Sightsong

自縄自縛日記

田上碧@Ftarri

2020-12-31 22:09:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2020/12/31)。

Aoi Tagami 田上碧 (vo, g)

即興ヴォイス中心ではなく歌物。自作曲、ちあきなおみや槇原敬之らのカヴァー曲、また自作曲と30分ずつの3セットを演った。

声は意外にも透き通っており、それがおしゃべりやひとりごとと自然につながっている。旋律という道に沿って周囲を眺めながら歩を進めるようでもあり、その感覚が新鮮でとてもよかった。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●田上碧
池田陽子、増渕顕史、野川菜つみ、田上碧、メーガン・アリス・クルーン@Ftarri(2019年)
田上碧+徳永将豪+松本一哉@Ftarri (2019年)
山田光+坂本光太@Ftarri
(2019年)


中牟礼貞則@本八幡cooljojo

2020-12-28 07:56:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojo(2020/12/27)。

Sadanori Nakamure 中牟礼貞則 (g)

惚れ惚れしてしまう透き通った音色と、思索がスピーディに指を経て弦に伝えられるアドリブ。最初から最後まで感嘆しながら聴き入った。(この素晴らしい音は、最新のソロCD『Detour Ahead』(地底レコード)にも捉えられている。)

Close Enough for Love(ジョニー・マンデル)、Beatrice(サム・リヴァース)、Time Remembered(ビル・エヴァンス)、My Funny Valentine、Never Let Me Go、Look for the Silver Lining(チェット・ベイカーが演った曲)、In a Sentimental Mood(デューク・エリントン)、Skylark(ジム・ホールのソロを意識して)、All Across the City(ジム・ホールの曲をホール的ではないアプローチで)、Stella by Starlight、Detour Ahead(ビル・エヴァンスが演ったというだけで当時はたいへんなことだったという)、I Hear a Rhapsody、Darn that Dream、アンコールに何だったかセロニアス・モンクの曲。

終わってからいろいろ貴重なお話を伺い、1963年の『銀巴里セッション』のLPにサインをいただいた。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●中牟礼貞則
吉野弘志+中牟礼貞則+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
宮野裕司+中牟礼貞則+山崎弘一+本多滋世@小岩フルハウス(2013年)
中牟礼貞則『Remembrance』(2000年)
内田修ジャズコレクション『宮沢昭』(1976-87年)
『銀巴里セッション 1963年6月26日深夜』(1963年)


土井善晴さんと中島岳志さんの対談本『料理と利他』

2020-12-27 10:03:16 | 食べ物飲み物
土井善晴さんと中島岳志さんの対談本『料理と利他』(ミシマ社、2020年)がとっても刺激的。『コロナ後の世界』(筑摩書房)に収録された中島岳志「一汁一菜のコスモロジー――土井善晴論」を読んでおおおもしろいなと思っていたばかりで(仕事が環境問題だからなんでも相手にするんですよ)、さっそく読んだ。もとより土井先生の独特な自由さや脱力感はずっと気になっていた。
ここでなんども強調される「レシピばかりを見てはいけない」、「むらがあったほうが美味しい」(同じ食材の中でも!)という思想は、実は、間違いのない設計思想や、こうでなければならないという権威への依存や、身体感覚と切り離した機能への過信など、行き過ぎた近代への批判でもあった。それも、愉しくてナチュラルな。オススメ。

照内央晴+喜多直毅@本八幡cooljojo

2020-12-26 09:43:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojo(2020/12/25)。

Hisaharu Teruuchi 照内央晴 (p)
Naoki Kita 喜多直毅 (vln)

意外に思えたこのデュオもこの日で6度目。これまでなかなか機会がなくて、はじめて観ることができた。共演を積み重ねたからか、緊張感はあっても両者とも「遠慮せずやりたいことをやる」という雰囲気が出ていた。

対照的に提示され、あるいは強調されたのは、ポルタメントと単音との違い。喜多さんはマージナルな音領域にも平然と侵犯しつつ、連続的にあらゆるところに耳を連れて行ってくれる。ときに音が単線から複線となりどこから出ているのかと驚かされた。それに対し照内さんは和音よりも単音を多く使い、組み立てが違うことを前提としてサウンドを作っていった。敢えて音数を少なくし、ひとつひとつの音の強度を高めているようにも思えた。

そのような併存と拮抗のなかでときおりの事件が起き、それぞれの動きをみせるのがおもしろい。ヴァイオリンが突然そのような身振りとともに離脱しても敢えてピアノはピアノ世界を維持する。ヴァイオリンの弓の振幅に対し、ピアノのフレーズでの振幅。不協和音に不協和音。ヴァイオリンの弦の振幅とともに増してくる音の厚みに対し、ピアノの跳躍することによる音の多様化(アクションペインティング的)。乱暴に跳ねるヴァイオリンに対し着地点を見出そうとするピアノ。細くて切れそうなヴァイオリンの蜘蛛の糸、それによる喪失感に理解を示すようなピアノ。ガラスのように割れてしまいそうなヴァイオリンの疾走、諦念の美しさをみせるピアノ。

最後に付け加えられた短い即興は、狂の遊戯だった。遊びながらの音が眼前を上下左右に通過した。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●照内央晴
豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2020年)
藤山裕子+照内央晴+吉田隆一+吉田つぶら@なってるハウス(2020年)
吉田達也+照内央晴@荻窪Velvet Sun(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@山猫軒(2020年)
庄子勝治+照内央晴@稲毛Candy(2020年)
松本一哉+照内央晴+吉本裕美子@水道橋Ftarri(2020年)
照内央晴+加藤綾子@本八幡cooljojo(2020年)
神保町サウンドサーカス(直江実樹+照内央晴、sawada)@神保町試聴室(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2020年)
千野秀一+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
奥田梨恵子+照内央晴@荻窪クレモニア(2019年)
豊住芳三郎+コク・シーワイ+照内央晴@横濱エアジン(2019年)
照内央晴+加藤綾子@神保町試聴室(2019年)
特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴@なってるハウス(2019年)
豊住芳三郎インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+庄子勝治+照内央晴@山猫軒(2019年)
豊住芳三郎+老丹+照内央晴@アケタの店(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2019年)
吉久昌樹+照内央晴@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2019年)
照内央晴、荻野やすよし、吉久昌樹、小沢あき@なってるハウス(2019年)
照内央晴+方波見智子@なってるハウス(2019年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+吉本裕美子+照内央晴@高円寺グッドマン(2018年)
照内央晴+川島誠@山猫軒(2018年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2018年)
『終わりなき歌 石内矢巳 花詩集III』@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2018年)
Cool Meeting vol.1@cooljojo(2018年)
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)
ネッド・マックガウエン即興セッション@神保町試聴室(2017年)
照内央晴・松本ちはや《哀しみさえも星となりて》 CD発売記念コンサートツアー Final(JazzTokyo)(2017年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』@船橋きららホール(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』(JazzTokyo)(2016年)
照内央晴「九月に~即興演奏とダンスの夜 茶会記篇」@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)

●喜多直毅
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2020年)
喜多直毅+元井美智子+西嶋徹@本八幡cooljojo(2020年)
喜多直毅+元井美智子+久田舜一郎@松本弦楽器(JazzTokyo)(2020年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
ハインツ・ガイザー・アンサンブル5@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
喜多直毅+西嶋徹『L’Esprit de l’Enka』(JazzTokyo)(-2019年)
宅Shoomy朱美+北田学+鈴木ちほ+喜多直毅+西嶋徹@なってるハウス(2019年)
喜多直毅+元井美智子+フローリアン・ヴァルター@松本弦楽器(2019年)
徹さんとすごす会 -齋藤徹のメメント・モリ-(2019年)
喜多直毅+翠川敬基+角正之@アトリエ第Q藝術(2019年)
熊谷博子『作兵衛さんと日本を掘る』(2018年)
喜多直毅クアルテット「文豪」@公園通りクラシックス(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(2018年)
ファドも計画@in F(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2017年)
黒田京子+喜多直毅@中野Sweet Rain(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
喜多直毅クアルテット@求道会館(2017年)
ハインツ・ガイザー+ゲリーノ・マッツォーラ+喜多直毅@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
喜多直毅クアルテット@幡ヶ谷アスピアホール(JazzTokyo)(2017年)
喜多直毅・西嶋徹デュオ@代々木・松本弦楽器(2017年)
喜多直毅+田中信正『Contigo en La Distancia』(2016年)
喜多直毅 Violin Monologue @代々木・松本弦楽器(2016年)
喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)http://www.jazztokyo.com/best_cd_2015a/best_live_2015_local_06.html(「JazzTokyo」での2015年ベスト)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年) 


『阿部薫2020 僕の前に誰もいなかった』

2020-12-26 09:28:44 | アヴァンギャルド・ジャズ

『阿部薫2020 僕の前に誰もいなかった』(文遊社)。

「阿部薫の他国への伝播と影響」を寄稿した。

Special thanks for giving me great comments or helps: Clifford Allen, Henry Kaiser, Weasel Walter, Matt Mottel, Michael Foster, Patrick Shiroishi, Piero Bittolo Bon, Liudas Mockūnas, Louise D.E. Jensen, Florian Walter, I-Cheng Lin, Kato David Hopkins, Minyen Hsieh, 王啟光, Xiao Liu, Lao Dan, Zhu Wenbo, Zhao Cong, Liu Lu, 山本達久, 崔善培, 香村かをり, 佐藤行衛, Alfred Harth, Han Joo Lee, OKI Kim, Sung Wan Kim, Siew-Wai Kok, Yong Yandsen, Gürkan Baltacılar, Martin Escalante. And thanks for giving me opportunity: 奈良真理子 and 大島彰 さん

 

阿部薫2020 僕の前に誰もいなかった

著者 大友良英、他=著 
定価 2,700円+税
判型・造本 四六判変形、上製、320頁
ISBN 978-4-89257-125-1

夭折のフリージャズサックス奏者・阿部薫。 阿部の音楽は、21 世紀をどう「生き延びる」のか――大友良英、不破大輔など、現代の音楽シーンの第一線で活躍するミュージシャンら総勢 43 名が<阿部薫は何をし、何をしようとしていたのか>を語り、考察する!

執筆者: 大友良英、不破大輔、柳川芳命、吉田隆一、橋本孝之、纐纈雅代、吉田野乃子、沖縄電子少女彩、剛田武、大谷能生、 ペーター・ブロッツマン、クリス・ピッツィオコス(以上、ミュージシャン)、スズキコージ(画家)、田中啓文(作家)など 

 「『お前らに殺されてたまるか!』阿部薫があの世でこの本を読んだらきっとそう叫んだに違いない」……大友良英

装幀 佐々木暁

(2020年12月中旬発売予定)

☆2020年、阿部薫のCD、続々と発売されています☆  
北海道での未発表ライヴ音源、渋谷での未発表ライヴ音源、3枚組BOXセットが発売!!
『19770916@AYLER. SAPPORO』 阿部薫 2020年04月15日
『LIVE AT JAZZBED / ライヴ・アット・ジャズベッド』
高柳昌行・阿部薫・山崎弘 2020年04月29日  
『STATION '70 / ステーション '70』高柳昌行&阿部薫 2020年05月27日  
『完全版 東北セッションズ 1971』 阿部薫 2020年09月20日  

あの人は天才ですから(一九七八年、『週刊朝日』より)
ある一時期……彼は、わたしの宗教であった(一九七九年)

ーー鈴木いづみ

目 次

A Short Letter to Kaoru Abe  b
阿部薫への短い手紙 ペーター・ブロッツマン
序 大友良英

耳をすませば沈黙の音 (silent)

『阿部薫タイジ』 清水博子
阿部薫のソロインプロビゼーション 田中啓文
1978年7月7日の阿部薫~以来断ち切れぬ影 柳川芳命
音楽以上の何か 橋本孝之
アートの奇跡 sara
阿部薫の音楽についての断想 奈良真理子
阿部薫の亡霊に取り憑かれて 畠山地平

私の好きなアルバム (record)

『ラストデイト』 五十嵐広樹
『19770916@AYLER, SAPPORO』 イギー・コーエン
ジャズサックス奏者としての阿部薫を味わい尽くす 石井和雄
1971年東北ツアーの記録 金子泰久
阿部薫の3枚 笹山皆樹
『ラストデイト』 定淳志
『彗星パルティータ』とか Dicekex
『LAST DATE』 伊達伯欣
ロックを聴いて育ってきた Tucci
アンビエント、阿部薫 宮本隆
『STUDIO SESSION 1976.3.12 』 吉田野乃子

生きている音。それが音だから。
それしか、出すつもりねえし。 (sound)

幻想の東京 1978-2020 ナカムラハジメ
俺は加速している 秋山徹次
超 阿部薫現象 纐纈雅代
阿部薫 不破大輔
阿部薫について 川島誠
阿部薫にまつわる断章 横井一江
阿部薫の楽器と技法について 吉田隆一
楽器の無意識について 大谷能生

特別中の特別なアルバム紹介 (record-2)

〝特別中の特別〟を持つ表現者・阿部薫の3枚 高良俊礼
『なしくずしの死』『北』『19770916@AYLER, SAPPORO』

スペシャル (special)

阿部薫さんを聴いて 沖縄電子少女彩
阿部薫へのオマージュ クリス・ピッツィオコス
私は阿部薫やデレク・ベイリーが苦手だった 杉本拓
阿部薫の他国への伝播と影響 齊藤聡
地下アイドルとしての阿部薫 剛田武

制作者またはレコ屋の話 (produce)

もう一つの解体的交感 斉藤安則
阿部薫 関根豊
マイナーなネットワークがつなぐ阿部薫の音 沼田順
阿部薫の『モノ』と『価値』 塙耕記
知識として貯蔵できない音 高良俊礼

メモリアル (memorial)

阿部薫という出来事 長嶋康郎
『びーどろ』の夜 奈良明
アベ・マリア スズキコージ  
小野好恵さんへの便り 阿部薫 
阿部薫のこと…… 鈴木いづみ
  
執筆者紹介
編集後記 大島彰

☆好評既刊☆

阿部薫1949 - 1978 増補改訂版  定価 3,500円+税

伝説に包まれ、29歳で夭逝した天才アルトサックス奏者の生と死とその屹立する音の凄まじさを、五木寛之、中上健次、村上龍、原尞、浅川マキ、大友良英、坂田明、山下洋輔、近藤等則、坂本龍一、若松孝二、芥正彦、副島輝人他67人が語る異色評伝。【増補:阿部薫インタビューby阿部真郎】

ぼくは誰よりも速くなりたい 阿部薫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鈴木いづみ×阿部薫 ラブ・オブ・スピード  定価 2,000円+税

伝説の作家とジャズミュージシャン、時代を駆け抜けた最速のカップル

速度が問題なのだ 鈴木いづみ

【本文より】
村上春樹や村上龍、僕とか山田詠美のエッセンスって、じつはすでに鈴木いづみが70年代に書いていたようなものなんだよね・・・高橋源一郎
鈴木いづみのSFには、ノスタルジーではなく“いま”がある・・・大森望
作中に漂う強い諦念と、プラスチックみたいな透明な明るさが、切実で美しい・・・三浦しをん
阿部薫は極北にひとりで立っていた・・・町田康
鈴木いづみさんは、そこにいるだけで危機感に充ちていた・・・田原総一朗
こんなふたりが一緒にいたのか!?[…]天才が出会って結ばれたのか……うぅ映画みたい!・・・新藤風
【インタビュー】他人の三倍くらい自由に生きたふたり  若松孝二[聞き手/平沢剛]
【鈴木いづみ写真館】荒木経惟【阿部薫写真館】南達雄
【鈴木いづみ×阿部薫】大友良英/山中千尋/加部正義/戸川純/あがた森魚/近田春夫/与那原恵/佐藤江梨子/今野勉/四方田犬彦/平井玄/原雅明/騒恵美子他

阿部薫(アルトサックス、他)

1949年5月3日、神奈川県川崎生まれ。父の影響でジャズに親しみ、ほぼ独学で楽器をマスターした。高校を2年で中退、横須賀基地で黒人たちとジャム・セッションを展開、すでにフリーフォームだったという。
68年19歳。川崎「オレオ」にてデビュー。
69年20歳。芥正彦と出会って晩年まで親交を深める。
70年21歳。高柳昌行ニューディレクションとして注目された後、ソロを中心とした演奏活動を全国各地で展開する。アルト1本で先入観のリセットを迫るような激しい演奏は、商業シーンとは別のところで心酔するファンを生み続けた。
73年24歳。鈴木いづみと出逢い結婚、魂のぶつかり合いのような関係を生涯続けることになる。
78年9月9日、急性胃穿孔のため死去。
彼を題材にした小説に、稲葉真弓「エンドレス・ワルツ」、映画に、若松孝二の同名作品がある。

●阿部薫
1977年の阿部薫
(1977年)
阿部薫+山崎弘『Jazz Bed』(1971年)
豊住芳三郎インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
のっぽのグーニー+竹下勇馬、阿部薫没有未来@大崎l-e(2019年)
ニュージャズホールって何だ?@新宿ピットイン(2018年)


Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision

2020-12-25 08:04:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

阿佐ヶ谷のYellow Vision(2020/12/24)。

FORCE
Tetsuji Yoshida 吉田哲治 (tp)
Masafumi Minato 湊雅史 (ds)
Komari 小林真理子 (b)
Ippei Kato 加藤一平 (g)

今年Forceを結成してから5度目のライヴになるようで、自分は直近の2度を見逃したのでこの日が3度目。

ジャズロックで突き進むぜ的なものからずいぶん自由度も増してきたように思える。加藤さんがおもむろに分厚くわけのわかんない音を出すと横のコマリさんがにやりとする。そのコマリさんは淡々と、しかし愉しそうにグルーヴを作りだしている。湊さんのびしびし叩き折るようなドラムスも吉田さんの渋いトランペットも嬉しい。

来年さらに変貌していくことに期待。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●吉田哲治
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
吉田哲治+永武幹子@なってるハウス(2020年)
吉田哲治+栗田妙子@東中野セロニアス(2020年)
吉田哲治『December』、『Eternity』(2019年)
吉田哲治『Jackanapes』(2018年)
FIVES & 鈴木常吉『童謡』(1991年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』
(1988年)
生活向上委員会大管弦楽団『This Is Music Is This?』(1979年)

●小林真理子
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)

●加藤一平
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
シワブキ@なってるハウス(2019年)
騒乱武士『秋田・鎌鼬の里ライブ』(2019年)
鳴らした場合、20 Guilders@高円寺円盤(2018年)
波多江崇行+加藤一平@なってるハウス(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
竹内直+加藤一平@セロニアス(2017年)
鈴木勲セッション@新宿ピットイン(2014年)

●湊雅史
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)
Force@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2020年)


石田幹雄トリオ@稲毛Candy

2020-12-22 08:10:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

稲毛のCandy(2020/12/21)。

Mikio Ishida 石田幹雄 (p)
Takashi Seo 瀬尾高志 (b)
Ittetsu Takemura 竹村一哲 (ds)

こんなに素晴らしいピアニストだったか。複雑な旋律と和音の組み合わせが奔流となって観客を呑み込んだ。三者の強度ゆえこのトリオ、ということもあるだろう。(セカンドセットの途中でベースの弦が切れて張りなおすハプニングがあり、これもまた演奏のいい味付けになった。)

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●石田幹雄
松風鉱一+上村勝正+石田幹雄@本八幡cooljojo(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
後藤篤@アケタの店(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年)
石田幹雄『時景』(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
後藤篤『Free Size』(2016年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
纐纈雅代 Band of Eden @新宿ピットイン(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
吉田隆一+石田幹雄『霞』(2009年)
石田幹雄トリオ『ターキッシュ・マンボ』(2008年)

●竹村一哲
瀬尾高志+松丸契+竹村一哲+高橋佑成@公園通りクラシックス(2020年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン(2017年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)


杉本拓+増渕顕史@東北沢OTOOTO

2020-12-21 07:53:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

東北沢のOTOOTO(2020/12/20)。

Taku Sugimoto 杉本拓 (g)
Takashi Masubuchi 増渕顕史 (g)

このふたりが一音ずつを集中して選び、静寂のなかに提示することは観る前からわかっている。おもしろいのはどのように音を選び、どのように相互にさざ波のように影響し合うかを観察すること。その点でいえば、杉本さんの音の単位は指が弦に触れるところ、増渕さんのそれは音が響いて流れるところなのかと感じられた。空気が弛緩することのない2セット。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●杉本拓
佐伯美波+池田若菜+池田陽子+杉本拓+ステファン・テュット+マンフレッド・ヴェルダー『Sextet』(2017年)
杉本拓+増渕顕史@東北沢OTOOTO(2017年)
クリスチャン・コビ+池田若菜+杉本拓+池田陽子『ATTA!』(2017年)

●増渕顕史
池田陽子、増渕顕史、野川菜つみ、田上碧、メーガン・アリス・クルーン@Ftarri(2019年)
アレクサンダー・ホルム、クリス・シールズ、クラウス・ハクスホルムとのセッション@Permian(2019年)
森重靖宗+池田陽子+増渕顕史『shade』(2018年)
齊藤僚太+ヨシュア・ヴァイツェル+増渕顕史@Permian(2018年)
Zhu Wenbo、Zhao Cong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+徳永将豪+増渕顕史+中村ゆい@Ftarri(2017年)
杉本拓+増渕顕史@東北沢OTOOTO(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)


豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス

2020-12-20 23:47:58 | アヴァンギャルド・ジャズ

渋谷の公園通りクラシックス(2020/12/20)。

Sabu Toyozumi 豊住芳三郎 (ds, 二胡)
Hisaharu Teruuchi 照内央晴 (p)

ファーストセットでは、照内さんはいつまでも途切れない流れのようにピアノを弾く。強度が変わり、旋律の色が変わっても、流れは途切れない。豊住さんのスキゾ的なドラミングに、そのようにして絡み合っていこうとしているようにみえる。ただ単調な攻めではない。途中でふと静寂が訪れ、明らかに豊住さんが待っている。鍵盤のタッチとともに怒涛のドラミングがまた始まる際の張りつめた空気は、常に進行形の即興ならではである。

セカンドセットでは豊住さんは最初に二胡を弾いた(この時間が次第に長くなっているように思える)。ドラムに向かい合ってからの時間は最後まで激しい。バスドラとスネアとシンバルが同じ強さを持って迫ってくる。そのひとつひとつの音は驚くほど研がれていて綺麗でさえある。このようなときの照内さんは、自身からなにかをあれこれと仕掛けるのではなく、激しい相手に対して高速で力強く間合いを詰めてゆく。それもまた良い。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●豊住芳三郎
纐纈雅代+佐藤允彦+豊住芳三郎@新宿ピットイン(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@山猫軒(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2020年)
豊住芳三郎+コク・シーワイ+照内央晴@横濱エアジン(2019年)
豊住芳三郎インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+庄子勝治+照内央晴@山猫軒(2019年)
豊住芳三郎+老丹+照内央晴@アケタの店(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
ジョン・ラッセル+豊住芳三郎@稲毛Candy(2018年)
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)
ブロッツ&サブ@新宿ピットイン(2015年)
豊住芳三郎+ジョン・ラッセル『無為自然』(2013年)
豊住芳三郎『Sublimation』(2004年)
ポール・ラザフォード+豊住芳三郎『The Conscience』(1999年)
アーサー・ドイル+水谷孝+豊住芳三郎『Live in Japan 1997』(1997年)
佐藤允彦+豊住芳三郎『The Aiki 合気』(1997年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『滄海』(1976年)
加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『新海』、高木元輝+加古隆『パリ日本館コンサート』(1976年、74年)
豊住芳三郎+高木元輝 『もし海が壊れたら』、『藻』(1971年、75年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年)

●照内央晴
藤山裕子+照内央晴+吉田隆一+吉田つぶら@なってるハウス(2020年)
吉田達也+照内央晴@荻窪Velvet Sun(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@山猫軒(2020年)
庄子勝治+照内央晴@稲毛Candy(2020年)
松本一哉+照内央晴+吉本裕美子@水道橋Ftarri(2020年)
照内央晴+加藤綾子@本八幡cooljojo(2020年)
神保町サウンドサーカス(直江実樹+照内央晴、sawada)@神保町試聴室(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2020年)
千野秀一+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
奥田梨恵子+照内央晴@荻窪クレモニア(2019年)
豊住芳三郎+コク・シーワイ+照内央晴@横濱エアジン(2019年)
照内央晴+加藤綾子@神保町試聴室(2019年)
特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴@なってるハウス(2019年)
豊住芳三郎インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+庄子勝治+照内央晴@山猫軒(2019年)
豊住芳三郎+老丹+照内央晴@アケタの店(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2019年)
吉久昌樹+照内央晴@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2019年)
照内央晴、荻野やすよし、吉久昌樹、小沢あき@なってるハウス(2019年)
照内央晴+方波見智子@なってるハウス(2019年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+吉本裕美子+照内央晴@高円寺グッドマン(2018年)
照内央晴+川島誠@山猫軒(2018年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2018年)
『終わりなき歌 石内矢巳 花詩集III』@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2018年)
Cool Meeting vol.1@cooljojo(2018年)
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)
ネッド・マックガウエン即興セッション@神保町試聴室(2017年)
照内央晴・松本ちはや《哀しみさえも星となりて》 CD発売記念コンサートツアー Final(JazzTokyo)(2017年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』@船橋きららホール(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』(JazzTokyo)(2016年)
照内央晴「九月に~即興演奏とダンスの夜 茶会記篇」@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)


樋口尚文『実相寺昭雄 才気の伽藍』

2020-12-14 21:48:25 | アート・映画
樋口尚文『実相寺昭雄 才気の伽藍』(アルファベータブックス)がなかなか面白かった。
京浜東北線で南東京から川崎へと南下するときには『ウルトラセブン』の「狙われた街」における町工場の雰囲気を思い出すことがあるけれど(メトロン星人!)、そのあたりの特撮物で実相寺にやられた少年は多かっただろう。
『怪奇大作戦』は生まれる前の作品で再放送もなかったから、「呪いの壺」や「京都買います」に痺れたのは大人になってからだ。暗くて歪んだ『シルバー仮面』も、『曼陀羅』や『哥』のようなATGの怪作映画もあとで観た。
大島渚は『夏の妹』で主人公たちに『シルバー仮面』の主題歌を歌わせている。また、著者は『シルバー仮面』の5人兄弟に連合赤軍の若者たちを重ね合わせている。自分より上の世代、同時代の人たちでないと共感しない部分もあったに違いない。
そしてまた、著者は実相寺のことを「快楽思想犯」と評している。あの偏執狂的なカメラワークと演出を刷り込まれたら、「ごもっとも」としか言いようがない。
また何か観ようかな。

曽根麻央+デイヴィッド・ブライアント@六本木サテンドール

2020-12-14 08:43:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

六本木のサテンドール(2020/12/13)。

Mao Sone 曽根麻央 (tp, ds)
David Bryant (p)

Kyte Flying(曽根)、Days of Wines and Roses、Little One(Hancock)、Nocturnal Alley(曽根)、Blue in Green(Davis)、Nardis(Evans)、Some Other Time(Bernstein)、First Impressions(Bryant)、Isfahan、Gathering at Park Drive(曽根)、There Will Never Be Another You。

曽根さんの音は飛沫のひとつひとつに色が付いているようで聴いていて愉しい。はじめはエコーをかけすぎではないかと思ったが、それも長いデュオを演るからこそだと気づいた。デイヴィッド・ブライアントはいつものようにさまざまな繊細な和音で惹かれる。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●曽根麻央
大口純一郎/曽根麻央 双頭Quartet@下北沢No Room for Squares(2020年)

●デイヴィッド・ブライアント
デイヴィッド・ブライアント@Body & Soul(2020年)
ジーン・ジャクソン@赤坂Crawfish(2019年)
レイモンド・マクモーリン@六本木Satin Doll(2019年)
ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU(2019年)
マリア・グランド『Magdalena』(2018年)
ルイ・ヘイズ@Cotton Club(2017年)
エイブラハム・バートン・カルテットとアフターアワーズ・ジャムセッション@Smalls(2017年)
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
マリア・グランド『Tetrawind』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)


生誕100年・金達寿展@神奈川近代文学館

2020-12-14 08:32:42 | 韓国・朝鮮

在日コリアン作家・金達寿の生誕100年を記念した展覧会に足を運んだ(神奈川近代文学館)。

かれは日韓併合下の朝鮮に生まれ、戦中戦後、日本語で作品を書き続けた。金石範、李恢成、金時鐘らと同様に、「占領者のことばを使って表現する」という、自身のアイデンティティを揺さぶられる事態を文学に昇華していった人だと言うことができる。

会場には、『玄界灘』『朴達の裁判』の原稿や、パイオニアの金史良(朝鮮戦争に身を投じて消える)からの手紙なんかが展示され、また金芝河を支援するスピーチのテープを聴けたりもして、とても面白かった。小松川事件の李珍宇(大島渚が『絞死刑』で描いた)や金嬉老への支援をしていたということは意識しておらず発見。

僕の『玄界灘』には署名が入っていて、「寿」の字が可愛いなと思っていたのだけど、原稿を見ると、「あ」や「み」の丸いところが同じ感じ(当たり前だ)。そして右肩上がり。こういう展示は作家に親しみがわいてきて楽しい。

●金達寿
『金達寿小説集』
金達寿『玄海灘』
金達寿『朴達の裁判』
金達寿『わがアリランの歌』


マクイーン時田深山+神田綾子@下北沢No Room for Squares(JazzTokyo)

2020-12-12 12:37:49 | アヴァンギャルド・ジャズ

マクイーン時田深山+神田綾子@下北沢No Room for Squares(2020/11/14)。

>> #1154 マクイーン時田深山+神田綾子

Miyama McQueen-Tokita マクイーン時田深山 (十七絃箏)
Ayako Kanda 神田綾子 (voice)

●マクイーン時田深山
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2020年)
マクイーン時田深山+池田陽子+池上秀夫 ― 弦弦弦@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2020年)
マクイーン時田深山@下北沢Apollo その2(2020年)
マクイーン時田深山@下北沢Apollo(2020年)
アンノウン・ミラーズ『Your Ten Is My Twelve』(-2020年)
『今・ここ・私。ドイツ×日本 2019/即興パフォーマンス in いずるば』(JazzTokyo)(2019年)
喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2017年)

●神田綾子
岡田ヨシヒロ@池袋Flat Five(2020年)
神田綾子+森順治@横濱エアジン(JazzTokyo)(2020年)
神田綾子+北田学@渋谷Bar Subterraneans(動画配信)(2020年)


Takatsuki Trio Quartett『Live in Hessen』(JazzTokyo)

2020-12-12 12:29:39 | アヴァンギャルド・ジャズ

Takatsuki Trio Quartett『Live in Hessen』(2019年)。

>> #2037 『Takatsuki Trio Quartett / Live in Hessen』

Takatsuki Trio Quartet:
Dirk Marwedel (extended sax)
Matthias Schubert (ts)
Rieko Okuda 奥田梨恵子 (p, viola, voice)
Antti Virtaranta (b)
Joshua Weitzel (g, shamisen)

●奥田梨恵子
奥田梨恵子+照内央晴@荻窪クレモニア(2019年)
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
奥田梨恵子(Rieko Okuda)『Paranorm』(JazzTokyo)(2017年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)

●アンティ・ヴィルタランタ
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)

●ヨシュア・ヴァイツェル
マッシモ・マギー+ヨシュア・ヴァイツェル+ティム・グリーン『Live at Salon Villa Plagwitz』(JazzTokyo)(2020年)
齊藤僚太+ヨシュア・ヴァイツェル+田中悠美子@Ftarri(2018年)
齊藤僚太+ヨシュア・ヴァイツェル+増渕顕史@Permian(2018年)
二コラ・ハイン+ヨシュア・ヴァイツェル+アルフレート・23・ハルト+竹下勇馬@Bar Isshee
(2017年)
大城真+永井千恵、アルフレート・23・ハルト、二コラ・ハイン+ヨシュア・ヴァイツェル+中村としまる@Ftarri
(2017年)
現代三味線デュオ『弦発力』(斎藤僚太、ヨシュア・ヴァイツェル)(2016-17年)
ウルリケ・レンツ+ヨシュア・ヴァイツェル『#FLUTESHAMISEN』(2016年)

●マティアス・シューベルト
7 of 8 @ Jazzkeller 69(2018年)
スコット・フィールズ『Barclay』(2018年)
藤井郷子オーケストラベルリン『Ninety-Nine Years』(JazzTokyo)(2017年)


藤山裕子+照内央晴+吉田隆一+吉田つぶら@なってるハウス

2020-12-02 07:11:00 | アヴァンギャルド・ジャズ

入谷のなってるハウス(2020/12/1)。

Yuko Fujiyama 藤山裕子 (p)
Hisaharu Teruuchi 照内央晴 (p)
Ryuichi Yoshida 吉田隆一 (fl, bs)
Tsubura Yoshida 吉田つぶら (tap)

ソーシャルディスタンスが必要ゆえ連弾はないが、さまざまな組み合わせのギグ。

1. 照内+吉田隆一+吉田つぶら

はじめのフルートからバリトンサックスに持ち替え、口元の撥音を増幅するとき、これはタップとの共演ゆえのものだったかと気づいた。それはW吉田からの散弾銃から、照内さんのピアノによる下からのサウンドの構築もあって世界を拡げていった。その拡がりにはうたも含まれていて、吉田隆一さんの途中のフレーズは「花火鉄砲、花火鉄砲」。吉田つぶらさんが板を擦るとき、照内さんもピアノの音をペダルを踏んで響かせていたようにみえた。(※だが、照内さんによればむしろ逆で残響を残したくなかったとのこと。)

2. 藤山+吉田つぶら

やはりふたりの個性的なピアニストの音はまるで違う。アプローチもこの2回を比較するとずいぶん異なっていた。藤山さんは地面に足を付けてかたちを作ってゆくのではなく、はじめから三次元の音の拡がりを幻視してさまざまな音を飛ばしているように感じられた。

3. 照内+吉田隆一

フラグメンツを放っては集めてかたちを作る展開ではなく、より旋律的で、間合いもはじめから近い。音の持続のありようも異なるのに、バリトンサックスとピアノが絡み合いつつ高みへと昇っていった。

4. 藤山+吉田隆一+吉田つぶら

W吉田が微小なものを含めて音をそのあたりに砂のように撒いてゆくと、程なくして藤山さんがピアノ内部の弦をおなじように触れ、三者の実に繊細な世界。そこからの展開はまた多彩でみごと。吉田つぶらさんのタップは柔らかくも重くもあるパンチのようで(音全体がクラスターとなって攻めてくるのではなく)、途中で後ろに抜けて様子を見ていたあとにふたたび入ってくるとまた驚かされた。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●照内央晴
吉田達也+照内央晴@荻窪Velvet Sun(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@山猫軒(2020年)
庄子勝治+照内央晴@稲毛Candy(2020年)
松本一哉+照内央晴+吉本裕美子@水道橋Ftarri(2020年)
照内央晴+加藤綾子@本八幡cooljojo(2020年)
神保町サウンドサーカス(直江実樹+照内央晴、sawada)@神保町試聴室(2020年)
豊住芳三郎+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2020年)
千野秀一+照内央晴@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
奥田梨恵子+照内央晴@荻窪クレモニア(2019年)
豊住芳三郎+コク・シーワイ+照内央晴@横濱エアジン(2019年)
照内央晴+加藤綾子@神保町試聴室(2019年)
特殊音樂祭@和光大学(JazzTokyo)(2019年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴@なってるハウス(2019年)
豊住芳三郎インタビュー(JazzTokyo)(2019年)
豊住芳三郎+庄子勝治+照内央晴@山猫軒(2019年)
豊住芳三郎+老丹+照内央晴@アケタの店(2019年)
豊住芳三郎+謝明諺@Candy(2019年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2019年)
吉久昌樹+照内央晴@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2019年)
照内央晴、荻野やすよし、吉久昌樹、小沢あき@なってるハウス(2019年)
照内央晴+方波見智子@なってるハウス(2019年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+吉本裕美子+照内央晴@高円寺グッドマン(2018年)
照内央晴+川島誠@山猫軒(2018年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2018年)
『終わりなき歌 石内矢巳 花詩集III』@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2018年)
Cool Meeting vol.1@cooljojo(2018年)
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)
ネッド・マックガウエン即興セッション@神保町試聴室(2017年)
照内央晴・松本ちはや《哀しみさえも星となりて》 CD発売記念コンサートツアー Final(JazzTokyo)(2017年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』@船橋きららホール(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』(JazzTokyo)(2016年)
照内央晴「九月に~即興演奏とダンスの夜 茶会記篇」@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)

●藤山裕子
藤山裕子+さがゆき+田中悠美子+山田邦喜@なってるハウス(2020年)
藤山裕子+レジー・ニコルソン+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2018年)
ピーター・エヴァンス@Jazz Art せんがわ2018(JazzTokyo)
(2018年)

●吉田隆一
吉田隆一ソロ@喫茶茶会記(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2019年)
吉田隆一ソロ@なってるハウス(2019年)
吉田隆一ソロ@T-BONE(2018年)
沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス(2018年)
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
MoGoToYoYo@新宿ピットイン(2017年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『blacksheep 2』(2011年)
吉田隆一+石田幹雄『霞』(2009年)