Sightsong

自縄自縛日記

エリ・リャオ+河崎純~台湾歌@ココシバ

2022-05-29 22:31:02 | 中国・台湾

蕨のココシバ(2022/5/29)。

Eri Liao エリ・リャオ (vo)
Jun Kawasaki 河崎純 (b)

エリ・リャオさんは台湾原住民のタイヤル族(台湾では先住民のことを原住民と呼ぶ)。エリさんにとっても台湾を離れている間にアイデンティティを見つめた上で山地同胞から原住民へと呼称が変わり、驚きでもあったと話す。16民族のことばがあり、さらに台湾語も大陸のさまざまなことばもある。エリさんは、テレサ・テンも歌った<高山青>から始め、ブヌン族、プユマ族、ツォウ族、アミ族のうたなどを披露する。意味がわかるとおもしろいし、かけあいばかりのうたも愉しい。

興味深いことは、日本の影響がさまざまなかたちでみられることだ。日本占領時代に日本の音楽教育を受けたエリートがいた。ツォウ族の高一生は通名が矢多一生であり、日本の民謡などからの影響を受けていた。あるいは他のうたにもちょっとした日本語が歌詞に入っていたりもする。懐メロの<星の流れに>などは若い人たちも歌っているそうだ。負の歴史でもあり、生の過程でもあり、それらをうたを通して追体験する。

エリさんの声は一様ではない。喉歌のように倍音を効かせることもあるし、敢えて弱くヴァルネラブルなときもある。河崎純さんのコントラバスもまたうたへの近づきようが繊細だった。台湾のうたにおいても、また河崎さんがル・クレジオや宮沢賢治などを想像しながら作ったメタ的な民族音楽においても。

河崎さんはエリさんをヴォーカリストとして新たなプロジェクトを行うそうで、ちょっとこれは新しい楽しみができた。

Fuji X-E2, AM Topcor 55mmF1.7

●河崎純
河崎純 feat. ジー・ミナ『HOMELANDS – Eurasian Poetic Drama –』(JazzTokyo)(2018年-)
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)


守屋純子+松風鉱一@Lindenbaum

2022-05-29 08:16:57 | アヴァンギャルド・ジャズ

9年ぶりに、習志野市のLindenbaum(2022/5/28)。

Junko Moriya 守屋純子 (p)
Koichi Matsukaze 松風鉱一 (fl, ts, as)

守屋純子さんといえばビッグバンドなので意外な企画、実際に初めての共演。

松風さんのテナーやアルトは風のなかに砂や土が含まれているようで唯一無二。<春 2020>での音は摩擦熱を発しながら周囲の空気と溶け合っていて素晴らしいものだった。また長谷川等伯の松林図屛風をモチーフにしたという守屋さんのオリジナル<Pine Trees>では、その世界観を短い時間に凝縮したようなピアノがみごとだった。

演奏後は外のここちよいテラスでワインと日本酒。(そして日高屋。)

Fuji X-E2, AM Topcor 55mmF1.7 (PK)

●松風鉱一
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2022年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
松風鉱一@西荻窪clop clop(2021年)
松風鉱一@本八幡cooljojo(2021年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
宅Shoomy朱美+松風鉱一+藤ノ木みか@なってるハウス(2020年)
松風鉱一+上村勝正+石田幹雄@本八幡cooljojo(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)
夢Duo年末スペシャル@なってるハウス(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
平田王子+渋谷毅『Luz Do Sol*やさしい雨』(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その2)
松風鉱一カルテット@西荻窪Clop Clop(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その1)
松風M.A.S.H. その3@なってるハウス(2018年)
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
松風M.A.S.H. その2@なってるハウス(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
松風鉱一@十条カフェスペース101(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
板谷博ギルティ・フィジック(1990、95年)
松風鉱一『Good Nature』(1981年)
松風鉱一トリオ+大徳俊幸『Earth Mother』(1978年)
『生活向上委員会ライブ・イン・益田』(1976年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』 
反対側の新宿ピットイン
くにおんジャズ、鳥飼否宇『密林』


伊勢秀一郎+吉田桂一+小杉敏@行徳ホットハウス

2022-05-22 09:47:47 | アヴァンギャルド・ジャズ

行徳のホットハウス(2022/5/21)。

Shuichiro Ise 伊勢秀一郎 (tp)
Keiichi Yoshida 吉田桂一 (p)
Satoshi Kosugi 小杉敏 (b)

音色を大事に胸に抱え込むようなトランペット。松井節子さんはいまはお店で演奏できないので吉田桂一さん。松井さんがその場で音を空中に放り投げるようであったのに対し、吉田さんは先へ先へとなにかを残す。小杉さんはいつもみごと。

You Are My Everything、What Is This Thing Called Love?、Do You Know What It Means to Miss New Orleans?、夜は千の眼を持つ、Satin Doll、月の砂漠、Polka Dots And Moonbeams、Cotton Tailなど。

Fuji X-E2, AM Topcor 55mmF1.7 (PK)

●小杉敏
澤田一範+松井節子+小杉敏+渡辺文男@行徳ホットハウス(2019年)
安保徹+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2019年)
澤田一範+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2019年)
中村誠一+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス
(2018年)


ウタウタ@西荻窪・音や金時

2022-05-19 01:12:57 | アヴァンギャルド・ジャズ

西荻窪の音や金時(2022/5/18)。

Taiko Matsumoto 松本泰子 (うた)
Naoki Kita 喜多直毅 (vln)
Yuji Hasegawa 長谷川友二 (g)
Kei Wada 和田啓 (perc)

不思議な音楽というのか、日本語のうたのすがたかたちが中心にあって、それによって旋律が伸び縮みし、おのおのの楽器が彩る感覚。

この日は齋藤徹さんの命日、徹さんへのトリビュートでもあった。松本泰子さんは徹さんのプロジェクト「オペリータうたをさがして」での緊急事態を機に徹さんの音楽世界に入った人である。さらにことばを引き寄せたプロジェクト「スロッギーのワルツ」のステージは素晴らしいものだった。もちろん喜多直毅さんも徹さんの薫陶を受けた人。

徹さんの曲に三角みづ紀さんが詩を付けた<Pilgrimage>は長谷川友二さんのギターと泰子さんとのデュオからはじまり、徹さんのサウンドというよりもウタウタのサウンドになっていることを実感した。市川洋子さんの詩による<はじまりの時>では皆が薄く彩色する。渡辺洋さんの詩による<ふりかえるまなざし>は子供時代のなつかしさの中で「ねばりづよく、ねばりづよく」と泰子さんが伸びやかに歌う。ゆっくりと存在感を増してゆく和田啓さんの打楽器もみごと。

各メンバーのオリジナルも良い曲ばかりだった。喜多さんの<君の住む国>では、歌謡曲的な世界がこのような演奏にじつにマッチしていて、愉快になってしまった。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, AM Topcor 55mmF1.7

●松本泰子
齋藤徹生誕祭@横濱エアジン(2021年)
松本泰子+メアリー・ダウマニー+丸田美紀@音や金時(2019年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)
『Sluggish Waltz スロッギーのワルツ』(JazzTokyo)(2019年)

●喜多直毅
喜多直毅+照内央晴+西嶋徹@成城Cafe Beulmans(2022年)
照内央晴+喜多直毅@本八幡cooljojo(2021年)
照内央晴+喜多直毅@本八幡cooljojo(2021年)
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2020年)
喜多直毅+元井美智子+西嶋徹@本八幡cooljojo(2020年)
喜多直毅+元井美智子+久田舜一郎@松本弦楽器(JazzTokyo)(2020年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
ハインツ・ガイザー・アンサンブル5@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
喜多直毅+西嶋徹『L’Esprit de l’Enka』(JazzTokyo)(-2019年)
宅Shoomy朱美+北田学+鈴木ちほ+喜多直毅+西嶋徹@なってるハウス(2019年)
喜多直毅+元井美智子+フローリアン・ヴァルター@松本弦楽器(2019年)
徹さんとすごす会 -齋藤徹のメメント・モリ-(2019年)
喜多直毅+翠川敬基+角正之@アトリエ第Q藝術(2019年)
熊谷博子『作兵衛さんと日本を掘る』(2018年)
喜多直毅クアルテット「文豪」@公園通りクラシックス(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
ファドも計画@in F(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2017年)
黒田京子+喜多直毅@中野Sweet Rain(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
喜多直毅クアルテット@求道会館(2017年)
ハインツ・ガイザー+ゲリーノ・マッツォーラ+喜多直毅@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
喜多直毅クアルテット@幡ヶ谷アスピアホール(JazzTokyo)(2017年)
喜多直毅・西嶋徹デュオ@代々木・松本弦楽器(2017年)
喜多直毅+田中信正『Contigo en La Distancia』(2016年)
喜多直毅 Violin Monologue @代々木・松本弦楽器(2016年)
喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)http://www.jazztokyo.com/best_cd_2015a/best_live_2015_local_06.html(「JazzTokyo」での2015年ベスト)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年) 

●齋藤徹
森田志保『徹さんの不在』(Dance Vision 2021 feat. 齋藤徹)@アトリエ第Q藝術(2021年)
齋藤徹生誕祭@横濱エアジン(2021年)
徹さんとすごす会 -齋藤徹のメメント・モリ-(2019年)
『Sluggish Waltz スロッギーのワルツ』(JazzTokyo)(2019年)
ジャン・サスポータス+矢萩竜太郎+熊坂路得子@いずるば(齋藤徹さんの不在の在)(2019年)
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)(2019年)
齋藤徹+久田舜一郎@いずるば(2019年)
齋藤徹+沢井一恵@いずるば(JazzTokyo)(2019年)
近藤真左典『ぼくのからだはこういうこと』、矢荻竜太郎+齋藤徹@いずるば(2019年)
2018年ベスト(JazzTokyo)
長沢哲+齋藤徹@ながさき雪の浦手造りハム(2018年)
藤山裕子+レジー・ニコルソン+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2018年)
齋藤徹+長沢哲+木村由@アトリエ第Q藝術(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@喫茶茶会記(2018年)
永武幹子+齋藤徹@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
DDKトリオ+齋藤徹@下北沢Apollo(2018年)
川島誠+齋藤徹@バーバー富士(JazzTokyo)(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
2017年ベスト(JazzTokyo)
即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』(2017年)
『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越(2017年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
長沢哲+齋藤徹@東北沢OTOOTO(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
齋藤徹ワークショップ特別ゲスト編 vol.1 ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+佐草夏美@いずるば(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
齋藤徹@バーバー富士(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
りら@七針(2017年)
ミシェル・ドネダ+フレデリック・ブロンディ+齋藤徹『Spring Road 16』(JazzTokyo)(2016年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹の世界・還暦記念コントラバスリサイタル@永福町ソノリウム(2016年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
齋藤徹・バッハ無伴奏チェロ組曲@横濱エアジン(2016年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年) 
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)
齋藤徹『Contrabass Solo at ORT』(2010年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
ローレン・ニュートン+齋藤徹+沢井一恵『Full Moon Over Tokyo』(2005年)
明田川荘之+齋藤徹『LIFE TIME』(2005年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
齋藤徹+沢井一恵『八重山游行』(1996年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
ジョゼフ・ジャーマン 


加藤綾子+阿部真武@不動前Permian

2022-05-14 00:33:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

不動前のPermian(2022/5/13)。

Ayako Kato 加藤綾子 (vln)
Masatake Abe 阿部真武 (b)

初の手合わせのためか音を出すことの気が張り詰めていた。

はじめは加藤さんが周辺域から内部に入ろうとし、減衰音の強調により空間そのものを感じさせる阿部さんとの関係を作ってゆく。ヴァイオリンの音色の多彩さには驚くばかり。セカンドセットでは加藤さんは野蛮の島から野蛮の島へと跳躍し、一方の阿部さんは音の核を見出してはそこに他の音を結晶させ続ける(やはりアナログな作業的でそれがとてもおもしろい)。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, Pentax 77mmF1.8

●加藤綾子
加藤綾子「1CHI」@四谷三丁目ホメリ(2021年)
照内央晴+加藤綾子@本八幡cooljojo(2020年)
照内央晴+加藤綾子@神保町試聴室(2019年)
即興的最前線@EFAG East Factory Art Gallery(JazzTokyo)(2018年)
『終わりなき歌 石内矢巳 花詩集III』@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2018年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)

●阿部真武
細井徳太郎+阿部真武@水道橋Ftarri(2022年)
かみむら泰一+古和靖章+遠藤ふみ+阿部真武@神保町試聴室(2021年)
池田陽子+阿部真武+岡川怜央@Ftarri(2021年)


『JAZZLIFE』誌の「ジャズ人―寒川光一郎の東京JAZZ見聞録/東方JAZZ見聞録」連載

2022-05-10 21:17:10 | アヴァンギャルド・ジャズ

『JAZZLIFE』誌では、寒川光一郎氏によるインタビューをもとにした連載「ジャズ人―寒川光一郎の東京JAZZ見聞録」(途中で副題が「寒川光一郎の東方JAZZ見聞録」に変更)があった。以下不完全なリスト。

1991/6 林栄一(前編)(※新連載開始)
1991/7 林栄一(後編)
1991/8 早坂紗知(前編)
1991/9 早坂紗知(後編)
1991/10 石渡明廣(前編)
1991/11 石渡明廣(後編)
1991/12
1992/1 今堀恒雄(前編)
1992/2 今堀恒雄(後編)
1992/3 早川岳晴(前編)
1992/4 早川岳晴(後編)
1992/5 フェビアン・レザ・パネ(前編)
1992/6 フェビアン・レザ・パネ(後編)
1992/7 無し
1992/8 無し
1992/9 無し
1992/10 無し
1992/12 片山広明(前編)
1993/1 片山広明(後編)
1993/2 休載
1993/3 金大煥(前編)
1993/4 金大煥(後編)
1993/5 齋藤徹(前編)
1993/6 齋藤徹(後編)
1993/7 菊地成孔(前編)
1993/8 菊地成孔(後編)
1993/9 Tipographica
1993/10 休載
1993/11 喜怒無月(前編)
1993/12 喜怒無月(後編)
1994/1 早坂紗知
1994/2 Tom Pierson(前編)
1994/3 Tom Pierson(後編)
1994/4 渋谷毅(前編)
1994/5 渋谷毅(後編)
1994/6 無し
1994/7 林栄一
1994/8 つのけん(前編)
1994/9 つのけん(後編)
1994/10 松風鉱一(前編)
1994/11 松風鉱一(後編)
1994/12 ニューヨークのジャズ人たち(前編)
1995/1 ニューヨークのジャズ人たち(後編)
1995/2 無し
1995/3
1995/4 酒井俊
1995/5 2・26トリオ~早坂紗知+山下洋輔+つのけん
1995/6 三好功郎(前編)
1995/7 三好功郎(後編)
1995/8 特集「日本ジャズは元気だ!」に組み込み
1995/9 一噌幸弘(前編)
1995/10 一噌幸弘(後編)
1995/11 休載
1995/12 井上敬三
1996/1
1996/2 休載
1996/3 李廷植(前編)
1996/4 李廷植(後編)
1996/5 無し
1996/6 無し


松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン

2022-05-10 20:58:35 | アヴァンギャルド・ジャズ

新宿ピットイン(2022/5/7)。

Koichi Matsukaze 松風鉱一(as, ts, fl)
Takayuki Kato 加藤崇之(g)
Hiroaki Mizutani 水谷浩章(b)
Akira Sotoyama 外山明(ds)
Mikio Ishida 石田幹雄(p)

はじめて聴くかもしれない<Gun Fighter>では意外に尖ったアルト、かつての跳躍する旋律を想起させる。しかし同じアルトでも音色はひとつひとつ違う。<春>ではかすれ、<No Easy>では芯の音でうねうねと続く。サイレンのようなフレーズもあった。それを受けての石田さんのやはりうねるソロもみごと。テナーでの<Big Valley>はいっせいに始まる気持ちよさがあり、松風さんの長いフレージングには圧倒される。そして奇妙な<Kikikaikai>。

セカンドセットはテナーでの<Lifetime Blues>から。ここで背後でタップのような音がなんども聴こえたような気がした。たぶんこのサウンドのマジックで錯覚させるなにかがあったのだ。アルトでの<Touring>はベースの和音からまったり進み、その横では次々に事件が起きてゆく。楽園的な曲想の<Mr. Strongman>などを経て、テナーで<w.w.w.>。外山さんの前のめりのドラミングが石田さんのノリに直結する。小さな音を含めて時空間を埋め尽くす松風世界。アンコールはテナーで<K2>。

●松風鉱一
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
松風鉱一@西荻窪clop clop(2021年)
松風鉱一@本八幡cooljojo(2021年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2021年)
宅Shoomy朱美+松風鉱一+藤ノ木みか@なってるハウス(2020年)
松風鉱一+上村勝正+石田幹雄@本八幡cooljojo(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)
夢Duo年末スペシャル@なってるハウス(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
平田王子+渋谷毅『Luz Do Sol*やさしい雨』(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その2)
松風鉱一カルテット@西荻窪Clop Clop(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その1)
松風M.A.S.H. その3@なってるハウス(2018年)
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
松風M.A.S.H. その2@なってるハウス(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
松風鉱一@十条カフェスペース101(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
板谷博ギルティ・フィジック(1990、95年)
松風鉱一『Good Nature』(1981年)
松風鉱一トリオ+大徳俊幸『Earth Mother』(1978年)
『生活向上委員会ライブ・イン・益田』(1976年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』 
反対側の新宿ピットイン
くにおんジャズ、鳥飼否宇『密林』


熊本博之『辺野古入門』

2022-05-05 09:39:29 | 沖縄

熊本博之『辺野古入門』(ちくま新書、2022年)。

環境アセスメントのプロセスにどれだけ問題があったかについてもっと触れてほしかったけれど、さすがの良書。選挙運動においてスピーカーにおカネをかけられるのが保守陣営の強さだとする指摘なんて、フィールドワークを行ってきた人ならではである。

本書で実感できることは、基地建設に対する政府の補助金が歪んだ「報奨金」であり続けてきたこと。

それから、基地経済について語るべきは数字だけではないこと。経済的な基地依存度は50年代の3割近くから5%程度にまで下がっているとはよく言われてきたことだ。一方本書で指摘されるのは、住民が寂れた「辺野古社交街」に過去の繁栄を幻視していること。つまり実現しないことがわかっている生活者の夢を利用する政治。

●参照
辺野古


Three Wisdoms@公園通りクラシックス

2022-05-03 10:06:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

渋谷の公園通りクラシックス(2022/5/2)。

Mayuko Kobayashi 小林真由子 (箏, 十七絃箏)
Akira Ishii 石井彰 (p)
Shiro Sadamura 定村史朗 (vln)

ずっと興味はあって、15回目にしてやっと行くことができた。小林真由子さんには齋藤徹さんについてのお話を聴いたりもしていたのだけれど、演奏を観るのは、螺鈿隊のひとりとして出演した『ユーラシアンエコーズ第2章』(2013年)以来。徹さんのあの圧倒的なステージからもう9年が経とうとしている。

採り上げられた曲は各人のオリジナル、ポップス、ジャズスタンダード。箏の他領域への「適用」などではなく、箏の響きの美しさや、角の外側や弓も用いた音の広がりを活かしたものだった(柱をふっとばしたのは偶然だったようで)。ことさらに大袈裟なプレイをすることもないし、十七絃だからといって必要以上にその特性を見せつけることもない。控え目にして頻繁にはっとさせられるサウンドに耳が喜んだ。

石井彰さんの和音の提示はそれはもうみごとで、これに、定村さんの連続音が対照的なものとして現れる。そして小林さんの舞うように変わってゆくグリッサンド。ふたりの弦楽器はさまざまなグラデーションを作り上げてゆく。三者が次々に役割を交替するさまはじつにしなやか。

最後は、武満徹の<小さな空>。

Fuji X-E2, 7 Artisans 12mmF2.8, Pentax FA77mmF1.8

●小林真由子
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)

●石井彰
松丸契『THINKKAISM』(2019年)


『爵士詩靈魂夜 A Soulful Night of Jazz Poetry』(JazzTokyo)

2022-05-01 00:00:00 | アヴァンギャルド・ジャズ

#2179 『爵士詩靈魂夜 A Soulful Night of Jazz Poetry』 – JazzTokyo

謝明諺 Minyen Hsieh (soprano sax, alto sax, tenor sax)
林理惠 Mars Lin (vocal, poet)
曾增譯 Tseng-Yi Tseng (piano)
池田欣彌 Ikeda Kinya (bass)
林偉中 Weichung Lin (drums)
鄧亦峻 Yichun Teng (trombone)

●謝明諺
陳穎達『離峰時刻 Off Peak Hours』(JazzTokyo)(2019年)
謝明諺+レオナ+松本ちはや@Bar subterraneans(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
謝明諺+秋山徹次+池田陽子+矢部優子@Ftarri(2019年)
謝明諺+高橋佑成+細井徳太郎+瀬尾高志@下北沢Apollo(2019年)
陳穎達カルテットの録音@台北(2019年)
東京中央線 feat. 謝明諺@新宿ピットイン(2018年)
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri
(2018年)
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)
マイケル・サイモン『Asian Connection』(2017年)

●池田欣彌
陳穎達『你聽過Beige嗎 Do You Know Beige』(JazzTokyo)(-2021年)
陳穎達『離峰時刻 Off Peak Hours』(JazzTokyo)(2019年)
陳穎達カルテットの録音@台北(2019年)

●林偉中
陳穎達『你聽過Beige嗎 Do You Know Beige』(JazzTokyo)(-2021年)
陳穎達『離峰時刻 Off Peak Hours』(JazzTokyo)(2019年)
陳穎達カルテットの録音@台北(2019年)