽根崎心中』。久しぶりに聴くクラシックのアルトサックスの響きが新鮮で、それが箏と音を重ねることがまた嬉しい音楽体験。そして後半のオペラはなかなか圧倒的で、バリトンの竹沢嘉明さんのコミカルでも深くもある声も、お招きくださった田中悠美子さんの三味線の抑制されドラマに寄り添うありようも、実にすばらしかった。
予備知識がなかったのだけれど、作曲の入野義朗は現代音楽にもジャズにも越境を試み、またアジアの音楽を方法論として取り入れようとしていた人で興味津々。
終演後にアメ横の大統領でモツ煮込みを食べたところ馬のモツ、独特のくにゅくにゅとした食感で美味しい。馬肉喰いもモツ喰いもアジアの歴史と関わっているわけで、そして場所は上野。どこにでも入口はある。ところで一之江の古い居酒屋カネスでもずっと馬のモツ煮込みを出しているけれど、東京でもそんなに数は多くないのではないのかな。
 
 

土井善晴さんと中島岳志さんの対談本・続編『ええかげん論』

2022-11-15 20:57:54 | 食べ物飲み物

『料理と利他』(ミシマ社、2020年)も刺激的だったけれど続編の『ええかげん論』(ミシマ社、2022年)もおもしろい。自然に受け止められるようになったのは土井先生の考えに馴染んできたからかな。「ええかげん」とは相手との関係で動きを決められるようにしておこうという思想。相手とは一緒に食事をする人であったり食材であったり。自分もゆるやかに自由になれるかもしれない。

 


瀬尾高志+広瀬淳二+高橋佑成+秋元修@神保町試聴室

2022-11-14 23:46:34 | アヴァンギャルド・ジャズ

神保町試聴室(2022/11/14)。

Takashi Seo 瀬尾高志 (b)
Junji Hirose 広瀬淳二 (ts)
Yuseki Takahashi 高橋佑成 (p, syn)
Osamu Akimoto 秋元修 (ds)

あまりにも太い流れとして広瀬さんと瀬尾さんの音があって、それに伍する力をもつものとして、秋元さんが熱を放出し、高橋さんが強くも煌びやかでもある色を散りばめる。濁流が流れ去ったあとの美しさといったら。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, XF60mmF2.4

瀬尾高志
The Bass Collective meets Jean & Bénédicte@山猫軒(2022年)
酒井俊+瀬尾高志+須川崇志+市野元彦@稲毛Candy(JazzTokyo)(2022年)
石田幹雄トリオ@稲毛Candy(2020年)
瀬尾高志+松丸契+竹村一哲+高橋佑成@公園通りクラシックス(2020年)
ベースアンサンブル ~ Travessia de Tetsu ~@横濱エアジン(2019年)
李世揚+瀬尾高志+かみむら泰一+田嶋真佐雄@下北沢Apollo(2019年)
李世揚+瀬尾高志+細井徳太郎+レオナ@神保町試聴室(2019年)
謝明諺+高橋佑成+細井徳太郎+瀬尾高志@下北沢Apollo(2019年)
伊藤志宏+瀬尾高志@稲毛Candy(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)

●広瀬淳二
内橋和久+広瀬淳二@千駄木Bar Isshee(2022年)
広瀬淳二+あきおジェイムス+増渕顕史@不動前Permian(2022年)
815展でのパフォーマンス(広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2020年)
広瀬淳二+カル・ライアル+クリスティアン・メオス・スヴェンセン+ダレン・ムーア@下北沢Apollo(2020年)
815展でのパフォーマンス(矢部優子、広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2019年)
広瀬淳二+さがゆき@なってるハウス(2019年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
広瀬淳二『No-Instrument Air Noise』(2017年)
ブライアン・アレン+広瀬淳二+ダレン・ムーア@Ftarri(2018年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)
広瀬淳二+今井和雄@なってるハウス(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
広瀬淳二『SSI-5』(2014年)
広瀬淳二+大沼志朗@七針(2012年)
広瀬淳二『the elements』(2009-10年)

●高橋佑成
瀬尾高志+松丸契+竹村一哲+高橋佑成@公園通りクラシックス(2020年)
秘密基地『ぽつねん』(2019年)
秘密基地@東北沢OTOOTO(2019年)
謝明諺+高橋佑成+細井徳太郎+瀬尾高志@下北沢Apollo(2019年)
森順治+高橋佑成+瀬尾高志+林ライガ@下北沢APOLLO
(2016年)


高島鈴『布団の中から蜂起せよ』

2022-11-13 16:15:38 | 思想・文学

高島鈴『布団の中から蜂起せよ』(人文書院、2022年)。

共感しつつも速読してしまうのはこちらが緊急事態ではないからだろうな。けれどもいくつか犬耳を折る箇所があった。

アボリジニの語りを通じて「正史」にのみ陥らないあり方を説いた名著、保苅実『ラディカル・オーラル・ヒストリー』を引きつつ、「視線の再魔術化」が可能ではないかとする問いかけ。なるほど、たしかにドゥルーズ=ガタリふうにいえば新しい「数列」を絶えず創出すること、権力の網から絶えず逃れようとすること。

「山口県から青森県までの徒歩経路を表示したマップ」を前にゴジラと化すのではなく、対象を定めてエネルギーを使わなければならないこと。

「私の時間は私のものだ。抵抗しなくては。できうる限り現実的に。」


小杉敏+森田潔+江澤茜@行徳ホットハウス

2022-11-13 09:04:57 | アヴァンギャルド・ジャズ

行徳のホットハウス(2022/11/12)。

Satoshi Kosugi 小杉敏 (b)
Kiyoshi Morita 森田潔 (p)
Akane Ezawa 江澤茜 (as)

レギュラーベーシストの小杉さんが新しいふたりを連れてきた形。

Melancholy Baby、Stolen Moments、Body and Soul、What is the Thing Called Love?、Along Came Betty、I Should Care、Darn That Dream、Strollin'、There is No Greater Love。

小杉さんのベースはいつも気持ちよく歌うことを忘れない。堅実に聴こえた森田さんだが、スタンダードと言われてしばらく悩み弾き始めた<I Should Care>のイントロは情感たっぷりだった。そして江澤さんのアルトは、太くて丸い音色で、のってくると速いフレーズで攻め、いつも騒がしいお店の常連が黙って聴いていた。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4

●小杉敏
伊勢秀一郎+吉田桂一+小杉敏@行徳ホットハウス(2022年)
澤田一範+松井節子+小杉敏+渡辺文男@行徳ホットハウス(2019年)
安保徹+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2019年)
澤田一範+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2019年)
中村誠一+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス
(2018年)


TRY ANGLE/安田芙充央+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス

2022-11-12 09:31:48 | アヴァンギャルド・ジャズ

入谷のなってるハウス(2022/11/11)。

Fumio Yasuda 安田芙充央 (p)
Nobuyoshi Ino 井野信義 (b)
Hiroshi Yamazaki 山崎比呂志 (ds)

手練れの3人による音の饗宴。井野さんのコントラバスは香り高く、ここでしかないという領域にあって、聴くたびに感嘆させられる。山崎さんの迷いのないダッシュも、安田さんが衒いなく次々に紡ぎ出す流れもすばらしい。セカンドセットでは「これでどう?」とばかりに仕掛けるのは安田さん、それに対して歓喜の表情で応じるふたり。こちらもウフフと笑いながら聴くほかない。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, XF60mmF2.4

●山崎比呂志
TRY ANGLE/松丸契+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)
TRY ANGLE/大友良英+川島誠+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)
TRY ANGLE/原田依幸+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス(2019年)
山崎比呂志+レイモンド・マクモーリン+井野信義@なってるハウス(2019年)
ニュージャズホールって何だ?@新宿ピットイン(2018年)
レイモンド・マクモーリン+山崎比呂志@なってるハウス(2017年)
レイモンド・マクモーリン+山崎比呂志@なってるハウス(2017年)
山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン(2017年)
阿部薫+山崎弘『Jazz Bed』(1971年)

●井野信義
TRY ANGLE/松丸契+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+安田芙充央+井野信義@稲毛Candy(2020年)
TRY ANGLE/原田依幸+井野信義+山崎比呂志@なってるハウス(2019年)
山崎比呂志+レイモンド・マクモーリン+井野信義@なってるハウス(2019年)
藤原大輔『Comala』(2018年)
Poem of a Cell Sound / Film Installation & Concert in Tokyo@ドイツ文化センター(2018年)
ニュージャズホールって何だ?@新宿ピットイン(2018年)
安田芙充央『Forest』(2015-16年)
峰厚介『Plays Standards』(2008年)
アクセル・ドゥナー + 今井和雄 + 井野信義 + 田中徳崇 『rostbeständige Zeit』
(2008年)
井野信義『干反る音』(2005年)
沖至+井野信義+崔善培『KAMI FUSEN』(1996年)
高瀬アキ『Oriental Express』(1994年)
内田修ジャズコレクション『高柳昌行』(1981-91年)
内田修ジャズコレクション『宮沢昭』(1976-87年)
日野元彦『Flash』(1977年)
森剣治『Plays the Bird』(1976年)

●安田芙充央
ヨアヒム・バーデンホルスト+安田芙充央+井野信義@稲毛Candy(2020年)
Poem of a Cell Sound / Film Installation & Concert in Tokyo@ドイツ文化センター(2018年)
安田芙充央『Erik Satie / Musique D'Entracte』(2016年)
安田芙充央『Forest』(2015-16年)


ポール・ベンジャミン『スクイズ・プレー』

2022-11-11 23:41:30 | 北米

ポール・ベンジャミン『スクイズ・プレー』(新潮文庫、原著1982年)。

ポール・オースターはずいぶん好きで、『リヴァイアサン』あたりからは邦訳を待ちきれず先に原書を読んできた(最新作の『4 3 2 1』は分厚くて諦めた)。けれどもNY三部作より前の作品があったなんて知らなかった。それがポール・ベンジャミン名義のハードボイルド『スクイズ・プレー』で、たしかに、どこかとどこかがつなぎあわされて運命的な結節点となる語りはオースター的。野球への憧れもまたオースター的。ミッキー・スピレインのような洒落た減らず口もたのしくて、真似したくてもできないところがまたいい。

●ポール・オースター
ポール・オースター+J・M・クッツェー『ヒア・アンド・ナウ 往復書簡2008-2011』(2013年)
ポール・オースター『冬の日誌』(2012年)
ポール・オースター『Sunset Park』(2010年)
ポール・オースター『インヴィジブル』再読(2009年)
ポール・オースター『Invisible』(2009年)
ポール・オースター『闇の中の男』再読(2008年)
ポール・オースター『闇の中の男』(2008年)
ポール・オースター『写字室の旅』(2007年)
ポール・オースター『ブルックリン・フォリーズ』(2005年)
ポール・オースター『オラクル・ナイト』(2003年)
ポール・オースター『幻影の書』(2002年)
ポール・オースター『トゥルー・ストーリーズ』(1997-2002年)
ポール・オースター『ティンブクトゥ』(1999年)
ポール・オースター『リヴァイアサン』(1992年)
ポール・オースター『最後の物たちの国で』(1987年)
ポール・オースター『ガラスの街』新訳(1985年)
『増補改訂版・現代作家ガイド ポール・オースター』
ジェフ・ガードナー『the music of chance / Jeff Gardner plays Paul Auster』


北田学+外山明+阿部真武@渋谷Bar Subterraneans

2022-11-09 07:46:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

渋谷のBar Subterraneans(2022/11/8)。

Manabu "Gaku" Kitada 北田学 (bcl, cl)
Akira Sotoyama 外山明 (perc)
Masatake Abe 阿部真武 (b)

北田学さんのバスクラは強靭に粘っていて、それは楽器の特質もフレージングによるところもあるのだろうと思う。一方のクラにはより間隙があって飛翔する。外山さんは空気に丹念に温度や匂いを付けると思えばさまざまなビートも創出し、やはりすばらしい。そして阿部さんは柔軟な空気創出型だとこれまで思っていたが局面によって駆け出しもしていて、ちょっとした発見だった。

Fuji X-E2, 7 Artisans 12mmF2.8, XF35mmF1.4

●北田学
藤山裕子+北田学+藤井信雄@なってるハウス(2022年)
北田学+西嶋徹+神田綾子@渋谷Bar subterraneans(2021年)
神田綾子+北田学@渋谷Bar Subterraneans(動画配信)(2020年)
鈴木ちほ+北田学@バーバー富士(2019年)
宅Shoomy朱美+北田学+鈴木ちほ+喜多直毅+西嶋徹@なってるハウス(2019年)
audace@渋谷Bar Subterraneans(2019年)
宅Shoomy朱美+北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(JazzTokyo)(2019年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+シセル・ヴェラ・ペテルセン+北田学@渋谷Bar subterraneans(2019年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)

●外山明
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2022年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
間(ま)と楔(くさび)と浮遊する次元@新宿ピットイン(2021年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
「飴玉☆爆弾」@座・高円寺(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+シセル・ヴェラ・ペテルセン+細井徳太郎@下北沢Apollo、+外山明+大上流一@不動前Permian(2019年)
藤原大輔『Comala』(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年)
西島芳 trio SONONI@下北沢Apollo(2018年)
松風鉱一カルテット@西荻窪Clop Clop(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年)
西島芳 trio SONONI@下北沢Apollo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
Shield Reflection@Ftarri(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
『SONONI, Laetitia Benat』(2016年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅+市野元彦+外山明『Childhood』(2015年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
纐纈雅代 Band of Eden @新宿ピットイン(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)

●阿部真武
加藤綾子+阿部真武@不動前Permian(2022年)
細井徳太郎+阿部真武@水道橋Ftarri(2022年)
かみむら泰一+古和靖章+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2021年)
池田陽子+阿部真武+岡川怜央@Ftarri(2021年)


インプロヴァイザーの立脚地 vol.1 林栄一(JazzTokyo)

2022-11-06 10:21:42 | アヴァンギャルド・ジャズ

インプロヴァイザーの立脚地 vol.1 林栄一 – JazzTokyo

●林栄一
トリオ座@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2022年)
林栄一+國仲勝男+小谷まゆみ@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2022年)
MMBトリオ with 神田綾子・ルイス稲毛/林栄一@なってるハウス、cooljojo(JazzTokyo)(2022年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
林栄一+武田理沙@公園通りクラシックス(2021年)
Fado-mo-two@in F(2020年)
「飴玉☆爆弾」@座・高円寺(2020年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
リューダス・モツクーナス『In Residency at Bitches Brew』(JazzTokyo)(2018年)
<浅川マキに逢う>ライブ&上映会@西荻窪CLOPCLOP(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年)
林栄一+小埜涼子『Beyond the Dual 2』(2014-15年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
早川岳晴『kowloon』(2002年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999-2000年)
高瀬アキ『Oriental Express』(1994年)


ピーター・エヴァンス『Murmurs』(JazzTokyo)

2022-11-06 10:19:25 | アヴァンギャルド・ジャズ

#2209 『ピーター・エヴァンス / Murmurs』 – JazzTokyo

Erin Lesser (piccolo fl)
Tim Munro (fl)
Peter Evans (MIDI piano performance/programming)

●ピーター・エヴァンス
ピーター・エヴァンス『Being & Becoming』(JazzTokyo)(2019年)
ピーター・エヴァンス『Horizons』(JazzTokyo)(2018年)
【日米先鋭音楽家座談】ピーター・エヴァンスと東京ジャズミュージシャンズ(JazzTokyo)(2018年)
「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール(2018年)
ピーター・エヴァンス@Jazz Art せんがわ2018(JazzTokyo)(2018年)
ピーター・エヴァンス・ディスコグラフィー解題(JazzTokyo)(2018年)
ピーター・エヴァンスへのインタビュー(JazzTokyo)(2018年)
ピーター・エヴァンス+ウィーゼル・ウォルター『Poisonous』(2018年)
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
Pulverize the Sound、ケヴィン・シェイ+ルーカス・ブロード@Trans-Pecos(2017年)
コーリー・スマイス+ピーター・エヴァンス『Weatherbird』(2015年)
ピーター・エヴァンス『House Special』(2015年)
Pulverize the Sound@The Stone(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
トラヴィス・ラプランテ+ピーター・エヴァンス『Secret Meeting』(2015年)
ブランカート+エヴァンス+ジェンセン+ペック『The Gauntlet of Mehen』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
チャン+エヴァンス+ブランカート+ウォルター『CRYPTOCRYSTALLINE』、『Pulverize the Sound』(2013、15年)
PEOPLEの3枚(-2005、-2007、-2014年)
ピーター・エヴァンス『Destiation: Void』(2013年)
ピーター・エヴァンス+アグスティ・フェルナンデス+マッツ・グスタフソン『A Quietness of Water』(2012年)
『Rocket Science』(2012年)
MOPDtK『(live)』(2012年)
ピエロ・ビットロ・ボン(Lacus Amoenus)『The Sauna Session』(2012年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)
ピーター・エヴァンス+サム・プルータ+ジム・アルティエリ『sum and difference』(2011年)
ピーター・エヴァンス『Ghosts』(2011年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ピーター・エヴァンス『Live in Lisbon』(2009年)
MOPDtK『The Coimbra Concert』(2010年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)
オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(2008年)
MOPDtK『Forty Fort』(2008-09年)