近いのに行ったことのなかった谷津干潟を、はじめて訪れた。津田沼駅からバスでほんの少しで着く。暑くてたまらないので、谷津干潟自然観察センターに急いで入る。中にはフィールドスコープや双眼鏡、鳥のおもちゃなどもあり、子どもたちは喜ぶ。しかし本物に触れる親水性という点では物足りない。
谷津干潟は周囲が埋め立てられており、長方形の穴ぼこ型の干潟として残されている。勿論水路を通じて海とつながっているため、海水が干満を繰り返し、干潟が形成されている。「どろんこサブウ」こと森田三郎氏らの努力により貴重な生態系として維持されているとは言え、ここが東京湾唯一のラムサール条約登録湿地であることは、管理のしやすさという側面のあらわれだ。少し皮肉なことである。
センターからは、杭の上にとまるカワウ、カルガモの親子、子育て中のセイタカシギ、ダイサギなどを観察することができた。水際には何かの稚魚も見えた。アシが繁茂しているのは気持ちが良い。なお、関西ではヨシと言うことが多いが、これは「悪し」を忌避して「良し」と言い換えたものだ。
そういえば、千葉ロッテマリーンズの宣伝番組「ロッテレビ」を観ていたら、福浦選手が登場した。若いころに登場したとき、谷津干潟がお気に入りの場所だと言っていましたね、とアナウンサーにからかわれていた。彼のシャープなヒットは昔から好きであったので、さらに親近感が増したのだった。
(追記)その後ほどなくして、アサリの大量死事件が起きた。暑さによりアオサが繁殖し、そのために溶存酸素が減るなどした結果だった。やはり、バッファーの小さい状況での生態系は、変動に対して脆弱だということだろう。
何かの稚魚 Pentax MZ-S、FA★200mmF2.8、ベルビア100、DP
カワウは羽根を広げなかった Pentax MZ-S、FA★200mmF2.8、ベルビア100、DP
アシは良し Pentax MZ-S、FA★200mmF2.8、ベルビア100、DP
セイタカシギ Pentax MZ-S、FA★200mmF2.8、ベルビア100、DP
カルガモ親子 Pentax MZ-S、FA★200mmF2.8、ベルビア100、DP
セイタカシギ Pentax MZ-S、FA★200mmF2.8、ベルビア100、DP
●東京湾の干潟(三番瀬、盤洲干潟・小櫃川河口、新浜湖干潟、江戸川放水路)
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○井出孫六・小中陽太郎・高史明・田原総一郎『変貌する風土』 かつての木更津を描いた貴重なルポ
○盤洲干潟 (千葉県木更津市)
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○新浜湖干潟(行徳・野鳥保護区)