市川市の原木中山近くにある「福田海苔店」(>> リンク)で、三番瀬で取れた海苔の直売をやっているというので、自転車で出かけてきた。行徳の旧道は狭く、怖かった。
小売というより工場である。天日干しもやっていたが、注文は「3年待ち」だということだった。いまやそれくらい貴重なものになっている。
午前中だったので、運良く生海苔の販売もやっていた。今朝三番瀬で摘んだばかりの海苔で、大きなタンクには海水に海苔を入れて(生け簀のような考え)、ぐるぐると回していた。何でも、今日はバスケット十数杯摘んできたということで、バスケット1杯が30キロくらい、合計300キロ以上ということになる。時間を置いて同じところから何回か摘んだら、そのシーズンはお終いなのだという。
海水とぐるぐる
興奮していろいろ見ていると、ご主人の福田さんが海苔作りの工程を案内してくれた。この生海苔をパイプで運び、機械で裁断し、簾に広げ、乾燥するという一連の流れ。いまでは天日干しと変わらないくらい旨いよということだった。
折角なので、一番摘みの海苔を使った「極上」と、昨年亡くなられたお父上(>> 東京新聞の記事)の手による「引退作品」、それに生海苔を500グラムほど買って帰った。
種付けから生産までの様子を紹介していた
簾に広げ乾燥する部分の機械
最後に1枚ずつコンベアーで送られてくる
焼き海苔2種類は明日以降のお楽しみにして、今晩は生海苔を食べることにした。水で洗って絞り、粗くざくざくと切り、から煎りした後にバターを溶かしいれ、醤油で味付けをした。ご飯に載せて食べると堪らぬ旨さ。息子も娘もばくばく食べた。
明日はどうやって料理しようかとわくわくしている。もともと海苔は大好物なのだ。
ところで、行き帰りには江戸川放水路に掛かる行徳橋を渡ったのだが、その下には葦と泥干潟が拡がっている。ただ、この下流とは違って、生き物は観察できなかった。じろじろ見ると、蟹か貝の呼吸穴、犬の足跡(笑)、ゴカイの糞(通称モンブラン)はあった。
葦と泥干潟
犬の足跡
ゴカイの糞、モンブラン
これは行徳橋の下流側だが、上流側は、旧江戸川との分岐点が沖積地になっており、先端は三角形の葦原となっている。住所も「河原」という。グラウンドより先には足を踏み入れることができなさそうだった。
「河原」の先っぽ
なお、葦はアシともヨシとも呼ぶが同じものであり、もともとのアシが忌み言葉として嫌われ(悪し)、ヨシ(良し)も使われている。サックスのリードもアシから出来ているが、あれはどこでどうやって育てているのだろう。
妙典近くには、以前に放火された「神明神社」(神明社、豊受神社)がある。かつて「行徳様」が伊勢神宮から砂を持ってきて撒き、勧請したといういわれがある。久しぶりに立ち寄ってみると、綺麗な社殿が再建されていた。横にある大きな欅の木は、おそらく火でやられたのだろう、樹皮が剥がされていてつるつるだった。
●三番瀬の海苔
○豊かな東京湾
○東京湾は人間が関与した豊かな世界
●三番瀬
○三番瀬は新知事のもとどうなるか、塩浜の護岸はどうなるか
○三番瀬(5) 『海辺再生』
○猫実川河口
○三番瀬(4) 子どもと塩づくり
○三番瀬(3) 何だか不公平なブックレット
○三番瀬(2) 観察会
○三番瀬(1) 観察会
○『青べか物語』は面白い
●江戸川放水路
○江戸川放水路の泥干潟 (千葉県市川市)