Sightsong

自縄自縛日記

ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス

2018-09-30 22:18:22 | アヴァンギャルド・ジャズ

六本木のスーパーデラックスにて、「ユーラシアンオペラ東京2018」の最終プログラム「Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo」(2018/9/30)。

■ 昼の部

Sainkho Namtchylak (voice)
Michiyo Yagi 八木美知依 (箏)
Kazuhisa Uchihashi 内橋和久 (daxophone) 
Jun Kawasaki 河崎純 (b)

顔と頭を覆いサングラスをかけた人物がサインホ・ナムチラックだった(すれ違って誰だと思ったぞ)。副島輝人さんに捧げると告げたあと、彼女は床に身を横たえ、声を発しはじめる。八木さんの箏はかなり強い。サインホは次第に身を起こし、立ちあがる。抑制した唸りが外部に向けられてきて、美しい声も彼女のトレードマークだった素晴らしい倍音や叫びも発する。内橋さんはしばらくはダクソフォンを弾き、それがサインホの声とシンクロし、心の襞を震わせてくれる。やがてギターに持ち替え、潮目も変わり、1時間ほどのパフォーマンスが終わった。かつてのすべてを音波で突き破るような尖った声ではなく、ときに慰撫するような丸く熟した声である。サインホ健在。

■ 夜の部

Marya Korneva (voice)
Saadet Türköz (voice)
Anya Tchaikovskaya (voice)
Sainkho Namtchylak (voice)
Michiyo Yagi 八木美知依 (箏)
Jun Kawasaki 河崎純 (b)
Toshiaki Ishizuka 石塚俊明 (ds)
Choi Jae Chol (韓国打楽器)
Reison Kuroda 黒田鈴尊 (尺八)
Junpei Otsuka 大塚惇平 (笙)
Aki Ozawa 小沢あき (g)
Ami 亞弥 (dance)
Hiroyo Miura 三浦宏予 (dance)
Seika Miki 三木聖香 (voice)

ロシアのマリーヤ・コールニヴァは風の音からはじめてひたすらに透明感のある歌声を披露した。また、ウクライナのアーニャ・チャイコフスカヤは揺れ動きの部分を増幅したような声で、とても可憐なものだった。

しかしこの日の白眉は、明らかに、トルコのサーデット・テュルキョズだ(両親は東トルキスタンからの政治難民らしい)。最初はステージの外で2人、3人とがやがやと歌い話しあい、それが6人になった。その雑踏を持ち込みつつ、ステージ上でみせてくれたヴォイスは文字通り圧巻だった。泥や情をすべて吸いあげ、身体が崩壊するのではないかと思うほどエネルギーを声に転換する。動きもすべて声のために貢献する。そして最後には笑ったとしか言いようがないように笑った。チェ・ジェチェルの韓国打楽器とのコラボレーションも抜群だった。こんな人が世の中にいるんだなという驚きがあった。

最後にサインホがまた登場し、ユーモラスに会話を発展させるかのようなパフォーマンスをみせた。意外なメンバー、石塚俊明もサウンドに一体化せんと工夫していた。

終わってから地上出口にのぼったら、ビールを片手に持ったサインホさんがいた。1997年の来日時にサインしてもらったCDを含め、最愛の3枚にまた書いてもらった。

●サインホ・ナムチラック
サインホ・ナムチラック『Like A Bird Or Spirit, Not A Face』(2016年)
サインホ・ナムチラック『TERRA』(2010年)
サインホ・ナムチラックの映像(2008年)
モスクワ・コンポーザーズ・オーケストラ feat. サインホ『Portrait of an Idealist』(2007年)
テレビドラマ版『クライマーズ・ハイ』(2003年)(大友良英+サインホ)
サインホ・ナムチラックとサックスとのデュオ(1992-96年)


小林裕児展『田園の秘密』@ギャラリー椿

2018-09-30 13:06:19 | アート・映画

銀座のギャラリー椿で、小林裕児展『田園の秘密』を観る。

近くの里山のようでもあり、遠くの幻想的な世界のようでもあり。しかし、ちらりと一瞥して「かわいい」「奇妙」なんて感想を抱くと損をする。この世界の住人になったつもりで、長い時間をかけてじっと眺めていると、世界も登場人物も自分と一体化してくる。大きな作品「凱風遠音」を椅子に座ってずっと見ていたらそんな気持ちになってきた。

それにしても独特だ。手から放つ何かや舟だけでなく、なぜみんなの形や動きが弧を描いているのだろう。見つめる先が定まらぬ目は、大きなものに生かされていることも意思の強さも示しているようだ。

小林さんと少しお話をした。間に合ってよかった。

●小林裕児
『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越(2017年)
小林裕児個展『ドローイングとスケッチブック』@檜画廊(2017年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)


レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』

2018-09-29 11:22:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(BS Jazz Support、2018年)を聴く。

Raymond McMorrin (ts)
Mayuko Katakura 片倉真由子 (p)
Takumi Ayawa 粟谷巧 (b)
Gene Jackson (ds)

Body & Soulでのライヴ録音とスタジオ録音の2枚組。どちらも同じように楽しめるが、スタジオ録音のほうはレイモンドが多重録音したのかな(「Jammin' with Jesus」)。ライヴ録音にもライヴならではの燃え上がりがあって、たとえば、「For My Brother Andy」では、コルトレーンの「Countdown」のような雰囲気で、サックスとドラムスとがガチンコのデュオを続け、そこにピアノとベースが入ってくるときに一気にカタルシスが得られる。

レイモンドはときに吹く前に次の展開への迷いをみせる(ように聴こえる)。そして抜群のフレーズと音色を提示する。この微妙な隙間感がかれの魅力である。片倉さんは熱いのに、するっと入ってきてはクリシェのようなフレーズはまるで弾かず、するっと出ていく。クールなのに、音楽にはバンドへの一体感が常にあって、聴くたびに惹かれていく。そして、重たいくせにエンジンをふかして跳躍し、急発進急停止のキメ技を惜しげもなく出すジーン・ジャクソン。

大音量推奨。

●レイモンド・マクモーリン
レイモンド・マクモーリン+片倉真由子@小岩COCHI(2018年)
レイモンド・マクモーリン+山崎比呂志@なってるハウス(2017年)
レイモンド・マクモーリン+山崎比呂志@なってるハウス(2017年)
山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン(2017年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
レイモンド・マクモーリン@h.s.trash(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)

●片倉真由子
レイモンド・マクモーリン+片倉真由子@小岩COCHI(2018年)
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
北川潔『Turning Point』(2017年)

●ジーン・ジャクソン
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
ジーン・ジャクソン(Trio NuYorx)『Power of Love』(JazzTokyo)(2017年)
オンドジェイ・ストベラチェク『Sketches』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
及部恭子+クリス・スピード@Body & Soul(2015年)
松本茜『Memories of You』(2015年)
デイヴ・ホランド『Dream of the Elders』(1995年)


ジョー・マクフィー+パスカル・ニゲンケンペル+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『Imaginary Numbers』

2018-09-28 00:19:03 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョー・マクフィー+パスカル・ニゲンケンペル+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『Imaginary Numbers』(clean feed、2015年)を聴く。

Joe McPhee (pocket tp, ts)
Pascal Niggenkemper (b)
Stale Liavik Solberg (ds, perc)

先日来日していたソルベルグが持ち込んできていたCDのひとつ。

マクフィーならではのエネルギーフローとブルースがある。吹きっぱなしではなく、影にかくれては再び姿をあらわすスタイルであり、その有機物を思わせる濁った音はやはり人間の情。ニゲンケンペルは軋みを金属的なほどに極端なものとして、その極端さによってマクフィーを受けとめているように聴こえる。

ソルベルグはというと、突破や発破のドラムスではない。近くのものをフレンドリーに叩き、しならせ、たわませるサウンドである。この人の柔軟性やマイペースさは、ライヴを観ることで実感できる。(ところでかれは、わたしが数年前にインドネシアで一緒に調査をしたノルウェー人女性の高校の同級生であり、狭い世界だと言って笑いあった。それもあって妙に親近感を持っている)

●ジョー・マクフィー
ジョー・マクフィー+インゲブリグト・ホーケル・フラーテン『Bricktop』(2015年)
ユニヴァーサル・インディアンス w/ ジョー・マクフィー『Skullduggery』(2014年)
ジョー・マクフィー+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2013年)
ジョー・マクフィー『Sonic Elements』(2012年)
ロドリゴ・アマド『This Is Our Language』(2012年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(2011年)
ジョー・マクフィーとポール・ニルセン-ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』(2009年)
『Tribute to Albert Ayler / Live at the Dynamo』(2008年)
ジョー・マクフィーの映像『列車と河:音楽の旅』(2007年)
ウィリアム・パーカー、オルイェミ・トーマス、ジョー・マクフィーら『Spiritworld』(2005年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)

●パスカル・ニゲンケンペル
ハリス・アイゼンスタット『On Parade In Parede』(2016年)
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Garlic & Jazz』(JazzTokyo)(2015年)
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Ljubljana』(2015年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)
パスカル・ニゲンケンペル『Talking Trash』(2014年)
ジョー・ヘルテンシュタイン『HNH』(2013年)

●ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ
「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール(2018年)
ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri(2018年)
ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『True Colours』(2017年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』
(2015年)
シルヴァ+ラスムセン+ソルベルグ『Free Electric Band』(2014年)
2016年の「このCD・このライヴ/コンサート」


ハリス・アイゼンスタット『Recent Developments』

2018-09-26 23:55:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハリス・アイゼンスタット『Recent Developments』(Songlines、2016年)を聴く。

Anna Webber (fl)
Sara Schoenbeck (bassoon)
Nate Wooley (tp)
Jeb Bishop (tb)
Dan Peck (tuba)
Brandon Seabrook (banjo)
Hank Roberts (cello)
Eivind Opsvik (b)
Harris Eisenstadt (ds)

ハリス・アイゼンスタットの作曲の雰囲気も、繊細で緻密なドラミングも貢献しているのだと思うが、爽やかなほどの自遊空間の中で、明らかに、各演奏者が曲と即興の両方を愉しんでいる。こんな感じの縛り方と解放はとても良い。

弦と管とが重なり合う快感がある。また、ブランドン・シーブルックが執拗に同フレーズで攻め、ハンク・ロバーツが色気のあるピチカート、アイヴィン・オプスヴィークが上品によれてみせる弦3人の絡まりあい(5曲目)なんてとても素敵である。ネイト・ウーリーのトランペットは静かではあってもストイックな抑制ではなく、むしろ愉しみを忍び笑いのように隠していたりして、このように広々とした音楽空間にも向いているように思える。ダン・ペックのチューバが下でラインを作り、その上でアンナ・ウェバーがひゅううと伸びていくフルートを吹く時間もまた良い(9曲目)。

そして気が付くと、アイゼンスタットがドラムやシンバルを肌理の細かいタッチで響かせている。

●ハリス・アイゼンスタット
ハリス・アイゼンスタット『On Parade In Parede』(2016年)
ハリス・アイゼンスタット『Old Growth Forest』(2015年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
ザ・コンバージェンス・カルテット『Slow and Steady』(2011年)


ジャック・ディミエール+バリー・ガイ+ルーカス・ニゲリ『Brainforest』

2018-09-26 22:40:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジャック・ディミエール+バリー・ガイ+ルーカス・ニゲリ『Brainforest』(Intakt、2004-05年)を聴く。

Jacques Demierre (p)
Barry Guy (b)
Lucas Niggli (ds)

おそらくディミエールは、内部奏法だけでなく、鍵盤に対してさえもただならぬアプローチをしているのだろう。その手法と分かつことができないものとして、複数の音の波が重ね合わされて、実に奇妙で自由な運動空間が創り出されている。

粘りと強さとを共存させたようなガイのベースもまた、楽器との一体化というよりは、アプローチの音楽であるように思える。ディミエールとガイとが、そのようなキャラをもって、拳の打ち合いのような間合いの音楽を作り出している。運動が速すぎて捉えることができないからこそ面白い。

●ジャック・ディミエール
DDKトリオ+齋藤徹@下北沢Apollo(2018年)
DDKトリオ@Ftarri(2018年)
DDKトリオ『Cone of Confusion』(JazzTokyo)(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)

●バリー・ガイ
ガイ+クリスペル+リットン『Deep Memory』(2015年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
マッツ・グスタフソン+バリー・ガイ『Frogging』(1997年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)
ジョン・スティーヴンス+トレヴァー・ワッツ+バリー・ガイ『No Fear』(1977年)


大工哲弘、神谷幸一、徳原清文、金城恵子『唄綵』

2018-09-25 08:14:59 | 沖縄

大工哲弘、神谷幸一、徳原清文、金城恵子『唄綵』 (ディスクアカバナー、2018年)を聴く。

この大ヴェテランたちが持ち寄った41曲、沖縄本島から八重山まで。

大工哲弘の鼻にかかったような癖のある歌声はもちろん絶品であるし、金城恵子の潤いも、神谷幸一の少しモダンな感じも、井戸の中を覗き込むような徳原清文の深い声もまた良い。なんども繰り返してはうっとりする。

大工さん以外は実際のライヴを観たことがない。2016年には徳原清文の「歌の道50周年コンサート」に行こうと予定していたのに、テヘランで帰国便に乗り遅れた影響で断念したのだ。神谷さんも先日の東京でのコンサートに行けなかったし・・・。まあ、そのうち機会もあるだろう。

●大工哲弘
大工哲弘一人唄会@浅草木馬亭(2017年)
唖蝉坊と沖縄@韓国YMCA(2017年)
大工哲弘@みやら製麺(2017年)
板橋文夫『うちちゅーめー お月さま』(1997年)
大工哲弘『八重山民謡集』(1970年代?)

●金城恵子
「生活の柄」を国歌にしよう


ジョン・ラッセル+豊住芳三郎@稲毛Candy

2018-09-24 07:20:42 | アヴァンギャルド・ジャズ

稲毛のCandyにおいて、ジョン・ラッセルと豊住芳三郎とのデュオ(2018/9/23)。

John Russell (g)
Sabu Toyozumi 豊住芳三郎 (perc, 二胡)

豊住さんのプレイを観るのは久しぶりだ。特にこのようなインプロであると、意図的に演奏スタイルやグルーヴの慣性・連続性が断ち切られている。いや断ち切るというと嘘かもしれない。その分断工作の意図は明には見せず、端から分裂的である。

従って、豊住さんの動きからは目が離せない。重力の利用も跳躍もあった。慣性と連続性がないということは終わり方への執念もまたないということであって、3回の演奏すべて、ラッセルとの間合いの一瞬を読んでいきなり止める。これは見事だった。

ラッセルはこの日も柔らかく這うようであり、インプロの音はギターの胴体にへばりついていた。特に、弦の粘り気が活かされているように思えた。

●ジョン・ラッセル
「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール(2018年)
ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri(2018年)
豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』(2013年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
『News from the Shed 1989』(1989年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●豊住芳三郎
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)
ブロッツ&サブ@新宿ピットイン(2015年)
豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』(2013年)
豊住芳三郎『Sublimation』(2004年)
ポール・ラザフォード+豊住芳三郎『The Conscience』(1999年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『滄海』(1976年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『新海』、高木元輝+加古隆『パリ日本館コンサート』(1976年、74年)
豊住芳三郎+高木元輝 『もし海が壊れたら』、『藻』(1971年、75年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年)


「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール

2018-09-24 06:34:06 | アヴァンギャルド・ジャズ

両国門天ホールにおいて、日本ツアー中のジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンスがまた合流した(2018/9/22)。

John Russell (g)
Stale Liavik Solberg (ds)
Peter Evans (tp)
Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)

オープニングアクトは秋山徹次。ボトルネックでひたすらに倍音を創出し続けるパフォーマンスであり、いきなりここで時間の通常の流れが分断され、朦朧とさせられる。以前のライヴにおいて、演奏が終わるのかと共演者も観客も疑いつつ、秋山さんのみがじっと動かず時間が流れたことがあった(どうやらそれは「4分33秒」であったようなのだ)。氏には、個人の裡で決めたことを覚悟をもって表現するところがある。

続いて、ラッセルとソルベルグとのデュオ。ラッセルの音は、前に観たときに比べて、一音一音をやや事件のように突出させていると思えた(デレク・ベイリーに近づくように)。それはひょっとしたら、門天ホールの内装が木で覆われており響きが消えてしまうことへの反応かもしれなかった。ソルベルグもまた、シンプルな擦れやしなりの追及よりは、お茶目にあれこれと響きを試すほうに寄っていたようである。

ピーター・エヴァンスのソロ。驚いたことに、せんがわ2018の石川高と今西紅雪とのトリオにおける演奏のように、極めて抑制された小さな音からはじめた(なお、このことは後日のエヴァンスを囲む対談でも話題になった)。そこからは、スタイルは想定内でありながら音は常に想定を超えるという彼の表現。爆発、轟き、抑制、トランペットの不連続性の解消など、あらゆるものが提示された。テンションは一貫して維持され、おそらく誰もが圧倒され、いつまで続くのかという気持とずっと続いてほしいという気持とを併せ持っていたことだろう。

そして、ラッセル、ソルベルグ、エヴァンスのトリオ。ソルベルグはあくまで柔軟かつ発散的であり極めてユニーク。エヴァンスの多彩でエネルギーに満ちた音があり、一方、ラッセルもその連続し這うようなギターのサウンドによって、エヴァンスに匹敵する存在感をみせた。秋山さんが加わっていれば別種の緊張が楔のように介入していたことだろう。それも観たかった。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●秋山徹次
高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri(2018年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
池田謙+秋山徹次@東北沢OTOOTO(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)

●ジョン・ラッセル
ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri(2018年)
豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』(2013年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
『News from the Shed 1989』(1989年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ
ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri(2018年)
ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『True Colours』(2017年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』
(2015年)
シルヴァ+ラスムセン+ソルベルグ『Free Electric Band』(2014年)
2016年の「このCD・このライヴ/コンサート」

●ピーター・エヴァンス
JAZZ ARTせんがわ2018(2018年)
ピーター・エヴァンス+ウィーゼル・ウォルター『Poisonous』(2018年)
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
Pulverize the Sound、ケヴィン・シェイ+ルーカス・ブロード@Trans-Pecos(2017年)
コリー・スマイス+ピーター・エヴァンス『Weatherbird』(2015年)
ピーター・エヴァンス『House Special』(2015年)
Pulverize the Sound@The Stone(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
トラヴィス・ラプランテ+ピーター・エヴァンス『Secret Meeting』(2015年)
ブランカート+エヴァンス+ジェンセン+ペック『The Gauntlet of Mehen』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
チャン+エヴァンス+ブランカート+ウォルター『CRYPTOCRYSTALLINE』、『Pulverize the Sound』(2013、15年)
PEOPLEの3枚(-2005、-2007、-2014年)
ピーター・エヴァンス『Destiation: Void』(2013年)
ピーター・エヴァンス+アグスティ・フェルナンデス+マッツ・グスタフソン『A Quietness of Water』(2012年)
『Rocket Science』(2012年)
MOPDtK『(live)』(2012年)
ピエロ・ビットロ・ボン(Lacus Amoenus)『The Sauna Session』(2012年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)

ピーター・エヴァンス+サム・プルータ+ジム・アルティエリ『sum and difference』(2011年)
ピーター・エヴァンス『Ghosts』(2011年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ピーター・エヴァンス『Live in Lisbon』(2009年)
MOPDtK『The Coimbra Concert』(2010年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)
オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(2008年)
MOPDtK『Forty Fort』(2008-09年) 


廣木光一+永武幹子@cooljojo

2018-09-22 12:16:51 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojoで、廣木光一・永武幹子デュオ(2018/9/21)。cooljojoご主人の長谷川さん企画による。

Koichi Hiroki 廣木光一 (g)
Mikiko Nagatake 永武幹子 (p)

初顔合わせとはとても思えないほど相性が良く聴こえる。ふたりとも心底リラックスして愉しそうだ。しかもcooljojoの響きの良い音空間。

それにしても、廣木さんのギターを聴くたびに特別な音楽だとの印象を抱く。感動するだの沁み入るだの味だのといった領域を超えて、たいへんな強度を持ちつつキリキリに澄みきっている。一音一音から耳を剥がすことができない。何なんだろう。

驚いたことに「平和に生きる権利」を廣木さんが弾き始めた。永武さんのピアノがそれに分厚さを足してゆく。ファーストセットの最後は「A Time for Love」だったか、ここでふたりの音ががっちりと噛み合ったように感じられた。

今回ならではの選曲は、2年前に店が開いたときに廣木さんが作曲した「cooljojo」。永武さんのピアノも見事で、強弱を効果的に付け、少し歌いもしながら弾き切った。たぶん集まった人みんなが愉しんでいた。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●廣木光一
廣木光一+渋谷毅『Águas De Maio 五月の雨』(2018年)
高田ひろ子+廣木光一@本八幡cooljojo(2017年)
安ヵ川大樹+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
吉野弘志+中牟礼貞則+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
Cooljojo Open記念Live~HIT(廣木光一トリオ)(JazzTokyo)(2016年)
廣木光一(HIT)@本八幡cooljojo(2016年)
廣木光一『Everything Shared』(2000年)
廣木光一『Tango Improvisado』(1995年)

●永武幹子
植松孝夫+永武幹子@中野Sweet Rain(2018年)
永武幹子+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
永武幹子+類家心平+池澤龍作@本八幡cooljojo(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
酒井俊+永武幹子+柵木雄斗(律動画面)@神保町試聴室(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
MAGATAMA@本八幡cooljojo(2017年)
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)


ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri

2018-09-21 06:54:15 | アヴァンギャルド・ジャズ

ゲリラ豪雨に遭ってずぶ濡れになり、水道橋のFtarri(2018/9/18)。

John Russell (g)
Stale Liavik Solberg (ds)
suzueri すずえり (prepared p)
Riuichi Daijo 大上流一 (g)
Ko Ishikawa 石川高 (笙)
Ami Yamasaki 山崎阿弥 (voice)

■ ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ+すずえり

すずえりさんのモーターと、ソルベルグが擦る音とが奇妙に重なる。ソルベルグはドラムにマレットやブラシを押し付けて、予定のリズムに乗せるのではなく、リズムを地べたで作る感覚。そこには重力や慣性があまりない。これは実にユニークな個性で、終始フレキシブルだった。また、シンバルなどの「しなり」の感覚も有効に使った。

これに対してすずえりさんはさほどトリッキーな行動に出ず、間をもたせたピアノや、シンプルなモーターの利用や、くさりでのプリペアドなどによって遊んだ。ソルベルグのほうを振り返って、また呼吸を重ならせた。

■ ジョン・ラッセル+大上流一

ラッセルのギターは音量が比較的平坦だ。しかしその領域から紛れもない個性が放たれている。さまざまなピックや指で音色を変え、ときに柔らかく、ときに地を這うように、十二音を公平に扱った。これに対して大上さんのそれは跳躍もし、「事件」のように響いた。

演奏の最後に、大上さんが鳴らすか鳴らさないかというところで(蛇足なので鳴らしてほしくなかったのだ)、鳴らさずに、弦を擦った。そしてラッセルはお茶目に微妙に一音を出した。この締め方は両者見事だった。

■ ジョン・ラッセル+石川高+山崎阿弥+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ

周辺音から突然サウンドのレベルを持ち上げる石川さんの笙。これにラッセルとソルベルグとが可愛い音で応じ、程なくして、山崎さんがシュウウと宇宙人のように入ってくる。

ここからは四者別次元の音が複層を成したサウンドが展開された。ラッセルのかきむしりの中には鳥が居る。静かに笑ったりもする。山崎さんは咳をしてしまったのか意図的だったのか、それを別のヴォイスに発展させてゆく。石川さんのキーボードのような音も、ソルベルグの擦音も素晴らしい。四者は静かな雰囲気下でも蠢き続ける。

山崎さんが胸を叩き、ラッセルが指の腹でギターをパーカッションのように扱い、演奏も終焉に向かうのかと思ったら、ソルベルグが細い針金を使って静かに挑発をはじめた。まるで全員に話しかけているように聴こえる。ラッセルがギターの胴体と弦を擦る。そして、ここで笙とヴォイスにより、世界にまた色がついた。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●ジョン・ラッセル
豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』(2013年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
『News from the Shed 1989』(1989年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ
ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『True Colours』(2017年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』
(2015年)
シルヴァ+ラスムセン+ソルベルグ『Free Electric Band』(2014年)
2016年の「このCD・このライヴ/コンサート」

●すずえり
角銅真実+横手ありさ、田中悠美子+清田裕美子、すずえり+大城真@Ftarri(2018年)
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
Zhao Cong、すずえり、滝沢朋恵@Ftarri(2018年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
すずえり、フィオナ・リー『Ftarri de Solos』(2017年)

●大上流一
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri(2018年)
Shield Reflection@Ftarri(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)

リアル・タイム・オーケストレイション@Ftarri(2016年)

●石川高
JAZZ ARTせんがわ2018(2018年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
エヴァン・パーカー@スーパーデラックス(2016年)

●山崎阿弥
JAZZ ARTせんがわ2018(2018年)
石原雄治+山崎阿弥@Bar Isshee(2018年)
岩川光+山崎阿弥@アートスペース.kiten(2018年)


JAZZ ARTせんがわ2018

2018-09-20 00:54:02 | アヴァンギャルド・ジャズ

JAZZ ARTせんがわ2018。9月15日(土)と16日(日)に足を運んだ。

■ 詩×音楽

Mizuki Misumi 三角みづ紀 (詩)
Tatsuro Kondo 近藤達郎 (p)

Koichi Makigami 巻上公一 (詩)
Werner Puntigam (tp, ほら貝)
Rabito Arimoto 有本羅人 (tp, bcl)

Kazuko Shiraishi 白石かずこ (詩)
Itaru Oki 沖至 (tp, 笛)
Kiyoto Fujiwara 藤原清登 (b)

三角みず紀、巻上公一、白石かずこ。三者三様のポエトリーリーディング。声をなかなか発しない三角みず紀、声ならぬ声を表現した巻上公一、いまだまったく衰えぬ異次元感の白石かずこ、すべて素晴らしかった。詳細後日。

■ 坂本弘道ディレクション ピーター・エヴァンス×石川高×今西紅雪/千野秀一/坂本弘道

Peter Evans (tp)
Ko Ishikawa 石川高 (笙)
Kohsetsu Imanishi 今西紅雪 (箏)
Shuichi Chino 千野秀一 (p, Urklavier)
Hiromichi Sakamoto 坂本弘道 (cello)

最近行ったインタビューにおいて、ピーター・エヴァンスはこれまで経験のない和楽器の石川高、今西紅雪との共演を楽しみにしていると語っていた。期待通り、その三者の演奏は空気が張りつめていて、同時にとても楽しいものだった。そして千野秀一ソロに続き、エヴァンス、千野、坂本のトリオ。エヴァンスの放つ音が圧倒的な存在感と量を持っており、そのためにちょっとした緊張が走った。詳細後日。

■ 坂本弘道ディレクション ローレン・ニュートン×ハイリ・ケンツィヒ×山崎阿弥×坂本弘道×花柳輔礼乃×ヒグマ春夫

Lauren Newton (voice)
Heiri Känzig (b)
Ami Yamasaki 山崎阿弥 (voice)
Haruo Higuma ヒグマ春夫 (映像)
Sukeayano Hanayagi 花柳輔礼乃 (日本舞踊)
Hiromichi Sakamoto 坂本弘道 (cello)

ローレン・ニュートンと山崎阿弥というヴォイスふたりを、ハイリ・ケンツィヒと坂本弘道という弦ふたりがはさみ込む。これは何かの奇跡的な時間か。詳細後日。

■ Quebec/Japanプログラム

René Lussier (g)
Luzio Altobelli (accordeon)
Julie Houle (tuba)
Marton Maderspach (perc)
Robbie Kuster(perc)
Takashi Harada 原田節 (Ondes Martenot)
Koichi Makigami 巻上公一 (theremin)
Akiko Nakayama 中山晃子 (映像)

賑々しく愉快なルネ・リュシェクインテット。特にジュリー・ウルが大きなチューバを抱きかかえて立ち見事な演奏をみせたのには驚いた。

■ 藤原清登ディレクション 坂田明×ピーター・エヴァンス×藤原清登×レジー・ニコルソン×藤山裕子

Akira Sakata 坂田明 (as)
Peter Evans (tp)
Kiyoto Fujiwara 藤原清登 (b)
Reggie Nicholson (ds)
Yuko Fujiyama 藤山裕子 (p)

ピーター・エヴァンスのソロ、藤山裕子とレジー・ニコルソンのデュオ、クインテットの順。ソロの超絶技巧には圧倒された。藤山裕子の自由な雰囲気にも魅せられた。彼女はエヴァンスとの絡みでも実に繊細で機敏なところを見せてくれた。詳細後日。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●巻上公一
クリス・ピッツィオコス+ヒカシュー+沖至@JAZZ ARTせんがわ(JazzTokyo)(2017年)
ヒカシュー@Star Pine's Cafe(2017年)

●ピーター・エヴァンス
ピーター・エヴァンス+ウィーゼル・ウォルター『Poisonous』(2018年)
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
Pulverize the Sound、ケヴィン・シェイ+ルーカス・ブロード@Trans-Pecos(2017年)
コリー・スマイス+ピーター・エヴァンス『Weatherbird』(2015年)
ピーター・エヴァンス『House Special』(2015年)
Pulverize the Sound@The Stone(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
トラヴィス・ラプランテ+ピーター・エヴァンス『Secret Meeting』(2015年)
ブランカート+エヴァンス+ジェンセン+ペック『The Gauntlet of Mehen』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
チャン+エヴァンス+ブランカート+ウォルター『CRYPTOCRYSTALLINE』、『Pulverize the Sound』(2013、15年)
PEOPLEの3枚(-2005、-2007、-2014年)
ピーター・エヴァンス『Destiation: Void』(2013年)
ピーター・エヴァンス+アグスティ・フェルナンデス+マッツ・グスタフソン『A Quietness of Water』(2012年)
『Rocket Science』(2012年)
MOPDtK『(live)』(2012年)
ピエロ・ビットロ・ボン(Lacus Amoenus)『The Sauna Session』(2012年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)

ピーター・エヴァンス+サム・プルータ+ジム・アルティエリ『sum and difference』(2011年)
ピーター・エヴァンス『Ghosts』(2011年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ピーター・エヴァンス『Live in Lisbon』(2009年)
MOPDtK『The Coimbra Concert』(2010年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)
オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(2008年)
MOPDtK『Forty Fort』(2008-09年) 

●ローレン・ニュートン
ローレン・ニュートン+齋藤徹+沢井一恵『Full Moon Over Tokyo』(2005年)
ウィーン・アート・オーケストラ『エリック・サティのミニマリズム』(1983、84年)

●ハイリ・ケンツィヒ
チコ・フリーマン『Spoken Into Existence』(2015年)
チコ・フリーマン+ハイリ・ケンツィヒ『The Arrival』(2014年)

●山崎阿弥
石原雄治+山崎阿弥@Bar Isshee(2018年)
岩川光+山崎阿弥@アートスペース.kiten(2018年)

●坂田明
サイモン・ナバトフ@新宿ピットイン(2017年)
『浅川マキを観る vol.3』@国分寺giee(2017年)
坂田明+今井和雄+瀬尾高志@Bar Isshee(2016年)
ジョー・モリス@スーパーデラックス(2015年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(2011年)
見上げてごらん夜の星を(坂田明『ひまわり』、2006年)
浅川マキ『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏家たちのOKをもらった』(1980年)
浅川マキ『Maki Asakawa』(主に1970年代)


サインホ・ナムチラックとサックスとのデュオ

2018-09-16 10:30:22 | アヴァンギャルド・ジャズ

今年久しぶりに来日するサインホ・ナムチラック。彼女がサックス奏者とのデュオで録音したディスクは、わたしの知る限り3枚ある。

姜泰煥+サインホ・ナムチラック『Live』(Free Improvisation Network Record、1993年)
サインホ・ナムチラック+ネッド・ローゼンバーグ『Amulet』(Leo Records、1992-1995年)
エヴァン・パーカー+サインホ・ナムチラック『Mars Song』(Victo、1996年)

それぞれサックス奏者の個性があらわれていて面白い。ネッド・ローゼンバーグのドライなフラグメント、エヴァン・パーカーの奔流、姜泰煥の情の濁流。とりわけサインホがその声の多彩さをもっとも発揮し、共演としてももっとも高水準なものは、姜泰煥との共演盤だと思っている。

しかし、最近の作品を聴くと、サインホの声は、これらの作品において聴ける突き刺すようなものではなく、もっと熟してまろやかなものになっているのではないかと感じる。ライヴが楽しみだ。

Kang Tae Hwan 姜泰煥 (as)
Sainkho Namtchylak (vo)

Sainkho Namtchylak (vo)
Ned Rothenberg (as, bcl, shakuhachi)

Evan Parker (ss, ts)
Sainkho Namtchylak (vo)

●サインホ・ナムチラック
サインホ・ナムチラック『Like A Bird Or Spirit, Not A Face』(2016年)
サインホ・ナムチラック『TERRA』(2010年)
サインホ・ナムチラックの映像(2008年)
モスクワ・コンポーザーズ・オーケストラ feat. サインホ『Portrait of an Idealist』(2007年)
テレビドラマ版『クライマーズ・ハイ』(2003年)(大友良英+サインホ)


「ノイズ・アセンブリー」とは何か?——AMFと台北アート・フェスティバルに見る音楽/美術の最新動向@三鷹SCOOL

2018-09-16 09:54:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

せんがわ2018でピーター・エヴァンスらのパフォーマンスを観て、少しかれと話をして、三鷹のSCOOLに足を運んだ(2018/9/15)。

先日台北において、アジアン・ミーティング・フェスティバル(AMF)のひとつとして、ノイズ・アセンブリー(Noise Assembly)と題した音楽祭が開かれた。この日は、細田成嗣、金子智太郎、dj sniffの3氏によるその報告会。

詳細はいずれ何かの形になるのだろうと期待する。知らない分野の話でとても面白かった。


impro cats・acoustic@なってるハウス

2018-09-15 08:47:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

入谷のなってるハウス(2018/9/14)。

Akemi Shoomy Taku 宅Shoomy朱美(p, vo, voice)
Naoko Kitazawa 北沢直子 (fl)
Chiho Suzuki 鈴木ちほ (bandoneon)

独特で惹きこまれる宅Shoomy朱美さんの音楽世界。何語かも判らないことばと歌、それを追認するように後追いでたゆたうように響くピアノ。前半はオリジナル中心、後半は「So in Love」、「Everytime We Say Goodbye」、「God Bless the Child」のスタンダードも演った。

この夢の中、濃霧の中に、他人の影が見え隠れする。鈴木ちほさんのバンドネオンは霧にまた別の霧をかぶせるようだった。また、北沢直子さんのフルートはそれに動きの次元を追加し、霧の中に向こう側が視えるポケットを作った。ときに「Rhapsody in Blue」や「Jitterbug Waltz」を思わせるフレーズが聴こえてきて愉しかった。

ところで、なってるハウス近くの居酒屋みっちゃんは、やはり旨いそうである。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●北沢直子
スズキイチロウ+北沢直子+磯部ヒデキ@東向島プチローズ(2018年)

●鈴木ちほ
鈴木ちほ+荻野やすよし(solo solo duo)@高円寺グッドマン(2018年)
鳥の未来のための螺旋の試み@ひかりのうま(2017年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)
りら@七針(2017年)
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)