新宿ピットイン(2021/4/30)。
Takeshi Shibuya 渋谷毅 (p, org)
Kosuke Mine 峰厚介 (ts)
Koichi Matsukaze 松風鉱一 (bs, as, fl)
Eiichi Hayashi 林栄一 (as)
Kenta Tsugami 津上研太 (ss, as)
Osamu Matsumoto 松本治 (tb)
Akihiro Ishiwatari 石渡明廣 (g)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Akira Sotoyama 外山明 (ds)
Guest:
Hideko Shimizu 清水秀子 (vo)
最近のパターンに沿って「Side Slip」(石渡)から(むかしはこれが「Great Type」だったりした)。ずらりと並んだメンバーのソロが向かって右から順番に(松本→林→津上→峰→松風)。林さんのアルトがかつてを思わせる可愛い音でちょっと驚いたがどうだろう。松風さんのバリトンはことさらのキメでドヤとは終わらない、これが師匠の美学にちがいない。外山さんの音圧が印象的。
「Ballad」(石渡)に続いて清水秀子さんが入り、スタンダードの「Crazy He Calls Me」、松風さんのフルートをフィーチャーした「Sometime Ago」。皆が照れたようにアアと声を出してハモりおもしろい。それにしてもフルートの擦れが良い。渋谷さんが峰さんに無茶振りして「Girl Talk」、そして清水さんが抜けて、時間がないからというので(コロナ禍なのだ)、「Chealsea Bridge」(ビリー・ストレイホーン)。渋谷さんの妙なるピアノの和音がすばらしい。外山さんの不規則で自由なドラムスも、つねに違和感とともに食い込んでくる峰さんのテナーも良い(1993年に『Major to Minor』が出たときその感覚に魅せられたことをまだ鮮やかに覚えている)。
セカンドセットの最初は「もはやちがう町」(石渡)で林栄一フィーチャー。この重さと独自の時間軸によって突き進むアルトはたしかに唯一無二だろう。「Three Views Of A Secret」(ジャコ・パストリアス)での津上さんの硬い透明樹脂のようなソプラノ、峰さんのテナーはかれららしい。ここでふたたび清水さんが入り、エリントンの知られていない曲をというので「I'm Just A Lucky So And So」。エリントンのハーモニーはじつに気持ちが良い。松本さんのトロンボーンからの「Love Dance」(イヴァン・リンス)、サウンドが分厚くて嬉しい「Caravan」(エリントン)を経て、「Soon I Will Be Done With The Trouble Of The World」(カーラ・ブレイ)でも分厚いハモり。
アンコールは渋谷さんのピアノソロ「Lotus Blossom」(ビリー・ストレイホーン)。久しぶりに聴いたらちょっと工夫された展開に聴こえた。
●渋谷毅
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
平田王子+渋谷毅『Luz Do Sol*やさしい雨』(2018年)
2018年ベスト(JazzTokyo)(2018年)
廣木光一+渋谷毅『Águas De Maio 五月の雨』(2018年)
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅@裏窓(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅@裏窓(2016年)
渋谷毅+市野元彦+外山明『Childhood』(2015年)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
渋谷毅+津上研太@ディスクユニオン(2011年)
渋谷毅のソロピアノ2枚(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
『RAdIO』(1996, 99年)
渋谷毅+川端民生『蝶々在中』(1998年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
『浅川マキを観る vol.3』@国分寺giee(1988年)
『山崎幹夫撮影による浅川マキ文芸座ル・ピリエ大晦日ライヴ映像セレクション』(1987-92年)
浅川マキ+渋谷毅『ちょっと長い関係のブルース』(1985年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
見上げてごらん夜の星を